ルドヴィート・カンタ/チェロリサイタル
シューベルト/アルペジョーネ・ソナ,イ短調,D.821*
ドウ゛ォルザーク/森の静けさop.68-5,B.182
ドウ゛ォルザーク/ロンド,ト短調op.94,B.181
ブルッフ/コル・ニドライ(ヘブライの旋律)op.47
ショパン/ノクターン変ホ長調,op.9-2
フォーレ/夢のあとにop.7-1
サン=サーンス/白鳥
●演奏
ルドヴィート・カンタ(Vc),ノルベルト・ヘラー(Pf*);松井晃子(Pf)
●AEOLUS ACCD-S118
●録音 1997年3月19〜20日入善コスモ・ホール(富山県入善町)

OEK首席チェロ奏者のルドヴィート・カンタさんの初のリサイタル・アルバムです。チェロの代表的な名曲を集めた親しみやすい内容です。

カンタさんのチェロはクリームのような淡く柔らかな音が特徴ですが,それを堪能することができます。特にアルペジョーネ・ソナタは見事な演奏です。この曲は,オリジナルがアルペジョーネという幻の楽器のために作られた曲だけあって,高音が沢山出てくる曲ですが,非常に美しい響きです。第2楽章の”歌”も聴かせてくれます。ピアノ伴奏はカンタさんの友人のノルベルト・ヘラーさんですがこの方の透明感のある伴奏も見事です。そのうち,このコンビにヴァイオリンを加えてシューベルトのピアノ三重奏曲あたりも聴いてみたいものです。

続くドヴォルザークは,カンタさんの”お国物”ということになります。いずれもドヴォルザークらしい歌に溢れた曲です。もっと広く知られても良い曲だと思います。その他の曲も叙情的な曲が多いので,聴いているうちに,心が癒されてくるような感じになります。チェロの音の自体に「癒し」の力がありそうですが,その魅力を堪能させてくれるCDとなっています。

なお,最後の「白鳥」は,OEKの「スウィート」というアルバムの中でもカンタさんがソロを担当しています。原曲はピアノ2台の伴奏の曲ですが,「スウィート」では,オーケストラ伴奏用にアレンジされています。この演奏でのピアノ伴奏は1台です。