有名人軍歌論

 軍歌の好きな有名人の、軍歌論をあれこれ聞き集めてみました。


明治天皇

 明治天皇は、無類の軍歌好きだったそうです!
 とくに、「勇敢なる水兵」がたしか大好きで、しょっちゅうこの軍歌を演奏させていたそうですよ。


野坂昭如さん

 「火垂るの墓」の原作者として有名な、野坂昭如さんは、かなりの軍歌愛好家だそうです。
 現に、「軍歌」というタイトルを小説にしているくらいです。
 その小説のあとがきを読んでみましたが、野坂さんは、明治生まれの父親から、明治軍歌を聞かされて育ったそうで、明治軍歌専門の軍歌好き。
 逆に、昭和の戦時歌謡は、あまりにもその歌詞の内容が生々しすぎて、笑えなくなる。「同期の桜」や「若鷲の歌」はとてもとてもつらすぎて、歌うことができなくなるそうです。


堀内敬三さん

 かの有名な戦時歌謡「出せ一億の底力」の作者として有名な堀内敬三さんは、徹底した好戦家の軍歌評論を下しています。
 「同期の桜」や「ダンチョネ節」などといった陰気くさい敗戦軍歌など、軍歌ではない!軍歌の本来の目的とは、戦意高揚であり、忠誠の歌である、愛国の歌である、というのが、堀内さんの軍歌論。
 なにしろ、堀内さんは、戦時中に、洋楽かぶれの輸入音楽をとことん批判し、洋風の音楽を徹底排除するという運動をおこしたくらいの、好戦ぶりだったのですから。


古関裕而さん

 古関裕而さんは堀内さんとは対照的に、戦後、徹底的に軍国かぶれの戦時歌謡を反省し、自分の作品についても、きわめて厳格に評価をくだした作曲家です。
 して、軍歌とは、もはや戦争応援歌、軍国主義の歌としては、歌うべきでなく、あくまで、鎮魂の歌、思い出の歌、歴史的価値を求める歌として、戦後の日本人は歌うべきである、との見方が強いようです。また、戦後軍歌を歌うさいには、ぜひとも、本来の歌い方に忠実に近づけて歌って欲しい、とのコメントも残しています。と、いうのも、戦後の日本人は、軍歌を、本来の形とは、幾分異なる形で愛唱していたからなのです。


鶴田浩二さん

 鶴田浩二さんの軍歌論を現在募集中です!
 ご存知のかたは、ぜひとも掲示板に書き込んでください。

 と、いう募集をしましたところ、雲葉42さまより、さっそく情報がいただけました。

 徐州様お久し振りです。さて 鶴田浩二さんのことについてですが、
 ご存知のことと思いますが、鶴田さんは特攻隊員で仲間が次々と
 出撃して、去っていき、自分だけが最後まで、残って生き延びたことは有名な話でありましたが、その仲間たちの戦友に対して自分だけが生きているのがすまないといった気持ちが、軍歌を歌う時によく現れていると思います。
 私は今から約20年位前に鶴田浩二さんが中心となって、戦時歌謡軍歌の特集の番組をテレビで見たことがあります。
 その時にこういったことを語りながら、軍歌を歌っていました。
 ただ20年前だったので、この時は一応ビデオで録画したのですが、
 まだ家庭用のVTRが出始めの頃で性能がよくなく、画像が大変悪く画像がちらついて長く見ていると、目に悪いような状態でした。ただこの時はメジャーな軍歌をかなり現役ナツメロ歌手が歌っていましたのですが、これ以後に軍歌特集のテレビ番組は全くありませんので、ひょっとしたらこの番組が最後の軍歌の特集番組になるのかも知れません。

 また 私は30年位前に鶴田浩二さんのリサイタルを見に行ったことがありますが、あの片手を耳に当てて歌う独特姿は最初から全く変わりませんでした。

さらに、猫奉行様の回答

 雲葉さま、まったく同じテレビ番組、僕も見た記憶あります。確かにそれ以降、全編軍歌というテレビ番組はありません。ゴールデンで2時間ぐらいの特番、番号の若いテレビ局(日テレ?)だったと記憶しています。そう、鶴田さんが中心で、次々に軍歌を歌うという内容でした。演出もなく、戦中の映像をかぶせるでもなく、淡々と軍歌を歌うといったような。
 鶴田さんは大昔に週刊誌でかますびしく書かれたのは事実で、飛行機の整備工でしたが実際の搭乗経験はありません。ただ、戦後、顧みられなかった特攻兵や戦友会への莫大な支援や熱意で、実際に搭乗して死地から生還した人らに仲間として認知され、亡くなった際には日の丸に包まれて、「同期の桜」に送られての出棺でした。
 実際に特攻兵だった有名人では西村晃(水戸黄門)、田英夫(政治家、アナウンサー)、大下弘(野球選手)などがいます。鶴田さんは次々に死地へ赴く飛行兵を見送るだけの(自分は飛べない)、そして飛行機の整備ですから、死出への旅を手伝うような仕事ですし、それはそれは忸怩たる思いや感情が、むしろ実際に飛んだ人らよりも強く残って、死ぬまで引きずったのだと思います。


上原敏さん

山本留吉さまより

手元の試料に、上原敏さんの軍歌論?がありましたので記しておきます。

歌手(流転、便りもの歌謡で有名)
性格は、真面目人間で情熱家
「私は、歌手である以上歌う事が仕事である。
その仕事がお国のためになるならば、また兵隊さん達に求められるならば、
いつでもどこでも、歌う事に努力する事が男の道だと思う。」

(「学徒進軍歌」おやじの唄さまよりダウンロード。)