2005年1月から翌年の1月までのちょうど1年間、ネバダ州立大学ラスベガス校(UNLV)に音楽留学していました。そ
の時の生活をまとめたものです。学校が忙しかったため、春学期終了後の5月から日記を書いていました。ラスベガ
ス滞在中も、LA、サンディエゴ、学校の演奏旅行で、フランスに行く事が出来ました!

6月から、 というサイトのブログに日記を書いていたので、今後、そちらから転載予定です。

5月25日(Wed.)「春学期終わりました!」
今年の1月から、ネバダ州立大学ラスベガス校(以下UNLV・・・University of Nevada Las Vegasの略。)という学校に留学中ですが、先週でようやくSpring Semesterが終わりました!(こっちの学校はたいてい、1〜5月の春学期と8〜12月の秋学期に分かれています。)
4ヶ月があっという間だった気もしますが、特に最後の1ヶ月はいろいろな事があり、それからまだひと月ほどしか経っていないかと思うと、長かった気もして、なんか複雑な感じです。
でも、その中でものすごくたくさんの事を学んでいると思います。これからの3ヶ月間の練習や勉強の合間に、なるべくいろいろな情報を書ければと思います。来学期が始まったら、また更新が出来ないと思うので・・・とりあえず身近な所(衣食住etc.)から書いていきます!
ラスベガスは、ロスアンゼルスから飛行機で1時間、車で4時間ほどの所にあります。年間300日位は晴れなのですが、砂漠の真ん中にあるので、空気が乾燥しているのと、夏が暑すぎるのが難点です。僕はまだ夏を経験していないのですが、5月の今でも、昼は相当日差しがきついです。今年は少し雨が多いのですが、僕のせいだと言う噂があります。自称「晴れ男」なのですが、ここに来る前の旅で、行く先々に雨や洪水をもたらし、完全に「雨男化」してしまいました!(サンディエゴで180日振りの雨を降らし、降り過ぎて洪水になり、ロスでも洪水でがけ崩れが起き、その他の各地でもかなりの雨風をもたらし、2本の傘が他界されました・・・笑)
イメージどおり、基本的には、ホテル、カジノ、ショーの街で、そのほとんどがストリップという一本の通り沿いにあります。上下の写真でも、アーケードの電飾のショー(これはダウンタウンでやっています。)以外はみんなストリップのものです。とにかくスケールの大きいホテルが立ち並んでいて、そんほとんどにカジノがあります。シルク・ド・ソレイユやブロードウェイスタイルのミュージカル、マジックショーなどのステージも、これらの中に専用のものが作られていたりします。
上の写真はベラッジオというホテルで、9月にシルク・ド・ソレイユの「オー」を観た時と、先月学校のバンドの仕事で行った時に入りました。たまたま隣のボールルームで、「K-1ワールドグランプリ」の試合もやっていました。
これらが、超大まかなラスベガスの様子と言った所でしょうか?
こんな華やかなストリップから、車でわずか10分も行くと、今の自分の現実があります。上の写真は、僕の住んでいるアパートで、左が僕の部屋、リビング、キッチンはルームメイトと共同で使用しています。家賃は一人340ドル、100%に近い自炊率で、月々650ドル位(もちろん家賃も入れてです。)で生活しています。自分の貯金だけで生活し、学校にも通っているので、とても贅沢は出来ません。華やかなラスベガスとは、全く無縁の生活を送っています。
食材は、近くのスーパーに毎週買いに行くのですが、ラスベガスは日本人も多いので、上の写真のような日本食を売っているお店も結構あります。ハンバーガーなどのアメリカンフードだけでなく、味噌汁、うどん、カレーなども作れるし、納豆、梅干などを買う事も出来ます!(当然日本よりは少し高いですが・・・)
物価も日本(東京)のように高くはないし、もともとそんな贅沢な生活をしていた訳ではないので、おおむね快適に過ごせていると思います。
僕の通っているUNLVは、ストリップから車で10分程度、アパートからも徒歩10分位の所にあります。国際空港からも近いので、上の写真のように、キャンパスの中からも飛行機が結構デカく見えます。
真ん中の写真は、ESL(English Second Languageの略)のビルディング(左)とライブラリー(右)で、下の写真は、コンサートホール(左)とミュージックのビルディング(右)です。他にもたくさんのビルディングがあるのですが、だいたいこの辺りを中心に活動していました。(英語のクラスが4クラス、ミュージックが、個人レッスン、ビッグバンド、コンボ、吹奏楽、ブラスアンサンブルの5クラスがありました。)
少しずつ、この学期の出来事や、夏休みの出来事などをアップしたいと思います!今回はこの辺で・・・ 

6月14日(Tue.)「キャンパスライフ」
ロスに来ています!Walt Disney Concert Hallでのクリーブランド管弦楽団の演奏や、ハリウッドボウルで行われたPlay Boy Jazz Festivalなどに足を運びました。これらのレポートはまた次回という事で、まずは先に、UNLVでの春学期の活動の様子を書こうと思います。
そもそも僕がこうして留学出来たのは、UNLVの吹奏楽、指揮の教授であるTAD(タッド)鈴木先生のおかげです!中学、高校時代にお世話になった世界的なユーフォニアム奏者、外囿祥一郎先生の紹介によるものでもあり、(外囿先生は鈴木先生が高校の先生をなさっていた時の生徒にあたります。)もっと言えば、僕の通っていた小平六中に外囿先生を呼んで下さっていた、顧問の緒形まゆみ先生のおかげでもあります。縁、人間関係などが不思議なモノであり、かけがえのないモノである事を考えさせられますね…
鈴木先生は、尚美、芸大でトロンボーンを専攻し、佼成ウインドオーケストラや日フィルに参加。その後、指揮者、バンドディレクターとして、福岡工業大学付属高校や尚美の先生を歴任された後、UNLVの教授になられました。タッド・ウインドシンフォニーの音楽監督でもあり、日本でもアメリカでもご活躍されています。
こんなページでは、とても鈴木先生の凄さを表現しきれないのですが、とにかく器の大きいすばらしい先生です。世界レベルのアーティストであるにもかかわらず、僕らのような生徒の一人一人の事まで本当によく考えて下さっていて、さっきも書いたように、ここに僕がいられる訳です。(アメリカは一般的にヨーロッパに比べても学費が高く、とても僕が稼いだ小銭で留学なんかは出来ません。)音楽家としてすばらしいのはもちろんですが、お酒を飲んでいる時の話などもスケールの大きいモノで、時に授業より(イイ意味で)ためになったりします。鈴木先生の奥さんである敏子先生もまた、とても器の大きいすばらしい方で、お二人はこっちでの両親のような方々です。遠く離れたアメリカでも、この様なすばらしい先生、両親のような方々に見守られながら留学生活が送れる事は、本当に幸せな事ではないでしょうか…
音楽のクラスは、Private Lesson、Jazz Ensemble、Combo、Wind Orchestra、Brass Ensembleの5クラスを取っていました。トロンボーンのプライベートレッスンは、Bruce Paulson(ブルース・ポールソン)氏(写真左上)から受けていました。彼は、グレンミラー、バディ・リッチ、秋吉敏子、トゥナイト・ショー・バンド(Tp.のDocSeverinsenがリーダーのTVshowのためのバンド)などでプレイしていたすばらしい方です。Minnesotaと言うリーダーアルバムもすばらしいので、是非聴いてみて下さい!教育者としての能力、人間性もすばらしく、彼のレッスンは本当に役に立ちました。この夏休みには、ロスにある彼の家へレッスンに行く予定です。
ジャズアンサンブル(ビッグバンド)のクラスでは、教会でクワイヤー(合唱団)と一緒にやったコンサートや、学校のホールでのコンサート、アリゾナ州の高校やジャズフェスを周るツアーなど、盛りだくさんの内容でした。学校のコンサートでは、ニューヨークのヴァンガード・ジャズオーケストラでプレイする、テナーサックス奏者のRich Perry氏(写真2段目右)と共演したり、アリゾナツアーでは、ニューヨークフィルのトロンボーン奏者のJoe Alessi氏や元エンパイアブラスで、数少ないジャズチューバ奏者の、Sam Pilafianの演奏を聴く事が出来ました!
Wind Orchestra、Brass Ensembleでは、TAD鈴木先生の他、トム、トニーというバンドディレクターの元、
数回のコンサートやCDリリースのための、レコーディングセッション(上の写真)などがありました。
UNLV Wind Orchestraは、ほとんど毎年のようにCDをリリースしています。基本的にトムがメインに指揮を振るのですが、もっと鈴木先生の指揮で演奏したかったというのが本音です。
これは、UNLVとは直接関係ないのですが、ユタ州のSnow Collegeと言う学校のラスベガスツアーに飛び入りで参加をさせていただきました!なぜこう言う事になったかと言うと、昨年TokyoDisneySeaのイベントで共演した、Scott Wilson氏が、昨年の秋学期からこの学校のジャズ科のディレクターをしていて、来学期からこの学校へ行くオファーがあったからです。かなりの好条件でのオファーでした。最初に書いたように、TAD鈴木先生のサポートがあってここに来れた事や、ブルース・ポールソン氏のレッスンがとても自分の役に立っている事などもあり、結局はここに残る事にしたのですが、どちらの学校でも、このような良い条件で勉強をさせていただける環境を自分に与えて下さるのは本当にうれしい事です。
この写真は、あるESL(英語のクラス。English Second Languageの略)のクラスの、学期末のパーティーの写真。先生のお宅にお邪魔して、生徒が自分の国の料理を持って来るという内容でした。日本人の他、メキシコ人、ブラジル人、韓国人、中国人がいて、寿司、お好み焼き、冷やし中華、北京ダック、ブリトーなどを食べる事が出来、とても楽しいパーティーでした。右の写真は、日本人のおばちゃん(右)が先生(左)に寿司の説明をしている所。僕は日本酒持参で、昼から飲んだくれてました…(笑)僕の語学力が上がったかどうかは疑問ですが、それなりに楽しくやっていました。
これらが、主な春学期の活動でしょうか?初めての大学生活のとまどいや、音楽的な部分など、問題が無かった訳ではありませんが、おおむねイイ学生生活が送れたかと思います。刺激が少ないと感じれば、こうしてロスには比較的簡単に来れるし、ラスベガスも良い所だと思います。近々、ロスの旅のレポート、ラスベガスのショー、音楽事情、仕事に関するビザの問題やらを書きたいと思います!
来週からは、Wind Orchestraのツアーでフランスへ行ってきます!初ヨーロッパです!楽しみ!

7月13日(Wed.)「ロサンゼルス8日間の旅!」
ロス旅行の後、UNLV WindOrchestraのフランスツアーなどもあり、更新が遅れてしまいました。スミマセン。前回のコラムにも書きましたが、6月9日から17日まで、ロサンゼルスに行っておりました!
今回の旅の目的は、「とにかくラスベガスでは聴けないイイ音を体験する事!」でした。
ロサンゼルスはカリフォルニア州の一部ですが、その中でもさらに、ハリウッド、サンタモニカ、ビバリーヒルズ、ダウンタウンなどのエリアに分かれています。同じ都市の中なのに、それぞれが違った印象を持っているのには驚きました。すぐ下の写真は、有名なハリウッドの看板と、ハリウッドの丘からダウンタウンを見たモノです。
初日は、ダウンタウンにある、Walt Disney Concert Hallで行われたクリーブランド管弦楽団に足を運びました。上の写真がホールの外観なのですが、とてもアーティスティックな奇抜な作りでした。(ちなみに、外観はアメリカ人、中の音響は日本人による設計だそうです。)
ベートーベンの1番、アンリ・デュティーユ(フランスの作曲家。トロンボーンのソロのソナタも作ってます。)のシンフォニー、ボレロなどのプログラムでしたが、どれもすばらしかったです! ニューヨークフィルシカゴ交響楽団などは結構派手な印象(特にブラス)を受けたのですが、クリーブランド管弦楽団は、ヨーロッパのオケに近い繊細さを感じました。同じアメリカのオーケストラでも、これだけ印象が違うのは興味深いことです。もちろん指揮者が変わればまた違うんでしょうね…奥が深いです。
2日目は、マリブ、サンタモニカ、ビバリーヒルズ、ロデオドライブなどに…この2日間は、ハリウッド在住の作曲家、鋒山亘(ホコヤマワタル)さん(上の写真左)宅にお邪魔をしていまして、お忙しいにもかかわらず、いろいろな場所を案内して下さいました!ワタルさん、ありがとうございます!(ラスベガスから、鈴木敏子先生と、うちのルームメイト、山浦しげふみ君も一緒でした。)
マリブビーチで昼食、サンタモニカビーチでちょこっと遊び、有名な高級住宅街のビバリーヒルズを通り、夜は、映画「プリティーウーマン」でおなじみのロデオドライブで夕食という、かなり優雅な一日でした!
11日、12日の土日は、ハリウッドボウルで行われたPlay Boy Jazz Festivalに足を運びました。全然知らなかったのですが、このイベントはLAでも有名なジャズフェスだったらしく、土曜のチケットはすでに売り切れ。「ジャズフェスなんかで売り切れるわけがないっ!」とたかをくくっていた僕は、17ドル50セントのチケットを、ダフ屋から40ドルで買うハメになってしまいました。
しかし、内容はすばらしく、ジョシュア・レッドマン、Gordon Goodwin's BigPhatBand、ジョン・ファディスのビッグバンド、ジョージ・ベンソン、などを聴きましたが、どれも凄かったです! トロンボーン的には、やはりAndy Martin氏がすばらしかったですね!(2日とも出てました。) ラスベガスではなかなか聴けない音が、ほんの飛行機1時間の所で聴けるのはうれしい事です!
上の写真は、ハリウッドにあるエル・キャピタンという映画館(ちょうどハウルの動く城を上映中でした!)、グローマンズ・チャイニーズ・シアター(スターの手形、足形がある。写真はシルベスター・スターロンの物)
メインストリートは、何かの映画の撮影の準備のため交通規制がしかれ、レトロなバスやタクシー、たくさんのクラシック・カーで埋め尽くされていました。さすが映画の街です!
3日目以降は、ダウンタウンにある、「リトル東京」というエリアの安ホテルに滞在していました。チャイナタウンの日本版のような場所ですが、チャイナタウンや本物の東京のような活気はなく、わりとさびれた感じでした。ですが、日本のスーパーや、よくその中にある食堂、ラーメン屋(滞在中3件入りましたが、2件はハズレでした。大黒屋というお店がおいしかった。)、紀伊国屋書店、不動産屋、交番などがあり、懐かしい気分になります。
リトル東京から南へ20分ほど行った所に、実弾を撃たせてもらえる所があると言い、同じホテルに宿泊中の日本人に誘われ、一緒に行って来ました。日本では、自衛隊か警察にでも入らないと絶対に出来ない事なので、是非アメリカで経験しておきたい事の一つでした。
2種類の銃を撃たせてもらったのですが、やはりエアーガンやガスガンのようなおもちゃとは違い、凄い迫力でした!音や、引き金を引いた時に手に帰って来る衝撃がもの凄かったです。
ちなみに上の写真の的に書かれたサインは、小室哲哉氏のモノです!
そして、ラスベガスに帰る前日(16日)、普通は絶対に出来ない経験をさせていただきました!
ハリウッドの有名な映画スタジオ、「パラマウント・スタジオ」で行われた映画音楽のレコーディングを見学させていただく事が出来たのです!なぜこんな事が出来たかと言うと、マサさんという、日本人の監督さんが作った「千代のお迎え」という短編映画に、今回滞在させていただいた鋒山亘(ホコヤマワタル)さんが曲を書いていて、ゲストという形で特別にスタジオに入れていただいたのです!滞在中も、彼の自宅で音の入っていない状態の映画と、その後、音が入るとこういう風になるというのを説明して下さり、音楽の重要性を丁寧に教えて下さいました。曲が、それぞれの場面にピッタリ合って行くのにも鳥肌モノでしたが、それが生演奏によって完成されていく様子には、さらに感動しました。写真は、本人の指揮でレコーディングされる様子。ワタルさん、カッコ良かったです!ありがとうございました!
監督のマサさんも、とても謙虚な優しい方で、その人柄が映画にあらわれていました。今回がデビュー作らしいのですが、マサさんもワタルさんも、これからビッグになられる事だと思います…
そんな訳で、クラシック、ジャズ、映画音楽、おまけに銃の音まで、ラスベガスでは聴けないイイ音を満喫し、帰路についたのでありました!