魔法のランプ1
『お呼びでしょうか 旦那様 何でも願いを叶えましょう』
毎日毎日けだるい暑さ 夏は容赦なく喉渇かすが 水汚染され出る泥水 飲める水は金か女
こんな時すら愚痴ひとつ言わずこの少年もくもくと働く しかしたまらず出る思わず溜め息の中で欲が渇く
ある日ある街の商人と出遭う しばらく振りの水を買うため
そこで何となく目にしただけで それだけで 引き寄せられる 手前二列目ランプへ手伸びて
水買うこと忘れ 持ち金全て払い手に入れて 駆け足で帰る家へ
冷静な自分はすべて慌てて 古びたランプ眺めて二、三度撫でた
言い伝えでは巨人が煙に巻かれ現れ 何でも願いを叶えてくれるってわけ
そしたら本当に出てきたぜ
『お呼びでしょうか 旦那様 何でも願いを叶えましょう』
「おぉ 本当に何でもいいのか?」
半信半疑で少年は尋ね
「じゃあ 水をくれ」
と言うと そしたら何年も使ってない蛇口から 滴る雫が 水が落ちた
「驚いた これはすごいな」
まだ探る思いで
「もうひとつ頼むぜ 次は金だ 金をくれ」
「いくらだって? じゃあバケツに入るだけ 全部札だけ コインはいらねぇ」
すると一瞬にして空のバケツの中は山盛りの札束で一杯になった
その時点で少年は恐怖と喜び押し殺し 恐ろしい試み呼び起こし
次々と叶える望み 総てを手にしたように
次第に願いもなくなり 満たされるはずが何も感じない しかもランプの精は戻ろうとしない
「もう何も望みはない もう望みはない... もう...」
『お呼びでしょうか 旦那様 何でも願いを叶えましょう』
魔法のランプの精は少年の願いを叶えてた その少年欲を食べられては
呆然無気力と死の境界線 目線見つめる一点 もう死んだも同然
欲を食い尽くしたランプの精 満足そうにランプの中へ
口笛の音が近づいてきた ある日の商人が家に入ってきた
そしてランプを持ち去りました 口笛吹きながら
『お呼びでしょうか 旦那様 何でも願いを叶えましょう』
『お呼びでしょうか 旦那様...』 とまたどこかの町から聞こえる
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