モーツァルト/交響曲 第40番,チャイコフスキー/弦楽のためのセレナード ハ長調 op.48
指揮/岩城宏之
●発売/ヤマチク(1991.9.1)
●Victor PRCD-5041¥2,913(税抜)
●録音/野々市町文化会館 フォルテ(1991.4.19-20)

OEKのCDデビュー盤。数ある同曲異盤と比較すると,かなり控え目な演奏になっている。美しい響きではあるが,録音も含めて全般に奥に引っ込んでいるような印象がある。

モーツァルトの方は繰り返しを行っているので,浜離宮朝日ホールでの演奏よりは演奏時間がかなり長くなっている。新録音の方はライブということもあり,テンポ自体はもっと速く,演奏にも勢いがある。チャイコフスキーの方も全体に静かで落ち着いた感じで,あまりロマン派らしさのない演奏である。しかし,モーツァルトの曲との組み合せなので,派手過ぎる演奏よりは相応しいといえる。モーツァルト的なチャイコフスキーというのは,実はチャイコフスキーが目指していたものかもしれない。

なお,私が所蔵している,初版のCDには,朝比奈隆の「祝辞」のような文章が載っている。これは以外に貴重かもしれない(その後の版には英文の解説が付いているようである)。