この曲は、hideにとって、「DOUBT」の続編となる曲だ。一般の人は「何がピンクスパイダーだ」と言うのかもしれない。しかし、これはhideの「字謎遊び(別名は?)」なのだ。
今回もまたhideの生前言ったことを引用させていただく(「アリーナサーティセブン」1998年6月号12ページから)。
hide、「実はいろんな要素が、スゲエ一杯入ってて、……タイトルからして、いくつかの要素からできてて、ピンクっていう色は、妄想の象徴。スパイダーは、蜘蛛自体よりも”蜘蛛の糸”っていうのにこだわりがあったんですよ。
蜘蛛の糸って英語でweb(ウェブ)って言う。情報を張りめぐらせるっていう意味。WEB SITEのWEBなのね。自分の音楽以外の1番のフェバリットが、webだったりする事と、
情報に手を広げているようでいて、実際にその場に行って見てないものを、見ているような気になっているっていう部分が、すごく自分に近くて。スパイダーのSPIが、自分にはどうしてもSPYに聞こえる。」
またその後すぐ、こうも言っている。
「“ROCKET"をこっちで聞いたら、こりゃ、ないなって思ったんですよ。なんか言いっ放し過ぎっていうかんじがした。やっぱり虎の穴に手を突っ込んだら、虎子を得ることもあるけど、親の虎がいて噛まれることもあるからね。」
っとまあ、ここまでヒントをくれたんだから解かなければいけない。私もこの詩には何通りにも見えてくる。
まず第1。私はこの題と内容をみて、まず最初に思ったことは、映画の「蜘蛛女」。「色っぽい(ピンク)、蜘蛛」(女郎蜘蛛)、 そしてそれと自分(hide)が同じなのだと言っているのだ。ところで蜘蛛の足は何本だっけ?
第2。hideがいっていた「PINK=妄想」、そして蜘蛛の糸の「糸(ITO)」が重要。それは「網(MO)」でもある。
私はどうしてもこの2つ(モウソウ、モウ)を「放送網」と読んでしまう。テレビ業界もウソで塗り固めた華やかさがある。そんな事など知らなく入って来たりする人たち。そして、手当たりしだいに情報の網を広げ、なんでもカンでもエサにしている放送業界全般に対する「DOUBT」的な呼びかけ。
第3。この詩の内容はhide本人の、人生を語っているって言うこと。たぶんうまい話で行きたくもなかったオーバーグランド(業界)に入って失敗だった…。なんて言ってるんじゃあないだろうか。
第4。「妄想」と「スパイ」、スパイは権力の手先とか犬とか言われる。「犬」は、ワンちゃん。ワンとはkの呼び名。
そして、権力の手先になってしまったhideとをひっかけて、「妄想の犬(スパイ)だあ」。
第5。ピンクのくもでピンと来るのは、堺正章が乗ってた「キント雲」。いわゆる孫悟空の掌(たなごころ)。それをイメージして作られてある。
第6。「ピンク」は、その字自体にもいろいろあって、「精華、絶頂」、「左翼的(赤)な」とか、「興奮する」もある。他には、「傷つける」など。
「スパイダー」は、「人を陥れる悪人」という意味もあるんだ。だから、いろいろ2つを合わせると、「絶頂期の蜘蛛(女など)」、「左翼的なスパイだあ!」、「傷つける、人を陥れる悪人」になるね。
他にもいろいろあると思うが、具体的に歌詞の中の単語の意味をグノーシスなりに紹介していく。
「空」。それはテレビのブルー画面を連想させる。もしかして、テレビ局には、このようなモノが高いところに置いてあるのでは、そして誰かがチャンネルをまわすとテレビ電話のように映るのでは? そうだったら怖いよね。
「四角い」は、「堅苦しい、かしこまったさま(申し訳なくおもう=詫びを言う)」(これは、kの詩にも関係あるんだけど、「1人でひっそり暮らすよ=ワビる」)という意味もある。「空が四角いと思ってた」とは、「テレビ業界が堅苦しいと思っていた」または、「テレビに申し訳ないと思っていた」。
「ケバケバしい〜話しかけた」。これはさっきも書いたがウソで塗り固めたテレビ局(それにかかわるタレントとか)の華やかさとhideの自分の姿を合わせていっている。そこに「ゴクラクチョウ」がめずらしく入り込んできた。
「蝶」と「鳥(チョウ)」は同じ意味。犠牲になる存在。
「羽根」と「翼」も同じ意味。才能とかいう意味。
「峰不二子」(「峰」のオーバーグラウンドにいる人の意味と「不二子」のフジコ(娘)をかけている)ふんするお釈迦様(kにしてみればテレビ局等がそれにあたる)が言う。「私の翼を…」
「借り物の翼…」は、人の能力(才能)つまり人を使ってもうまく行かず、失敗してしまう。
「ピンクスパイダー 「もうダメだ」、「空は見えるのに…」、「失敗だぁ」、「翼が欲しい…」」
この部分は、それぞれのスパイダー(hideスパイダー、kスパイダー、アナスパイダー、TVスパイダー)が、それぞれの気持ちを順番に言っているのか、もしくは、4者がそれぞれ4セリフすべて当てはまるように書いているのかも知れない。「空=テレビ」
「わずかに見えた…」。わずかに見た画面(空)の向こう標的(鳥達)は、南の方へ引っ越してしまった。
「もう1度飛ぼう…」。これはテレビ局自身にも言っている。人を使わず自分で言えよとかやれよ。そしてkにももう1度挑戦しよう。と言う呼びかけ。
「あの雲が 通りすぎたら」。「雲」は、hideいわく、「自由の象徴」。自分たちが自由でなんでも出来ると思っている存在。つまり、テレビ局とか、hide自身がいなくなったらとかも…。それとかモヤモヤしてすっきりしない状態。
「ピンクスパイダー 空は呼んでいる」。妄想だらけの犬(k)よ。色っぽい蜘蛛女が、テレビは呼んでいる。「いいかげん刃向かうことをあきらめて…」
「桃色のくもが 空を流れる…」。今日もまた妄想にかられたくも達が(いろんな意味での)が画面に映っている…。
一応全体的な意味を書いてみました。しかし、主人公=妄想のくも(業界から逃げ回っているkという孫悟空、仮想現実な恋愛にふける虎のアナ、ウソばかりの業界、そしてhide本人の本音…)を誰にするかによって、
「ゴクラクチョウ」や、「お釈迦様」、「雲」などの意味が違ってくるので注意してね。
ところで、「ピンク〜」と「ever〜」のシングルを買った人なら分かると思うのだが、シングルを開ける(空ける)と中に、「あれっ?」カードが入ってたよね。それは、ナニを意味しているのかというと、「外っツラはこうなんだけど、中を見れば実はこうなんだよ」っていうことを示しているのだ。
余談だが、私には「チョコ」が、「チエコ」に聞こえてきてならない。「そんなにもあなたはレモンを待っていた…」。
そして、シングルのジャケットの絵についてもう一言。むきだしにされたチョコ。ちょっとむかれたチョコ。私はそこから連想するのは「アーモンド」。
「almond」を辞書で調べてみて。そしてそれに這っている蜘蛛。その蜘蛛はチョコがお好きなのね(笑)。
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