E 店主の場合

 
 
  私たち夫婦の場合、どれぐらいの電流が体を流れていたのだろうか。右手でポットを握り接触し
 
体内に入った電流は足から地球(アース)へと流れると考える。その場合靴下や履物が抵抗となり
 
電流値はかなり少なくなる。
 
I 先生の測定によると、私が使用していたポットで素足だと 1mAだが、私が常用していた外履用
 
スリッパだと0,35mAということになってしまう。これはなにか肝心なところを見落としている。少なく
 
とも”連続漏れ電流”の”アース断線単一故障”の規制値0,5mAよりは高いはずと思っていた。
 
 
 
二人ともが揃って不整脈になり、ガスに変えてしばらくすると揃って不整脈の出る頻度が極端に
 
減った。他の要因はないし、医者の言うように加齢が原因なら二人揃って不整脈が出たり減ったり
 
タイミングが良すぎるではないか。
 
しかし、これだけオール電化が普及しているのに被害者が私たちだけというのは、なにか私たちだけの
 
重要な状況を見落としているに違いない。
 
I 先生の測定値のはざ間で私の苦闘が続き、ペースメーカーの入っている体をもかえりみず実験を
 
くりかえし、やっと謎解きができた。
 
私たちの体には、間違いなく1mAの電流が流れ、それ以上の
 
電流さえ流れていた可能性があるのを発見した!
 
 
当店では台下冷蔵庫の上に電磁調理器を設置していた。台下冷蔵庫とは上が調理台で下が
 
冷蔵庫になっていて外側がステンレスで覆われた業務用冷蔵庫で外側のステンレスは接地、
 
つまりアースされているのだ。
 
それだけではなっかた。使っていた電磁調理器の調理器具を置くプレートの外周が金属で縁取り
 
してあり、この金属が電源のアース線に直結していた。台下冷蔵庫の上に設置しなくとも、この
 
電磁調理器では単体でワーストケースの電流が体を流れる。
 
右手で電流の流れているポットを握り、左手が調理台やプレートの金属部分に触れるとアースを
 
握っていたのと同じなのだ。これは素足で計測した場合とほぼ同じ、厳密にいうと右手から足より、
 
右手から左手のほうが距離が短いため幾分数値が高いことになる。
 
さらにすごいことも発見した。プレートの上に水をこぼした場合、調理器具の底面積が増えたのと
 
同じであり密着度もあがり、電流値がはねあがる。水の量にもよるが最大で2mAも超えた。
 
営業中なら充分ありえる状況だ。
 
 
私の場合ではなく、試してもいないがオール電化の場合、同一平面上に2口以上の電磁調理器が
 
ついている。同時に2口とも使用中に、もしこぼれた水が2個の調理器具を繋いでしまったり、2個の
 
調理器具がずれて取っ手や注ぎ口で触れ合えば数値が跳ね上がることが考えられる。
 
これはもう漏洩電流の規制値さえも軽く超えてしまっている。
 
こんな電流を体に流し続けても安全だという検査をしてから販売しなければならないはずだ。
 
   
 電磁調理器を製作している家電メーカーはこういった状況を想定していない。
   
 
電磁調理器は他の家電製品とは大きく異なり。電磁調理器が鍋やケトルなど調理器具を
 
回路の一部とし電機部品にしてしまうものであるから、PSEマークは調理器具を含めたもので
 
なくてはならない。なのにメーカーはPSEマーク取得時に本体のみの検査でPSEマークを表示し
 
国もそれを見逃している。


                                                                磯田 省三
                         

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