------ �A体に優しいジャズ喫茶 ------


　開店する以前のことだが、相変わらず暇を持て余し、ルーツサウンド（オーディオショップ）

にいた時の事であります。

　椅子に腰掛けていた私の前を

電動車椅子に乗った、４０才前後の人が、　スーッと通った。

その拍子に、

「あッ、それいいナー。」

なんてくだらぬことを口走ってしまった。

ところがその人は

「これも案外疲れるんですよ。」

ふいに出てしまった不用意な言葉に、こうやんわり返されると、再び返す言葉を

持ち合わせていない。

私の負けであります。




「ところで、今度ジャズ喫茶をされるそうですね？」

「ム・・・・そうです・・。」

「なるべくバリアフリーにしてくださいね」

確かにジャズ喫茶は地下とか二階が多いしバリアフリーは聞いたことがない。

『マ・カ・サ・ン・カ・イ・！』

かくして”JUST IN TIME”はバリアフリーであります。




　開店して２ヶ月ぐらいしてからだと思うが、彼から連絡が入った。

そう度々は来れないであろう彼の為に、特等席を用意した。



「あのー、タバコ置いてます？」

「イヤ、近くに自販機あるから買いに行かすわ〜〜っ。　ところでタバコいいの？」

「いいんです。」

「じゃ、酒は？」

「酒はねぇ、、、つい飲みすぎて足腰立たんようになるんですわ。」

「・・・・・・・・・・・」


またしても一本取られてしまった。