1. 「スウィングがなければイミないよ」 Ruby Braff/George Barnes Quartet "Live at New School"1974
70年代に活躍した、コルネット(トランペットの親戚)、ギター二人、ベース、のカルテット(四人編成) のコンボ(小編成のバンド)。R.ブラフ(cor),G.バーンズ(g)のベテラン二人がソロをとり、バックの 若い二人はひたすらリズムに専念します。単純にみえて意外ときっちり組み立てられた曲構成で、ドラム がいませんが伝統的な4ビートでデューク・エリントンの曲名どうり強烈にスウィングしています。 ジャズのスタイルでいえば1930年代のスイング・ジャズ、もしくは(大橋巨泉言うところの)「中間派」 と言うところでしょうか。・・Yeah!Yeah! というつぶやきが粋というかカッコよくありません?
2. 「ウインド・マシン」 Count Basie And His Orchestra "Basie Big Band"1975
今度は、Big Bandを聴きましょう。ビッグ・バンドの編成は普通、ドラム、ベース、ピアノ、ギター からなる「リズム・セクション」と、トランペット×5、トロンボーン×4、アルト・サックス×2, テナー・サックス×2、バリトン・サックスから成る「ホーン・サックス・セクション」から出来ています。 (サックスはフルートやクラリネットに、トランペットはフリューゲル・ホーンに持ち替えたりもします) カウント・ベイシー・ビッグバンドは1930年代から活躍している有名なバンドです。(私はソリストが 充実している30年代から40年代のが好きですが)今日は75年に録音された、現代の伝統的ビッグバンド の代表的作品から速いテンポの演奏を選んでみました。リズム・セクションの作り出す強烈なリズム にのって、管楽器が炸裂します。ドラムとアンサンブルとの掛け合いに注目してみよう。
3. 「ウォーキン」 Miles Davis Quintet "Four & More"1964
次はいわゆる「モダン・ジャズ」です。トランペット、テナー・サックス、ピアノ、ベース、ドラム という「コンボ」で、リズムは基本的にベースとトップ・シンバルが刻む4ビート(一小節4拍)で決められます。 まあこの演奏はめちゃくちゃテンポが速いですが、よく聴いてみて下さい。そしてピアノとドラムのスネア、タム、 バスドラムが即興的にアクセントをつけていきます。その上にトランペット、サックスがアドリブ・ソロを取るんですねえ。 とにかくこのドラムのすばらしさを聴いて下さい。ドラムのトニー・ウィリアムスは当時なんと17歳だったんですよ!
4. 「バードランド」 Weather Report "Heavy Weather"1977
どう?なんだかわからない?じゃあ次はみんながおなじみの8ビートで演奏されるジャズを聴いてみましょう。
ウエザー・レポートはさっき聴いたマイルスの弟子と言ってもいいような人たちで結成されたグループで
ロックの要素を取り入れたジャズを演奏して70年代に評判になりました。厳密なアレンジでアドリブのパートは
少ないです(でもちゃんとあるんですよ)。エレキ・ベースのジャコ・パストリアスは知ってるかな?
エレキ・ベースってジャズの世界じゃわりと軽視されてたんだけれど実はすごいことが出来るってことを
証明した人ですね。この曲ではハーモニックス奏法というちょっと変わった音が聴けます。
5. 「クレイ」 山下洋輔トリオ "clay"1974
さて最後はフリー・ジャズだ。ピアノ、アルト・サックス、ドラムという三人で演奏されます。
リズムは今までと違って、フリーというかパルス・ビートというか痙攣するような細かく分割されたリズム
に三人がぴったりノッて演奏してるのがわかるかな?最初と最後にテーマが出てきますがあとは和音とか小節数
とかの決まりはありません。互いの音を聴きあい、反応しあってものすごくスウィングしてます。