クラリネットデュオの魅力・バッハの響き
バッハ,J.S/2声のインヴェンション,BWV.772〜786(クラリネット二重奏版)
バッハ,W.F./6つの二重奏曲〜第1,2,4,5番(クラリネット二重奏版)
●演奏
白川毅夫,遠藤文江(Cl)
●Super Nova SNCD-0141
●録音 1997年7月14日所沢

OEKのクラリネット奏者の遠藤文江さんが白川毅夫さんと2人でバッハを演奏したCDです。正確なところはわかりませんが,クラリネット2本でバッハの曲を演奏するアイデアというのは他にはないと思います。その意味で画期的な演奏といえます。

2声のインヴェンションは元々2つの線が絡み合う曲で,鍵盤楽器で演奏される曲です。それをほとんどそのままクラリネットによる線の絡み合いに置きかえるというアイデアはクラリネット奏者ならではのものだと思います。バッハの曲は禁欲的な雰囲気があるのですが,ちょっと暖かみとユーモアのあるクラリネットの音色で聴くと独特の親しみやすさが出てきます。

後半はバッハの長男のウィリアム・フリーデマン・バッハの二重奏曲の抜粋です。これは元々フルート2本のために書かれたものです。オリジナルは聴いたことはないのですが,インヴェンションよりもこちらの方が華やかな響きに聞えます。こちらの方がより古典派に近づいているようで作曲された時代の違いも感じられます。