Bel Canto trumpet
ベルリーニ/オーボエ協奏曲(トランペット用編曲)
ハイドン/トランペット協奏曲変ホ長調,HobVIIe:1
チマローザ/オーボエ協奏曲(トランペット用編曲)
フンメル/トランペット協奏曲ホ長調
ウェーバー/オーボエと管楽合奏のためのコンチェルティーノハ長調(トランペット用編曲)
アーバン(スタンホープ編曲)/「テンダのベアトリーチェ」のカバティーナによる幻想曲と変奏曲
●演奏
ジェフリー・ペイン(Tp)
マイケル・ハラス指揮メルボルンSO
●ABC 454503-2(輸入盤)
●録音 1996年1月29日〜2月3日メルボルン)

ジェフリー・ペインさんは,もっとも数多くOEKに参加している客演奏者だと思います。岩城さんがかつて音楽監督を務めていたメルボルン交響楽団の首席トランペット奏者で,アザラシのようなヒゲがとても印象的な方です。

このCDのタイトルには「ベルカント」という言葉が入っていますが,まさにオペラのアリアを聞くような楽しさが溢れています。オペラ・アリアをトランペットで演奏するのではなく,他の楽器の協奏曲をトランペットで演奏して,ベルカント風の雰囲気を感じさせるあたりにヒネリが効いています。もちろん,ハイドン,フンメルといったトランペット協奏曲の名作も収録されていますので,トランペット協奏曲の入門CDとしても相応しい内容になっています。

ペインさんの音色はとてもまろやかです。キレの良い技巧をバリバリと聞かせるというよりは,どこか素朴でのんびりとした雰囲気があるのが魅力です。もちろん優れた技巧を聞かせてくれるのですが,常に暖かい人間味のようなものを感じさせてくれます。つい,オーストラリアの開放的な風土などを連想してしまいます。