IH電磁調理器の危険性を証明する入り口
日本の法律では電気への接触は50,60Hzの場合1mA以下で、国際的には0.5mAということに
なっている。これは一時的な接触でピリッっと感じるかどうかで決まっていることは述べてきた。
こういう基準になる数値のことをガイドラインという、つまり上記の数値は[ 感知の危険性に対するガイド
ライン ]ということだ。
では、日常的に長時間接触し続けたり、頻繁にくりかえす場合どれぐらいのガイドラインとなるかというと、
50、60Hzの場合、0.04mAぐらいが限度だ。これは私が持っている資料から計算した数値で、ガイド
ラインを決めるなら0.02mAぐらいに設定されるべきだろうが、日本の家電製品は完璧なまでに絶縁
されているので、これに対するガイドラインはない。
こんなに完璧に絶縁しているのには理由がある。簡単に言うと日本の家庭のコンセントでは家電製品の
外装金属部分の漏れ電流を逃がす、アース(接地)ができないからだ。どの製品もあたりまえのように絶縁
しているので、接触電流の恐ろしを知らない。ところがIH電磁調理器では調理器具(鍋、等)の絶縁でき
ないので今回の問題が起こってしまった。
家電製品ではないがME機器(医療機器)では操作する人に対して0.1mAというガイドラインが
ある。これを連続漏れ電流という。0.04mAのはずが 0.1mAというのは理屈合わないように思わ
れるが。こういったガイドラインには公衆の場合と職業的という二種類ある。公衆とは一般ユーザーの
ことで、きびしいガイドラインとなっている。職業的というのは限られた人々で、その知識があり予防措置の
とれる人々のことを言っている。ME機器の場合は職業的と思われる。
0.1mA とか 0.04mA
という数値の電流は触れても感じないし、日本では微小と思われ問題に
されていない数値だ。日常的に頻繁に接触をくり返したり長時間の接触はたとえ微小な電気であっても
想像以上に人体、特に心臓への影響は大きく避けなければならない。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインというのは感知に対するガイドラインも
あるが、それだけではなく様々なガイドラインが確立されている。「時間変化する電界、磁界及び
電磁界による曝露を制限するためのガイドライン」というのがある。
人体の電流による影響は、時間×電流、と説明してきた、このガイドラインは「時間変化する」とある
ように、時間のことも考慮に入れているガイドラインだ。
その中に心臓に対し最も具体的で有効なガイドラインが存在している。これは体内誘導電流密度の
ガイドラインだ。わかりやすく言うと、人体に電流を流した場合、各部所、たとえば心臓にどれぐらいの
電流が集まると危険であるか、という制限値が確立されている。
こんな専門的なこと私が知っているわけはない。I
名誉教授に教えていただいた。
「ICNIRPに体内誘導電流密度のガイドラインが確立されているから、ガイドラインを超えているか
計算しなさい」 と ・・・・・・・・・・私には難解・・・・・・・・・であります。
調停相手の家電メーカーはこれを知っているが全く調べようとはしない。いや調べたら都合悪いから
調べていないふりをしているという推測が正しいだろう。安全であるという結果なら、鬼の首でもとった
ように結果を私に突きつけてきているはずだ。
少しでも危険の可能性があるのなら調べるのが、メーカーの責務である!
家電メーカー各社がやっていることだから、自社から火を出すわけにはいかない、と思っているのかも。