デビュー作'WOW'の印象は強烈でした。バークリー音楽院を主席で卒業した後、NYCで仕事を探してLive Houseに通いつめますがなかなか見つかりません。ほとんど諦めて向かったLive Houseでたまたまピアノを弾く機会に恵まれました。そのPlayが絶賛され、そのお店のレギュラーピアニストとして迎えられたところから彼女のサクセスストーリが始まります。1989年のことでした。その後しばらくGary ThomasやJoe Hendersonのバックを務め、1993年に鮮烈なデビューを遂げました。JazzのアルバムだとPops系とは2桁違うようで、1万枚売れると大ヒットといわれる業界ですが、この'WOW'は3万枚を超えるヒットとなりました。その後のアルバムもコンスタントにヒットしており、Jazzの賞もかなり受賞しています。当時よく言われたことは、Jazz Pianoというと女性的なピアノを弾く人が多いわけですが、彼女のピアノはとても男性的であったということが印象を更に強烈にしたようです。Official Home Pageはこちらです。
[Album]WOW (1993) JP
鮮烈なデビュー作でした。本当に驚きました。こんな人がいたとは。ゴリゴリと弾きまくる様は非常に爽快なものです。アルバムも大ヒットしました。彼女を知るには先ずはこの作品から入りましょう。SJ誌で日本ジャズ賞を受賞しています。
Cruisin' (1994) JP CD
このアルバムもヒットしました。ただ、個人的には前作に比べるとモチベーションは下がったかなという印象は拭えません。期待が大きすぎたのかもしれませんが。この後、あのVillage Vanguardでの伝説のLiveに挑みます。
Live at Village Vanguard 1 & 2 (1994) JP&US CD
伝説のVillage VanguardのLiveは別々に2枚のCDで発売されています。ここでの彼女はやはり素晴らしい。日本人であることをアピールするように言われたのか'りんご追分'南下も演奏していますが。この年は彼女の当たり年で、SJ誌では銀賞を受賞し、人気投票では4部門で受賞しました。
Piano Quintet Suit (1995) JP
この作品も意欲的な作品で、特に一曲目は鳥肌ものです。心してかかりましょう。ただ、アルバム全体となるとやや苦しい場面も見受けられます。この作品もSJで日本ジャズ賞を受賞。
Hat Trick (with Jackie Mclean 1996) JP
これはJackie Mcleanのリーダーアルバムと考えた方が良いでしょう。それでもPlayは十分で存在感をアピールしています。
Piano, Play, Piano (1996) 未聴
Europe Jazz Fes.でのLive録音です。聴いてみたいのですが、まだ聴けていません。この作品でもSJ誌の賞を多数獲得しています。
The Sextet (1997) 未聴
日本の若手と共に結成されたJazz Workshopでの作品です。
Pandora (1998) 未聴
同じくJazz Workshopでの録音ですが、3CDという意欲作です。限定盤とのことで入手は徐々に難しくなるでしょう。
Self Portrait (1998) JP
初のBest Albumですが、1曲目のみ新録音です。各アルバムからそれぞれのベストテイクが網羅されており、Sampler的にも使えるでしょう。このディスコもこのアルバムのライナーを参照しています。
Fragile (1999) May'99 JP CD
詳細は不明ですがSong Listによりますと、'You've Lost That Lovin' Feeling'、'Hey Joe'、'Sunshine Of Your Love'といったRockの名曲がありますので、これらの曲が彼女の手でどのように料理されているのかが楽しみです。しばらく後輩達の育成に時間を割いていた関係でそれまでのストレスを一気に発散させた感じのアルバムになっています。その意味では、散漫な印象も見受けられますが、それ以上にやりたいことをやりたいようにやったアルバムと言って良いでしょう。半分くらい電気楽器も使っています。冒頭の歪んだエレピの音に驚き(装置が故障したかと思った)、最後の'Sunshine〜'ではあのリフはBassで演奏されています。音質的にはちょっと痩せた印象で、fレンジも広くありません。
Musical Moments -楽興の時- (7/22/09) JP CD
復活第一弾のAlbumです。期待以上の出来でした。ブランクは感じさせないですね。Bonus TrackはLiveの演奏です。
Mukai Shigeharu/J Quintet (1994) 未聴
評判は良好ですが未聴です。
Bob Belden/Shade of Blue (1995) JP CD
Blue Noteの名曲を現代のアレンジで再演しています。Holly Coleの関係で買いましたが、大西順子も参加しています。'Alligator Boogie'バッキングという感じですが堅実なプレィです。
Bob Belden/Strawberry Fields (1996) JP CD
BeatlesのCover集です。Holly Coleの関係で買いましたが、大西順子も参加しています。'Get Back'でファンキーなPlayを聴かせてくれます。
この人はUSの批評家の投票で一位を獲得したほどの実力者です。
Phil Woods/Cool Woods (1999) 4/26/'99BassはRon Carter。One HornですからピアノSoloも多いのではないでしょうか。
[Video]Live at Montrex Jazz Festival (1996) JP LD
この映像があったことは知りませんでした。中古屋で偶然見つけました。日本人のTrioによる演奏です。最初の紹介では名前を間違えるほどの知名度ですが、コンサートの最後には大喝采を受けていました。サイドメンの演奏も見事です。特にMCも無く淡々と演奏は進められていきますが、その演奏は非常に熱いものです。