「LED ZEPPELIN ライブレポート」1972年10月2日(月)日本武道館
(Annyさんのミーハーバージョン)
駅を出ると、辺りはもううす暗くなっていた。昭和47年の10月2日月曜日、レッド・ツェッペリンのステージを一目見たくて年上のTちゃんにくっついて行く。なんといってもTちゃんは前年に続いて2度目だから心強い。
もう一人洋楽好きのS子も来るはずだったのに当日になってドタキャンされてしまった。S子はマーク・ボランに入れ込んでる最中で少々無理があったかも知れない。
武道館へ着くと「入場券余ってない?」と声をかけられてS子のチケットを買ってもらえて単純に喜ぶ。ダフ屋なんてまだ知らない二人です。
入場が始まって辺りを見回すと背中まで髪を伸ばしたおにいさん達とか、それなりの雰囲気の人が多い。私みたいなのは最年少の部類でみんな大人に見えたので、未知の世界へ来てしまったと少々おじけづく。
席はアリーナやや右側の10列目くらい。今考えるとものすごくいい席なのだが、Tちゃんが取ってくれたのでどうやって手に入れたのかは知らない。S子の席は空いたままでまだ誰も来ない。
ステージを見上げると楽器や大きなアンプがセットしてあって、そこにはなんと、あのシンボルマークが見えるではありませんか!
「あぁ、レッド・ツェッペリンだぁ」と、急に実感がわいて来て心臓がドキドキし始める。
いろいろ話とかあって長い間待ったと思う。場内が暗くなっていよいよ4人の登場になった時はドキドキは最高潮で気が遠くなりそうになった。
演奏が始まったらまず音の大きさにかなりビビッた。もんのすごーーーーい音だった。
身体中にズズズーーンと響いてビシビシ当たってギューンと入って来る感じ。
思わず耳を押える。息が苦しくなって、いやもう失神寸前ってこんなかな。
Tちゃんはロバートの名を呼びながらすでに泣いてた。さすが場慣れしてるというか、ほんとに情熱的だな。でもあそこにいるあの人がジミーだよ、ジミー・ペイジだよ。
普段はおとなしい私も「じみぃ〜」と言ってみたものの自分の声も聞こえなかった。
ジミーは魂に身をゆだねてギターを弾きまくっていた。それまで写真の中の静かな印象ばかりで造っていた自分の中のジミー像とそれは全く予想外で、かなり衝撃を受けたものだった。
ロバートは始め、声は出ないわ音ははずれるわで、実はこんなだったのかと大ショック。Tちゃんに「レコードと全然違う」と言ったらすごく怒られる。時々タンバリンをシャンシャンしたりして、あ、ロバートもこんなの使うんだとミョーな部分で親近感を覚える。金色のたてがみを振り乱しながらパタパタと軽やかに飛び回っていた。
最初のうちは、みんな割と静かに座って見ている。私もとても立ってられない状態。心臓はあいかわらずバクバクいってる。
「ロバートと目が合った」とTちゃんが騒ぎ出したりしたので双眼鏡で目を合わせてどうすると思ったが、うらやましいので私も、と、しばし双眼鏡を奪い合う。ジミーをアップで見るなんてことは、なんだかとても恐れ多いことのように思えて手が震えた。
途中、ステージ前方に椅子が置かれてスポットライトが当たってアコースティックギターが登場。当時大流行だったフォークソングをイメージしてしまって、あれ、何が始まるんだろうと意外に思う。ジミーのアコースティックを弾く手が白かった。
それから知らない曲がいくつか続いた。けっこう長くやってたけど何だかさっぱりわからずじまい。後になってアルバムが発表されて「あ、あの時の曲だ」・・・なんてことも全然なかった。
たしか最後は「胸いっぱいの愛を」みたいなので終わって4人共、引き上げてしまった。
アンコールの手拍子が続く、するとジミー達メンバーは再び登場。その頃には、みんなすでに総立ちで前が見えなくて私も立ってた。もう双眼鏡どころじゃない。
曲が終わって、また引き上げてしまったので、これで終わるんだなと思ったけどアンコールの手拍子はずっと続く。するとまたまた登場。これっていつまで何回くり返すんだろか、と冷静に考えてる自分がいたりした。
アンコールにふさわしく、ノリのいい曲だったからメンバーも乗ってて私達も最高に盛り上がった。また引き上げてしまったけど呼べばまた出てきてくれる、そう思って手拍子を続けたけど今度はさすがにもう出て来てはくれなかった。
あ〜あ、本当に終わったんだね。この日、完全に雌だった二人、顔を見合わせて我に返り、ため息をつく。ふと気付くと、そういえば最後までS子の空席には誰も来なかった。
家に着くと11時近くて、そんなに遅く帰ったのは初めてだったのに母親は「どうだった?」などとにこやかに聞いて来たものだ。どちらかというと厳しめの親だったのに、あれは今もって不思議な光景であります。
あのドでかい音で耳がやられて変になっていて、夜の静けさがやけに頭の中にこもった。
セット・リストはこんなだったらしい
Rock And Roll(登場と音に動揺してて曲の記憶なし)
Over The Hills And Far Away(知らない曲)
Black Dog(ここら辺で、この少女絶命寸前)
Misty Mountain Hop(少女はすでに死んでいる)
Since I've Been Loving You(記載、記憶共になし。←何故に!)
Dancing Days(知らない曲)
Bron-Y-Aur Stomp(椅子にすわって)
The Song Remains The Same(知らない曲)
The Rain Song(知らない曲)
Dazed And Confused(弓弾きの価値、まだわからず)
Stairway To Heaven(あの変な形のギターは何?)
Whole Lotta Love(テルミンなんて知らないって)
アンコール
Heartbreaker(盛り上がったー)
Immigrant Song(これも盛り上がったー)
Communication Breakdown(アンコールよ永遠に)
よーするに演奏はほとんどまともに聴いてませんでした。すみません。BY Annyさん
ZEP専用機(撮影場所不明)
ZEPPトリビュートK-ON
LED ZEPPELIN ライブレポート1972年10月2日(月)も是非ご覧下さい。
byゆう
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