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 指揮者インタビュ(川島先生編) 第1回 先生の軌跡
川島先生に引き続き、

今度は龍城先生にインタビュをお願いしました。

さて、どんな話が飛び出てくるのでしょうか。

クラリネットとの出会いからお聞きしました。


龍城先生



トモゾヲ それでは龍城先生、よろしくお願いします。


龍城先生 はいはい、どうぞ。


トモゾヲ 何分、インタビュアが新人なもので…。


龍城先生 (笑)。結構ですよ。


トモゾヲ ではまず龍城先生といえば、

クラリネットとタイガ−スは切り離せないと思うのですが、


龍城先生 (苦笑)。


トモゾヲ クラリネットとの出会いについて、

お話いただけますでしょうか。


龍城先生 出会いですか…、

小学校5年生のころですね。

といっても、

クラリネットを演奏していたわけではないですけれどね。


トモゾヲ それはどういうことでしょうか。


龍城先生 あの、近所にね、

チンドン屋が来てたんですよ。


トモゾヲ

そういえばチンドン屋にクラリネットがありますね。

妙に上手かったりするんですよね。


龍城先生 そうそう、

それであの黒い、

キィのいっぱい付いてる奴はなにかな、と思ってね。

それでね。

当時僕の中学には吹奏楽部がなくて、

ある先生が立ち上げたいということで。

この先生は素晴らしい先生でしたけれどね。

もうお亡くなりになられましたが。


トモゾヲ なるほど。

それで吹奏楽部の立ち上げメンバーとして、

クラリネットを始められたんですね。


龍城先生 そうです。

実はその前は器楽合奏部に入っていてね、

ヴァイオリンをやってたんですよ。

(ちょっとヴァイオリンを弾くジェスチャア)


トモゾヲ そうなんですか。

ではその器楽合奏と吹奏楽を両立されていた、

ということでしょうか。


龍城先生 (苦笑)。

いや、そうではなくて、

実はその器楽合奏部をクビになったんですよ(苦笑)。


トモゾヲ え、それはまたどうしてですか。


龍城先生 あのねぇ、

夏の暑い時期のことなんですけどねぇ。

友達にプールに誘われたんですよ(苦笑)。

練習があるのにね。

誘惑に負けて僕はプールに行ったんですよ。


トモゾヲ (笑)。


龍城先生 それでねぇ。

先生にねぇ、

お前はもう来んでいい、

と言われてしまって(苦笑)。


トモゾヲ そんな中学生なのに、

クビ、なんてあるんですね。


龍城先生 そうなんです。

泳ぐほうが面白いと思ったんですね。


トモゾヲ それからのクラリネットを始められて、

いつプロになろう、

と思われましたか。

またそのきっかけなどあれば聞かせてください。


龍城先生 あのー、

高校生のときに、

ユースオーケストラに参加していてね、

そのときの連中がなんかみんな…。

プロを目指している連中が多くてね。


トモゾヲ なるほど。

その影響というのもあったのでしょうか。


龍城先生 そうでしょうね。

やっぱり周りのね。

環境や人間も関係してくると思いますからね。


トモゾヲ 先生の通われていた高校も、

とても活発なところだったように思うのですが。


龍城先生 そうですね。

たくさん、

プロになった人もいますし、

また、

プロを目指していた人間も多かったですね。


トモゾヲ そして、

プロになられた訳ですが、

大阪市音楽団での失敗談などはありますか。


龍城先生 失敗ですか…。

そうですね…。

失敗は山ほどしてきているんですが…(苦笑)。

うーん。

あ、一度、何の曲やったかなぁ。

カデンツァ(※)を空けたことがありますね(笑)。

※カデンツァとは、独奏の協奏曲等でソロ楽器が、
オーケストラの伴奏を伴わずに、
即興的に演奏する部分のことで、
ソロ奏者の技巧を披露する部分でもあります。


トモゾヲ (笑)。

カデンツァを忘れられたんですか?


龍城先生 そうなんです(笑)。


もう、自分が吹くことなんて忘れてねぇ。

おいおい、

今日は誰が吹くんや、

くらいに思ってましたからねぇ(苦笑)。


トモゾヲ それでどうなったんですか?

そのときは。


龍城先生 それで横にいるやつに足つつかれてねぇ。

吹きましたよ。


トモゾヲ (笑)。


龍城先生 あのときはもう、

凹みましたね。

もう…(苦笑)。


トモゾヲ (笑)。


龍城先生 後はねぇ、

ある児童音楽鑑賞会の指揮で、

ビゼーのアルルの女の組曲の中の1曲を残して、

指揮台から降りて下手に帰りかけたことがあります。

楽員から「もう1つあるー」、

て小さい声が聞こえて、

急いでまた指揮台に戻りました(苦笑)。


トモゾヲ そんなこと、てあるんですね(笑)。


龍城先生 また明くる日の2日目も、

同じところで同じことをやってしまったんです(苦笑)。


トモゾヲ (笑)。

話は少し変わりますが、

何か思い出に残っている曲などはありますか。


龍城先生 うーん、そうですね。

思い出に残っているのはたくさんあるんですが…。

そうですね...。

あのバーンズのシンフォニー3番は感激しましたね。

吹奏楽のオリジナル曲ですが。


トモゾヲ あのジェームズ・バーンズですか。


龍城先生 そうです。

あの何楽章やったか、

そのバーンズの子供が亡くなったことをテーマに、

作曲しているのですが、

それが凄くね、

なんとも美しい曲でね。


トモゾヲ 私は聴いたことがないです。

ぜひ聴いてみたいです。


龍城先生 あ、そうですか。

ぜひ聴いてみて下さい。

いつか取り上げたいとは思ってはいるんですが。


トモゾヲ あと先生は合奏練習で、

メトロノームを中心に進めてらっしゃるように思うのですが、

団員に求めて行きたいことはどういったことでしょうか。


龍城先生 池吹のことですね?


トモゾヲ はい。


龍城先生 やはりリズムですね。

ピシ、とリズムを正確にしていると、

ゆっくりな部分がより動けるようになると思います。

あとハーモニーですね。

やはり何というか…。


トモゾヲ 楽団としての統一感のようなもの、

でしょうか。


龍城先生 そうですね。

あと、これからのちのち、

各個人の音色へのこだわりであったり、

技術的なところだと思います。


トモゾヲ ご自身が演奏されるときに、

一番気をつけることはありますか。


龍城先生 空気ですね。

空気の柱がしっかりしていることを意識します。

pの音楽などでは特に、です。


トモゾヲ 確かに、

私はなんとなく、

pの音楽が上手くいっているときは、

自分の調子がいいように感じます。


龍城先生 それはそうだと思いますよ。


トモゾヲ ちなみに一番練習していた時期で、

一日どれくらい練習されていましたか?


龍城先生 そうですねぇ…。

8時間くらいでしょうか。


トモゾヲ 8時間ですか!?


龍城先生 そのくらいやってましたね。

コンチェルトを演奏するときは、

泊り込んで練習していましたね。

結局コンサートマスターをしていたので、

みんなの世話もしないといけないからね。


トモゾヲ そうなんですか。


龍城先生 自分の練習時間が取れないんですよ。

終わった後に練習するとなると、

泊り込んでいましたね。


トモゾヲ 雑談になりますが、

川島先生は映画は見ないと仰られていましたが、

龍城先生はいかがですか?


龍城先生 僕は好きですよ。

川島くんも昔は見てたんちゃうかなぁ。

ただねぇ、見ることが少なくなってきましたね。

もう家に帰ったら疲れてね(苦笑)。


トモゾヲ そうなんですか。


龍城先生 今日はテレビでやっているし、

見るぞ、

とは思うんやけれどね。

寝てしまうんやね(苦笑)。


トモゾヲ (笑)。


龍城先生 それを見て家内が笑っています。


トモゾヲ なるほど(笑)。


龍城先生 好きなんですけどねぇ。

怖いのは嫌いやのにホラーが好きなんですよ。

あの「エクソシスト」みたいな…。


トモゾヲ ホラーが好きなんですか。

あまり印象になかったです。


龍城先生 どうしてお金払ってまで怖い思いせんなあかん、

とは思うんですけれど(笑)。

あまりにも怖いときは目を瞑っています(笑)。


トモゾヲ (笑)。

他にクラリネット以外の趣味というか、

はまったことはありますか。


龍城先生 魚釣りですね。


トモゾヲ え、

釣りをされるんですか?


龍城先生 好きでやっていましたね。


トモゾヲ 海ですか?


龍城先生 そうです。

もうでもいまは、

釣り竿も物置に埃被ってしまっていますけれどね(苦笑)。


トモゾヲ これもまた印象になかったことですね。

残念ながら時間が押し迫ってきました。

今日はこの辺りで。


龍城先生 あ、そうですか。

来週でも構わないので次もしましょう。


トモゾヲ ありがとうございます(笑)。






普段からもご自身の体験談などを、

合奏中にも話してくださいますが、

意外な趣味や、お話を聞くことができました。

第2回からはもっとテーマを絞って、

コンパクトに話を進めていこうかな、

と思っています。

しかしながら溢れる体験談、

その音楽に対する情熱にドキドキしました。


(2006年3月1日 筆者:トモゾヲ)



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