Philadelphia, New York 編(Part1)編 (12/3/2004-12/12/2004)


12月3日(Fri.)「フィラデルフィアです!」
フロリダからフィラデルフィアまでの道のりを、あえて鉄道(Amtrak)を使ってみました。
飛行機では見る事の出来ない景色、立ち寄る事の無い場所の様子を感じてみたかったからです。飛行機では約2時間の所が、なんと約24時間かかりました!
フロリダの駅の到着がすでに2時間遅れ、その後も下の写真の様な畑か荒地か分からない所(ノースカロライナ州)で1時間位止まってました。ま、遅れなくても21時間かかるんですけどね・・・
時間を気にしない旅なので、これもアメリカらしさと言うか・・・良い経験です。
そんなわけで、まる一日かけてフィラデルフィアに到着。フロリダから一転、とても寒いです。
フィラデルフィアはとても小さな街(そんな中に160万人位住んでいるらしいです)で、大体の所に歩いて行けるという事で、昨日は、歩いて観光をしました。
古い建物や美術館などがたくさんあり、芸術の街という印象を受けました。タワーレコードも石造りでした。同じ通りには、「ZANZIBAR」というライブハウスがあり、ここには、メイナード・ファーガソンや、ニコラス・ペイトンなども出演しているようです。店の近くには、路上でトロンボーンを吹いてるおじさんがいました。「これぞアメリカ!」という感じがして(単純な発想ですが)、何かうれしかったです。
昨日はタワレコを発見してしまい、CDの物色で観光が終了してしまったので、今日はもう少し観光らしい事をしようと思い、フィラデルフィア美術館の一部である、「ロダン美術館」へ行きました。ロダンは、あの「考える人」の作者です!テレビなどでは見たことがありましたが、ここにあったのですね!(↓しっかり考えてます・・・)
玄関に「考える人」があるのですが、中にも力強い作品、美しい作品など、心を打たれる作品がいくつもありました。
そして夜は、アメリカのメジャーオーケストラの一つである、「フィラデルフィア管弦楽団」の演奏を聴きに行きました。(下の写真が、本拠地のKIMMEL CENTER)
当日まで売れ残ったチケットを、開演の2時間半前から格安で販売しているという事を知り、なんと10ドル!でチケットをゲットしました!
メインプログラムは、ブラームス作曲の「ドイツレクイエム」。オーケストラと合唱団と合わせて、総勢200人位による、迫力ある演奏でした!
クラシック音楽と、美術という、二つの芸術に触れた一日でしたが、どちらもヨーロッパの文化、特に宗教と密接に関係があるものでした。もちろんその辺の背景を知らなくても充分に楽しめたのですが、そう言った事を勉強する事で、さらに理解が深まるんだろうと思います。
ヨーロッパにも行ってみたくなりました!フィラデルフィア、素敵な街です!

12月9日(Thu.)「Happy birthday to me!」
今日25歳になりました!誕生日をニューヨークで迎えております!
日曜に到着し、翌日から早速、地下鉄に乗り(これもひとつの楽しみでした!)ライブなどに行きまくってます!
景色はこんな感じです。夜のネオンはやはり華やかです。(クリスマスも近いし・・・)
まず真っ先に向かったのが・・・
吉野家だっ!(笑)
東海岸1号店で、ブロードウェイの42ndStreetという所にあります。(ライオンキングなどのシアターのすぐ近く)
ライブの前に牛丼で腹ごしらえ。貧乏人の基本ですね!「そう言えばよくやってたなぁ〜」と懐かしくなりました。学生に戻る人間として、初心に返る事は大切な事です。
ところで、ひとつ気になる事が・・・
そう、狂牛病!
ここは狂牛病の原産国?ではないかっ!日本の吉野家、松屋その他から姿を消した牛丼が、「Beef Bowl」 $3.99としてご健在でありました。
これはサンディエゴのホームステイ中の話ですが、いつも晩ご飯にはハンバーガー、ステーキなど、牛肉三昧なので、狂牛病について聞いてみた事があります。今、日本にアメリカの牛肉は輸入されていない事を話すと、
「そんな話は聞いた事がない。アメリカの肉は安全だ!やばいのはイギリスの肉じゃないの?」と言ってました(笑)
そう、こっちの人は狂牛病など気にも留めていないのです!ま、そりゃそうですよね〜アメリカで牛肉に規制をするという事は、この広い国土から、ハンバーガーやステーキが消えると言う事で、そんな事をしようものなら、米騒動ならぬ肉騒動が起きますね、この国は・・・(笑)
それを知ってか知らぬか、しっかり牛丼をいただきました。鳥丼などと言った邪道なものはもちろん食べません。アメリカに来たい人は狂牛病を怖がらない、もしくはベジタリアンになってから来て下さい!(爆)
あ、牛丼の話、引っ張り過ぎた・・・(今気付いたのかよっ!)
ちなみに日本はどうなったんですか?誰か教えて下さい!
この日の目的地、ヴィレッジ・ヴァンガード(上の右下の写真)と言うライブハウスに行くまで、とりあえず有名なシアターやライブハウスの前に行ってみる事に。左上から、ライオンキングオペラ座の怪人ママ・ミーア。その下はブルースの巨匠B.B.Kingのお店、真ん中は、毎週秋吉敏子さんのビッグバンドが出演していたバードランドです。これらのスポットが、歩いて、もしくは地下鉄やバスで少し移動した所にあります。
ヴィレッジ・ヴァンガードには、毎週月曜にヴァンガード・ジャズオーケストラというバンドが入っています。昔はサド・ジョーンズ&メル・ルイス・オーケストラというのが入っていて、彼らが亡くなった後、ヴァンガード・ジャズオーケストラとして活動していると記憶してます。
やはり印象に残ったのは、アンサンブルよりもアドリブでしたね・・・西海岸の人よりもソロが個性的で、アレンジ的にも、アンサンブルよりソロが重視されている感じがしました。(もちろん譜面もきちっと演奏します。)ビッグバンドジャズの洗礼を受け、ニューヨークに来た!という実感が沸いて来た一日目でした。
二日目も、もう一発ビッグバンドジャズのパンチを浴びようと、イリディウムと言うお店へ。
ここは毎週火曜にミンガス・ビッグバンドと言うバンドが入っています。ビッグバンドで、毎週レギュラーで仕事があるというのはうらやましい限りです。もちろん厳しい競争を勝ち抜いて来たすばらしいミュージシャンだからなのですが・・・
中に入って気付いたのですが、何か人数が少ない。9人しかいないではないかっ!経費削減か?と思ったら、別のバンドでした。(笑)ま、何のバンドでもいいか、と言う事で、そのまま聴いて帰ったのですが、メチャクチャすごかったです!
さっき、西海岸よりアンサンブルが・・・とか書きましたが、ややこしいリズムや、変拍子の曲を軽々とこなし、しかもソロもバリバリでした。ホント凄い人がいっぱいいて、楽器やめたくなります・・・ビッグバンドではなかったのですが、かなりいいパンチをもらいました。ライブが終わって外へ出ても、また路上にミュージシャンがたくさんいる。これもニューヨークらしいですね〜
三日目。今日のテーマはミュージカル三昧!
まず14:00から、42ndStreetというショーを観ました。なぜ初めにこのショーを選んだかと言うと、このショーは今年の8月に日本でも観たからなのであります。来日したものと、本場ブロードウェイのものがどれだけ違うかを感じてみようと思いました。(実際日本公演には、ブロードウェイのメンバーとは違う人達を、新たにオーディションで集めて来日していました。)
このショーは、総勢50人位?でやるタップが見所の一つなのですが、その迫力が来日公演よりまさっていた様に思います。ダンサー、オーケストラの人数も多く、演出や大道具まで、同じ印象を受けました。
気のせいではなく、やはり本場はすごかった!
大満足で、次は「tkts」(上の写真)という所へ。ここは、当日まで売れ残ったチケットを半額で買う事が出来るオフィスなのです!観たいと思っていた、オフブロードウェイのストンプと言うショーのチケットをゲットしました!
オフブロードウェイには、ブルーマン・グループという人気のショーもあります。(写真左。23日に鑑賞予定。)ストンプは、これと人気を二分し、身の回りのなんの変哲もないものが打楽器となり、8人のパフォーマーによって演じられるショーです。
ほうき(たたく音、こする音などの組み合わせ)、マッチ(マラカスのように)、シンク(流し台)、ジッポライター、新聞紙、ドラム缶などを駆使し、立派なショーに仕上がっていました!
上演時間は約1時間半。最初は、これだけでどうやってそんな長いショーにするんだろう?と疑問でしたが、終わってみればあっという間。「魅せる、聴かせる、笑わせる」の3拍子が揃ったすばらしいものでした!絶対観る価値ありますよ!
Blastを観た時も感じましたが、日常の何気ない事をヒントに、それをひとつの芸術にしてしまうと言うのはすごいなぁと思います。(Blastは日常ではないが、マーチングバンドをミュージカルにしてしまった。)最初に考えた人の発想力がすばらしい!勉強になります・・・
そんなわけで、すばらしい25歳の誕生日を迎えています!

12月12日(Sun.)「A列車で行きました!」
あっという間に、ニューヨークでの1週間が過ぎました。明日シカゴへ出発します!
この3日間は、文字通り「A列車で行こう」状態。
上の写真はブルーノート。ライブは見れなかったのですが、日本より安く、日曜には昼の部があり、やや身近に感じました。(昼の部には、結構日本人が出演しているようです。)
金曜の夜は、美女と野獣のミュージカルを鑑賞しました。実はちゃんと映画を観た事がなく、あらすじも詳しくは知らなかったのですが、さすがディズニー。子供から大人まで楽しめる様にうまくまとめていました。(やや子供向けだとは思う・・・)ピットのオーケストラは、42ndStreetよりもいい音がしていた様な気がします。
昨日、今日は「ニューヨークフィルを満喫しよう!」キャンペーンを実施。
アメリカのメジャーオケのひとつである、ニューヨークフィルの本拠地は、リンカーンセンターと言う所にあります。(2段目右)ここには他にも、ニューヨーク・シティオペラシティバレエの本拠地(2段目左)、メトロポリタン歌劇場(通称MET。日本人のトロンボーン奏者の山本浩一郎さんが活躍していました!2段目中)、ジュリアード音楽院、ウイントン・マルサリス率いるビッグバンド(リンカーンセンター・ジャズオーケストラの本拠地などがあります。(1段目左、中)
ちなみに、クラシックの殿堂「カーネギー・ホール」もこの近くです。(1段目右)
まず最初(土曜の昼)に、「ヤングピープル・コンサート」に。文字通り若い人向けのコンサート・・・と思いきや、童話をモチーフにオリジナルの曲を付け、朗読と、ダンサーによる影絵での演技を加えた、完全な子供向けのコンサートでした。とは言え、演奏、演技は一流。曲もこの日のために書かれたもの。子供たちのためにここまで本物を供給しているのはすばらしい事ですね・・・(ちなみに子供以下の英語力の僕には、いい勉強にもなりました!)
せっかくなので、ちゃんとしたクラシックも聴きたいと思い、その日の夜のコンサートも聴く事にしました。シベリウス、ヤナーチェクの作品、エルガーのヴァイオリン協奏曲などでした。どの曲も比較的ブラスの活躍する曲でしたが、やはり凄かったです!ヴァイオリンのソリストもすばらしかったです。協奏曲は難しくてよく分からなかったのですが、アンコールに一人で演奏したバロックの曲には脱帽でした!(上手いのは当たり前の世界なので、それ以上何が凄いかを表現するのはとても難しいです。)
そして今日は、「ホリデイ・ブラス」というコンサートに。ニューヨークフィルの首席奏者による金管5重奏と、カナディアンブラスが共演するというスペシャルプログラム。
カナディアンブラスが、客席からトラディショナルの曲で入場すると言う、おなじみのスタイルで始まり、ステージでニューヨークフィルブラスと合流。合同演奏が始まりました。
1曲目の、ファンファーレ調にアレンジされたクリスマスソングの音が出た時は鳥肌が立ちました。たった10人でこんな厚いサウンドがするとは・・・
その他にも、2つの声部に分かれたバロックの曲(オーケストラプレイヤーとアンサンブルプレイヤーの音の違いが楽しめた)、バッハのフーガ(何人かのプレイヤーが、客席でお客さんに譜面を持たせて演奏)、ニューヨークフィルのパーカッションも加わった、チャイコフスキーのくるみ割り人形などがありました。
もちろんみんなすばらしいのですが、ニューヨークフィルブラスは特にトロンボーン(Joe Alessi/ジャズもうまいです)とホルンがすばらしかったです。カナディアンブラスはピッコロトランペットを吹く、比較的若い人がめちゃうまでした。僕が高校の頃日本で聴いたメンバーは、トロンボーンとチューバだけでしたが、アンサンブルのクオリティーはそのままでした。
そんな訳で、ジャズ、クラシック、ミュージカルなど、ジャンルを超えて刺激がいっぱいのニューヨーク生活でした・・・