今年(2003年)の定期演奏会についても、
全国に、その感想リポートが、インターネットにて、発信されていました。

下記に、掲載させて頂きます。

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 あまーびれのみなさん、こんにちは。  亀井英彦です。
芸術の秋まっさかり。そしてそれに呼応する様に、全国の町に、村に、
子ども達の美しい歌声が響き渡っています。 そんな中、
東京の西郊に花ひらいた、とびっきりの歌声をレポートしたいと思います。

 2003年9月28日(日)  17:00開演
《創立39周年》 ひばりヶ丘少年少女合唱団定期演奏会2003
      ☆ ひばりヶ丘らしさの原点を求めて ☆ 
        〜 二期会:小栗純一氏と共に 〜
 於:西東京市民会館(西武新宿線・田無駅下車。徒歩約10分)
 全席自由席  入場無料
           合唱/ひばりヶ丘少年少女合唱団
           独唱/小栗純一
        制作・指揮/羽場曾時
         振り付け/田村蓮(ザ・スーパーカンパニー)  
            伴奏/木村恵理子・村瀬由美
            演奏/ひばりヶ丘ピアノトリオ+1
                村瀬由美(P)野中英士(B)
                羽場義徑(Dr)渡辺研介(Tp)

 さて、私がこの合唱団の定期演奏会におじゃまさせて頂くのは、
今回が昨年に続き、2回目です。
合唱団の沿革については、ひばりヶ丘のみなさんのHPにも詳しいので、
詳述は避けますが、指揮者の羽場曾時氏のスピーチによると、今年の定期演奏会は、
この団の創立者である、故羽場かづ江先生のモットーであった、
『いつも元気で、明るく、子どもらしく!』『まずはとにかく楽しく歌うこと!』
『きれいな心と、やさしい気持ちが一番大切!』
『どんな時も、どんな事にも一生懸命!』
と言う、ひばりヶ丘らしさの原点、と言ったものを、
再確認するコンサートと、位置付けられているとのこと。
そう考えれば、成る程、今回取り上げられたプログラムは、
合唱団の歴史の、節目節目で歌われたであろう、私達に懐かしくも、
これからの子ども達にも歌い継がれて行くべき、優れた曲の数々だったのですが、
ひばりヶ丘の子ども達は、それらの名曲を、自分達の、自分達にしか出来ない、
「ひばりヶ丘らしさ」の流儀にのっとって、余り細かな事にはこだわらず、
何よりも、子どもらしく、おおらかで、自由な表現力を持ち、
明るくのびやかに、そして元気に歌い切っていました。
まあ、曲によっては、余りに元気に声を出しすぎるため、
高音で声がかすれちゃったり、難しい音程がちょっとアバウト過ぎて、
聴いてて、ずっこけちゃうような所もありましたが、
その小さな綻びすらも、観客の和やかな微笑みに換えてしまうのが、
ひばりヶ丘らしさの魔法と言ったものでしょう。
舞台の上で楽しく、嬉しそうに歌い、踊っている子ども達の姿を見ていると、
創始者、羽場かづ江先生の、合唱団に対する大きな理想と愛に包まれて、
子ども達は、みんな、歌うこと、音楽を通して自分自身を表現することが
本当に大好きなんだな。そして、その大好きな合唱を通じて、
たくさんの仲間と一緒に力を合わせることにより、子ども達は、
より大きな目標に向かって突き進む力を持つことが出来るんだな。
と、改めて感じ取ることが出来ました。
 そんなひばりヶ丘の子ども達は、現在、団員数は、
小学校1年生から大学4年生までの、合計35名(内男子0名)。
男の子のいないのが、少々寂しい気もしますが、ひばりヶ丘駅の周辺で、
小学生は土曜日の午後、中学生以上は日曜日の午前中、
週一回、みんなで楽しく、歌のレッスンをされているそうです。

               プログラム
オープニング
  「声合わせ歌おう」
1.秋・3題
  「もみじ」「里の秋」「真っ赤な秋」
2.思い出の曲・色々
  「七つの子」「ゆうやけこやけ」「風になりたい」「松江の町は」
  「遠くへ行きたい」「雨の遊園地」「夕日を追いかけて」
  「ゴールめざして」「ともだち」
3.今年の合唱組曲:『日記のうた』
           蓬莱泰三:作詞 南安雄:作曲
  「月曜日」「火曜日」「水曜日」「木曜日」
  「金曜日」「土曜日」
             〜 休憩10分 〜
      <二期会・小栗純一先生を迎えてのステージ>
4.独唱コーナー
  「おかあさん」(中田喜直曲)「初恋」「かやの木山の」
  「樂に寄す」「鱒」「小夜曲」「忘れな草」
5.歌とダンスで綴る “メリ-ポピンズ” より
  「チム・チム・チェリー」
  「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドゥ-シャス」
  「眠らないで」「2ペンスを鳩に」「楽しい休日」
  「スプーン一杯のお砂糖」「凧をあげよう」
クロージング
  団歌:『昆虫の大合唱』
            井上ひさし:作曲  小森昭宏:作曲

 それでは、プログラムに沿って少々。
 オープニングの後、第1部、第2部は、いろいろなタイプの合唱曲です。
これらは一見、取りとめのない選曲にも思えますが、
きっと合唱団の四季の折々を飾る、思い出の曲の数々なのでしょう。
そして、ここでもやはり、どちらかと言うと、私は、元気で明るく、
子ども達の日常の生活の中の感情を、そのまま歌に託したような曲に、
ひばりヶ丘の子ども達の、歌声の真価が伺われるように感じました。
 そしてこの歌声の特質は、続く第3部、「日記のうた」に於いてこそ、
最大限に発揮されていました。
この曲に登場する、主人公の男の子の、奔放で元気いっぱいの行動力。
明るく素直で、しかも正義感溢れる感情のほとばしり。
そして、その中に時折見せる、周囲への暖かい心配りは、
羽場先生の願われた、ひばりヶ丘らしさの原点、モットーそのものです。
子ども達は、まるで水を得た魚のよう。大阪弁の持つ独特のリズムに乗って、
とびっきりの笑顔で、元気な男の子の一週間の生活を、
私達の目に浮かぶが如く、生き生きと描いてみせてくれました。
  〜〜  尚、例の、「試験〜、試験〜」のア・カペラ歌唱の部分は、
ピアノの単音よる、音取りの補助付きで、演奏されていました。(^^)  〜〜
 そして休憩の後、第4部、第5部は、二期会の小栗純一氏を招いてのステージ。
第4部では、その巧みな話術と歌唱力で、我々を魅了した小栗氏は、
続く第5部、歌と踊りによる、「メリー・ポピンズ」のメドレーでは、
そのとても深くて、暖かいバリトンの音色で、ひばりヶ丘の子ども達の、
明るく元気な歌声をやさしく包み込んで、とっても和やかな雰囲気を、
ステージの上にもたらしてくれました。
また、伴奏を、ひばりヶ丘ピアノトリオ+1が生演奏で担当することによって、
音楽的にも、より質の高いものを目指しているようで、好感が持てましたし、
子ども達も、そうした人々の熱い思いにサポートされて、
手作りの暖かさの滲み出た、こころに残る、本当に素晴らしい舞台を、
私達に披露してくれました。
 そうして最後は、恒例の、団歌「昆虫の大合唱」の讃歌です。
この歌詞の中で描かれる、ひばりヶ丘の理想、そのモットーとする合唱は、
(これは即ち、羽場かづ江先生の願いでもあったのですが、)
確かに、今の子ども達の歌声の中にも、しっかりと生き続けています。
そして、この思いを胸に、これからも、子ども達の明るく元気な歌声を、ここ、
ひばりヶ丘の空に、ずっと響かせて行って欲しいと、私は心から願っています。