2001/5/6(日)
坂本真綾
心斎橋クラブクアトロ

Lucy
ボクらの歴史
プラチナ
アルカロイド
ストロボの空
紅茶
Life is good
ベクトル
DIVE
Honey Bunny
走る
Gift
ユッカ
私は丘の上から花瓶を投げる

アンコール1
マメシバ
ポケットを空にして
Rule〜色褪せない日々

アンコール2(坂本真綾+菅野よう子)
Lucy(2人によるピアノ演奏)
夜明けのオクターブ

事務所やレコード会社の売り方はいまもって声優アイドル扱いで、客層もアニメファンが中心にちがいない。だから、お約束の展開や予定調和な幕なんてのは当たり前で、バックバンドの皆さんもプロのミュージシャンとしてそこに出ています。ティポグラフィカやスパンク・ハッピー、ましてやグラウンド・ゼロや裸のラリーズとかはまったく関係のないことです。でも、開演前はそんなことばかりで盛り上がりました。オタカー・ザン・オタクな客。タチ悪い!

正気の沙汰ではない混み具合のクアトロ。こんなのは久々。ろくに身動きもとれず、今堀氏がまったく見えない場所でした。

にしても、すごい熱気。盛りあがりも尋常でない。終始気になってたのが、自分自身が果たして坂本真綾のファンと言えるかどうかということでした。周囲の人達は100%坂本真綾ファンです。ノリノリやし、手拍子も奇声も発しまくるし、ステージ上の坂本真綾をずっと見つめてるし。

僕はあまりステージを見ませんでした。半分くらいの時間はうつむいていたか、目をとじていたように思います。なんでかと言うと、それが私の常日頃のライブ観覧フォームだからです。目ぇとじてふにゃふにゃ踊るのがいつも通りなのです。

だから、明らかにほかの人達とノリがちがう! イベントとしてはもちろんfeaturing坂本真綾だから、PAのバランスもバンドの演奏と、坂本真綾のボーカルの音量は同じくらいだったのではないかと思います。さらに同じくらいの音量の手拍子やらが鳴り、これは、もう、明かに「音楽」を楽しめる音響ではない! そうか、このイベントはみんな歌を聴きに来てるんや〜といまさらながら痛感したのでありました。

坂本真綾は歌はうまかったです。インストアではひどかったと聞いてたので、心配してたんですが、ストロボの空のむちゃくちゃな歌い回しもでてたし、終始安定してました。あと、坂本真綾はこなしてるステージ回数のわりに客のいなし方がうまい。「やたら話しかけてくる」関西人にも物おじせずにしっかりとウケもさらっていくし、感心しました。お客さん、そういえば、想像以上に女の子が多い。3割はいたと思います。おー意外だ!

そんなこんなで、だから、バンドの演奏があまり聞こえなかったんです。これにはもうそうとうガッカリでした。もちろん、ちゃんと引っかかったとこもあります。「紅茶」はあの打込みリズムを生で再現してましたし、「ベクトル」のラフなギターサウンドも良かったし、「私は丘の上から花瓶を投げる」のイントロ、シンセとディレイギターが青い照明の中でぼわーんとした空間を演出してたのには狂喜!

一方でダメポイント多し。「走る」は特筆にダメでした。CDを今一度聴き返してみて、あーこれはもう、ライブでやるのは無理!と思わされたんですが、ストリングスとSEの音量があんまりにも小さすぎで、楽曲の音像がものすごく間抜けな感じになってます。この曲の魅力ってやっぱり間奏の、コーラスとかストリングスとかSEとかドラムとかベースとかがグッチャグッチャに絡み合いながら気が狂うほどの疾走感を生むとこだと思ううんですけど、走ってませんでした。なんかもう、コーラスが適当。なんでそんなヘッポコなコーラスになってしまうのか!と思いました。すべてが悪い方に出てしまった曲でした。

こんなことを言っててもらちがあかない。なにせ、それにつけても、当日のテンションは凄かった。変態プログレな頭2曲で大半の客は死んでしまったはず。僕もそのうちの一人。「ボクらの歴史」にはパンパパンヒューを入れるって約束があったみたいで、一部の人はやってました。菅野よう子が作る複雑な楽曲によく無理して合の手いれんなーと地味に感心。

『Lucy』からの選曲を中心にステージは進み、DIVE〜ジャズセッション風のインタールードをはさんで「Honey Bunny」。僕この曲あんまりなんですけど、この曲の間奏でメンバー紹介がありました。各自変態っぽいソロをとってたんですが、あくまで「あんまりな曲の一部として」なので、楽しめませんでした。ビーフハートのようだった、とはとても思えず。

終盤、Giftユッカ花瓶の並びが最高。良すぎ。アンコール(ホワイトベリーのような髪型で登場)のマメシバの後半部分も凄かったです。この曲CDではドラムがあんまり聞こえないんですが、ライブでは突進しまくってました。ウネウネグネグネの終盤凄し。あとは、個人的には思い入れのない曲が続きましたけど…。

イベントは大成功!坂本真綾本人も客も大満足でした。そして、僕の一団も大満足でした。アンコール2に入る前に「イマホリー!!!」「バックバンド最高!!!!」と絶叫できたからです。坂本真綾初大阪公演の重要な部分に「今堀ファン」の刻印を残すことが出来ました。どれくらいの人が記録してたかわかりませんが。だいたい、今堀氏、目立とうとして来てないっつの(笑)。

悪口ばっかり書いてますけど、良かったんですよ。内容は。CD聴きすぎな自分が悪いのでーす。良いイメージ持ちすぎ、あんな完璧な内容再現できるわけなし!と割り切っとくべきだったのかもしれません。そして、それは分かってても無理だったでしょう。(01/5/10, 01/10/13訂正)

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