COLUMN THE JIGSAW  SEX

子宮の気持ち 最終回

”子宮コンシャス”している女は強く、美しい 木村恵子

 これからは女性的なものを理解することが
文化のいろいろな局面にとって重要な時代になるだろうなと思う。
男性的なものが女性の無意識の中にあり
女性的なものが男性の無意識の中で作用している事を
もっともっと解明していかない限り、
男たちは古い価値観にしがみついてそのうち行き詰まってしまうに違いない。

 子宮感覚を備えていることを女の子たちはもっともっと大切にした方がいいと思う。
”子宮コンシャス”している女は強い、美しい。
本能で物事を感じ取るプリミティブなその力は天から与えられた最高の贈り物だ。

 よく男の子なんかよりも圧倒的にパチンコのうまい女の子がいるが、
どの台が出るかという勘の鋭さと、玉を打ちながら
その台の全体の流れや起伏を読み取る能力が無意識のうちに働くのだろう。

 例えばチャンスが平等に誰もの所を回って来ても、
チャンスを見分ける能力、その前髪をつかむ事が出来なければ何にもならない。
それと物事の流れを感じ取ってうまくそれに乗っていく勘のよさや、
人から物から発せられるその周波数を敏感に感じて読み分ける能力は、
やはり子宮感覚と呼ぶべきものだと私は思う。

 さて、子宮感覚ですが、
女の子のあなたの中には必ず潜んでいるわけだからそれを磨こう。
男の子は自分が昔住んでいた場所の胎児の記憶をたどる作業をするかしないかで、
物の見方が新次元に突入できるかどうかにかかっているのだから、
理解するように務めよう。
そして時々自分は”女だ”と思い込む習慣をつけるといいかも。

 子宮感覚を養うためのお友達としては文学作品が手っ取り早い。
三島由紀夫の「美徳のよろめき」や「音楽」、
倉橋由美子「聖少女」、谷崎潤一郎「痴人の愛」、泉鏡花「春昼」、
フランソワーズ・サガン「ある微笑」や「熱い恋」など全作品。
ジョルジュ・バタイユ「エロティシズム」、
マルキ・ド・サド「悪徳の栄え」「悲惨物語」
夢野久作「死後の恋」「ドグラ・マグラ」などが、
私はインスパイア・シャワーの宝庫だと思うが、
映画ではリリアーナ・カバーニの「愛の嵐」や
ルイス・ブニュエルの「欲望のあいまいな対象」「昼顔」等を観て、
本当のエッチを識別できる子宮感覚所持者になって頂きたいと切に希望する次第だ。

 今回でこのコラムは終わりだが、今まで読んでくれた人達にお礼を申し上げます。
私自身もとても思い入れの強かったページなだけに、
あなた達と会えなくなるのが淋しい気持ちで一杯です。
でも私とあなたがどこか通じ合ったものがあるなら必ずまた会えると信じてます。
本当にありがとう!!
愛をこめてさようなら。


キムラケイコ
 ミュージシャン。
トオル&ヒデキ、愛してます!!
八ヶ月という短い間でしたが、いろいろありがとう。