よだの木村恵子さんとの思い出

100円

再び古本屋にて
いつ木村恵子さんが来てもいいように
ロッカーには著書「グレープフルーツ」を入れてあったある日の事
「休憩行ってきまーす」とバイト仲間が事務所に入っていくのを
防犯カメラで追っているとそこには・・・

「ん?あーーーっ!

いつのまにか木村恵子さんがいらっしゃいました
バイト仲間とすれ違います

「ちょ、ちょっとーっ」
まったく気付かずに事務所に入っていく奴に教えたい
どうしよう、内線しようかな
あ、本取ってこなきゃ、でも今レジひとりだし・・・と思っていると
木村恵子さんがレジにやって来てしまいました

「いらっしゃいませ」
「あのー、この本、値段はこのままですか?」
「うーん・・・じゃ
100円でいいです」
そして木村恵子さんは1冊の本を手に帰っていきました

30分後、休憩から帰ってきたバイト仲間に
「見た?見た?」と興奮してたずねたのですが
まったく覚えていない様子

またしても木村恵子さんをわかってもらえず
しかも本にサインはもらえませんでした
それよりも・・・
100円にするくらいなら、
タダにしてやれよーとちょっと後悔したのでした
(2000. 2.10)