当店のパラゴンの図面etc


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                      ------- B 達人登場 -------


 大震災、不景気、後継者問題と理由は色々あろうが、老舗が次々となくなっている。

特に食べ物関係は、二度とその味を口にできないのは、ほんとうに残念だ。

レストランKENS・あなご青辰・とんかつ大雄・うの花寿司の魚新、等 私が大好きだった店だ。

場所を変えてどこかでやっているなら教えていただきたい。

神戸元町で生まれ育った女房も、幼いころの想い出多い”不二家”が閉店したのはかなりショック

だったようだ。

 当店東向かいにロックキャビンという老舗の洋食屋がある。

ハンバーグの上に目玉焼きが乗ってるし、エビフライが開きのエビで、食後にミルクティが出てきたり、

このレトロさは泣かせる。

店内は清潔そのもの。そして何よりも壁に飾ってある南京と男爵芋の絵が私はすきだ。

ここにかけるにはルノアールもセザンヌもこの絵には勝てまい。

 JUST IN TIME の至近距離にZIPPOの専門店が2軒もある。

2軒とも古い店ではないのだが、世の中禁煙が叫ばれる中で、私はエールを送っている。

 禁煙運動には一言あるのだが、それはまた後日ということにして、私はライターは使い捨て

時計は貰いものと決めている。好きなのだがすぐに紛失してしまうからだ。


 時々飲みに来てくれる知人が黒い皮巻きのZIPPOを持っている。

「これいいね、手触りも優しいし。でも開閉の音、悪いなあ」

腹の中で『まるでパラゴンみたい』などと思ったのであります。

「皮で巻いてるから音悪いんですわ。私ZIPPO趣味ですねん、マスターにも取ってきましょか?」

「取って?」

「そう、ゲームセンターにあるんですわ、これの取れる機械。けど本物でっせ。」

「ヘェーッ」

「親恨みますわ、こんな才能だけすごいんです。500円で一個は取れますねん。もう20個以上

たまりましたわ」

「・・・・・・・・」

「どんなのが好きですか?」

「茶色の皮巻きがいいなあ」

「少ないんですよ皮巻き、まぁ、まかしといて」

こんなやりとりも忘れていたのだが二ヶ月ほどして、、

「マスター、ありましたでー。」

なんと、とかげの皮巻き。そして昔”ハーレーダビットソン”と並び称されたバイクの”インディアン”の

ロゴ入り。

「スッゲェー。」

「おまけにこれもあげますわ。前に取ったやつやけど。」

ハンティングワールドのZIPPOにオイルと石が箱にセットされている。

「2個もありがとう。達人やなぁ〜」

すっかり図に乗った私は、

「こんどは黒やな。」

「私の持ってるやつはあきまへんでぇ、あれは気に入ってますねん。また見つけたら取っときますわあ。」

 それから一ヶ月ほどして彼が開店前に飛び込んできた。

「やりましたでぇ〜、300円で取りましたわ」

「ほんまかいな。」

「なに言うてまんねん。私のモットーは・・・・

・・・有言・ZIPPOーダァーッ!



                             

                                                                  

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