オリックスから金銭トレードで楽天に移籍した岩隈久志投手(23)の入団会見が19日、仙台市内の球団事務所で行われた。年俸はチーム最高額となる1億8000万円。さらに球団側は、23歳での2年契約プラス出来高払いという破格の条件を提示した。複数年契約については保留した岩隈だが、会見後は仙台を訪れていた三木谷浩史オーナー(39)に呼ばれて異例のツーショット会見。若きエースへの期待が表れた一日となった。〔写真:三木谷オーナー(右)の激励を受けた岩隈は満面の笑み=撮影・財満朝則〕
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これも異例だ。入団会見後、オーナーとの会談。初対面を果たした岩隈は、緊張に顔をこわばらせた。
「普通、オーナーと選手が会う機会はないですから。でも、すごくあたたかみのある方です」
本業で仙台を訪れていた三木谷オーナーに呼ばれて実現したツーショット。「これから伝統を作っていく新球団の柱になる選手。期待しているから頑張れよ!」。直々の激励を受けた。
球団が用意した待遇も異例だった。年俸は昨季の3倍近い1億8000万円で、礒部を抜いてチームトップ。さらには、本人も「まったく頭になかった」と驚いた2年契約プラス出来高払い。「(契約)内容に関して不満はありません。ただ、毎年、一年一年が勝負という気持ちもあるし、家族と相談する時間が欲しかった」と、複数年契約に関しては今後詰めていくことになった。
「目標は防御率のタイトルを獲ることと、背番号と同じ21勝。開幕12連勝? 今年はそれ以上を目指して頑張ります」
(1)高年俸(2)複数年(3)オーナー直々の激励、という“3つのVIP待遇”で期待の大きさを表した球団に対し、(1)防御率のタイトル(2)21勝(3)12連勝超え、の3つの誓いで応えた若きエース。その右腕でイヌワシを大空に羽ばたかせる。
(本間翼)
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★県営宮城球場の命名権に「フルキャスト」が応募
楽天イーグルスの本拠地「県営宮城球場」(仙台市)の命名権(ネーミングライツ)の公募に、人材アウトソーシング「フルキャスト」(東京・渋谷区)が応募したことが19日、分かった。同社のホームページなどによると、平成2年設立で資本金は約34億6000万円。人材派遣などが主な業務でプロスポーツ選手の総合マネジメントにも携わっている。
命名権は、県と楽天がスポンサー企業を公募。応募したのはフルキャスト1社だけで、20日の審査を経て21日に浅野知事に報告し、正式決定する予定。基本協定によると導入期間は3年間、募集金額は年間1億5000万円以上。売却収入は原則として県と楽天に1対3で配分する。
楽天エースがついに誕生した。オリックス入りを拒否し、楽天に移籍した岩隈久志投手(23)の入団発表が19日、宮城・仙台市の球団事務所で行われた。年俸1億8000万円に出来高払い2000万円は了承したが、球団が提示した2年契約に関しては返事を保留した。岩隈が突然の提示に戸惑ったのが真相だが、新天地での目標を背番号と同じ21勝、チームのAクラス入りを掲げ、来季年俸で大幅アップを目指す。
オリックスと2カ月近い交渉を続けて移籍した新天地での最初の交渉で、岩隈の口から「保留」の文字が飛び出した。
「新しい気持ちで野球をやりたい。去年逃した防御率のタイトルと背番号と同じ21勝が目標です」。移籍決定直後に掲げた目標から、さらに1勝上積みするほど本人は上機嫌なのにだ。「条件に不服はないですよ」。岩隈が返事を保留したのは突然、提示された「2年契約」の部分だった。金銭面については、すでにオリックスと1億1500万円アップの1億8000万円でサインしていた。移籍後、楽天側はさらに出来高払い2000万円をプラスした2年契約で総額4億円を提示した。
故障のリスクが高い投手に対して、複数年契約は球団にとって最大の誠意だ。ましてや今季6年目の23歳に対しては異例の厚遇だ。それだけ、チームの顔として球団の信頼度は高い。だが岩隈は予想外の条件に驚き、「複数年は全然、想像していなかった。家族と相談して決めます」と即答は避けた。
今オフは巨人上原、阪神井川、ヤクルト岩村ら主力級が次々とポスティングによるメジャー移籍を希望している。昨秋の日米野球に7回1失点と好投した岩隈が米挑戦を希望してもおかしくない。早い段階でメジャー挑戦を求めるなら単年契約の方が好都合となるのだが、岩隈が複数年提示を「保留」したのは夢の実現とは関係ないようだ。
「オリックスさんのご好意に感謝してます。新しいチームで投手陣の中心としてAクラス入りを目指したい。仙台で楽しい野球が見せられるようがんばります」と、新球団のエースの自覚ばかりだ。「結団式がある22日までに結論を出します」と複数年については再考する。まずは好成績で大幅増という前向きな姿勢が、若きエースにはよく似合う。【久我悟】
[2005/1/20/08:52 紙面から]
写真=岩隈(左)と初顔合わせの三木谷オーナーは手の大きさを比べて「でっかいな」と驚きの笑みを浮かべる
球団旗を背に会見に臨んだ岩隈は終始、明るい表情 |
楽天は19日、宮城県仙台市内の球団事務所でオリックスから金銭トレードで獲得した岩隈久志投手(23)の入団を発表した。年俸はチーム最高額の1億8000万円。背番号は「21」。同投手は開幕から15連勝のプロ野球記録更新と、シーズン21勝を宣言。また田尾安志監督(50)は3月26日の開幕戦と4月1日の本拠地開幕戦の先発に岩隈を指名し、大きな期待を寄せた。
ユニホームは変わっても、その屈託のない笑顔は同じだった。「開幕からいいスタートをしたいですから連勝はしたい」。開幕からの最多連勝プロ野球記録は15。「もちろん、それ以上を目指して頑張っていきたい」と言い切った。自信はある。昨年は開幕から12連勝。03年も6連勝した実績が背景にはある。
背番号は21に決まった。8日の自主トレ始動日には20勝を目標に掲げていたが、即座に上方修正。「21勝を目指したい」と話したのは、西武・松坂を意識してのものだ。昨年はアテネ五輪でともに日の丸を背負った。同じ条件の中で最多勝(15勝)最高勝率(・882)を獲得しながら、防御率だけは岩隈3・01に対し、松坂2・90とタイトルを逃した。ユニホームは変わってもライバル意識は変わらない。
自他ともに認める楽天のエース。既に3月26日の公式戦開幕(対ロッテ)を岩隈に託す考えを示していた田尾監督はこの日、都内でニッポン放送のレギュラー番組に出演。4月1日の本拠地開幕(対西武)についても「基本的には岩隈かなと思ってます」と断言した。開幕戦から中5日となることにも「彼の調整法があるし、彼はペースが分かっているから、彼に任せることになると思います」とダブル開幕投手に不安はない。本拠地開幕戦はいきなり松坂と対戦することが濃厚。開幕からの連勝記録挑戦には、最初のハードルとなりそうだが、岩隈も「投げたいです」と志願した。
会見に同席したキーナートGMは「パッチワークのチームに温かい毛布が加わった感じですね」と言う。各球団から選手が集い、楽天というチームができた。それでもしっかりとした一本のシンはある。
≪2年契約は保留≫岩隈は入団発表前に契約交渉。2年総額3億6000万円を提示されたが「きょう初めて聞いたので、家族もいますから相談していきたい」として保留した。オリックスと岩隈は今季年俸1億8000万円で契約。楽天は、その2年契約を打診するなど高い評価を与えたが、岩隈自身は「そういう気持ち(単年契約)もあります」と1年1年に集中したい考え。田尾監督も「単年でやった方がいい結果を残す選手が多い感じがする」と賛同していた。
◆田尾監督単年OK 楽天・田尾監督は19日、都内で、岩隈が21勝や4月1日の本拠地開幕戦の先発に意欲を見せたことについて「頼もしい。僕(の希望として)も同じような気持ちです」と目を細めた。複数年契約が先送りになったことに関しては「本人の考え次第。今まで見てきた中では、単年で勝負している選手の方がいい結果を残しているように思う」と岩隈の希望を尊重する考えを示した。 |
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金銭トレードで楽天に入団した岩隈久志投手(23)が19日、仙台市内の球団事務所で入団会見を行い、会見前の契約交渉で2年契約の1億8000万プラス出来高のチーム最高待遇で迎えられた。午後には仙台市内のホテルで三木谷オーナーと初対面し感激。晴れて楽天の一員となった。 自然と笑みがこぼれた。「投手陣の先頭に立ち、Aクラス入りに貢献したい」と力を込めて話した。背番号も近鉄時代同様「21」に決まり「21勝目指して頑張りたい。去年逃した防御率のタイトルを取りたい」と、意欲を見せた。 午後には本社行事で仙台市内を訪れた三木谷オーナーと初対面。「かっこいいなあ。投手としてだけでなくいろんな意味で中心となってほしい」と激励を受けると「すごい温かみのある方だと思いました。新鮮な気持ちでやっていきたい」と喜んだ。 契約交渉では複数年提示を受けたが「1年1年で勝負したい」と一時的に留保。将来的には親しい知人にメジャー移籍も視野に入れていることを明かしている岩隈だが、新チーム元年はチームの大黒柱としてフル回転する。 |
会見後、楽天・三木谷オーナー(右)と手の大きさを比べ笑顔を見せる岩隈=宮城県仙台市のメトロポリタンホテルで |
楽天は19日、仙台市内の球団事務所でオリックスから金銭トレードで獲得した岩隈久志投手(23)の入団を発表した。背番号は21。会見に先立って行われた更改交渉で、年俸は昨季(6500万円)の3倍近い、チーム最高額となる1億8000万円で合意した。球団側が提示した2年契約、出来高払いなどの付帯条件については後日詰める。岩隈は「複数年は考えていなかった」と話した。
それでも「新しいチームで新しい気持ちでやれる。投手陣の中心になって、Aクラス入りを目指して開幕から飛ばしたい。防御率のタイトルと、勝ち星は背番号(21)を目指す」と、力強く話した。
当初、予想だにしなかった頼もしいエースの加入。球団としても万々歳なのだが、一方で気になることも。会見に先立ち、球団側は「礒部(2年総額3億円)と並ぶ球団の顔」(米田代表)と評価、2年契約を提示したのだが、岩隈は複数年契約の部分については即答を避けた。2年契約では成績にかかわらず、翌年も1億8000万円(金額はすべて推定)の年俸が据え置きになるため、伸び盛りの岩隈が躊躇(ちゅうちょ)したのか。岩隈に近い関係者は「去年の日米野球で活躍して、メジャーにも興味を持ったみたいだ」とも話していて、2006年からポスティング・システム(入札制度)を利用してメジャー移籍を視野に入れているのでは…との憶測も呼んだ。 (竹下陽二)
◆オーナーと初対面
【楽】正式入団が決まった岩隈は仙台市内のホテルで行われた楽天グループのイベントに駆けつけ、三木谷オーナーと初対面。「格好いい。表情が生き生きしていて、頼もしい。新設球団の伝統をつくる柱になってほしい」と三木谷オーナーから激励されると、岩隈は「オーナーと選手が会うことはないと思っていたので、温かみを感じる。新鮮な気持ちで頑張りたい」と感激していた。
それでも「新しい気持ちでスタートできます。投手陣の中心となって引っ張りたい。開幕投手を目指します」とチームの一員として第一歩を踏んだことを喜んだ。
新球団を盛り上げる。この言葉に偽りはない。実はこの交渉の席で岩隈はひそかに温めていたメジャー挑戦の封印を申し入れていたからだ。「メジャー志望はあるようだけど、しばらくは楽天を盛り上げたいといってくれた」(球団関係者)。
封印された岩隈のメジャー志望だが近い将来に再燃することは間違いない。その際はFA権を行使するか球団サイドによるポスティング(入札)制度の活用が選択肢となるが、楽天のスタンスは柔軟だ。
「ポスティングは球界に影響を与える大きな問題でもある。でも、全くダメとはいわない」とは米田球団代表。岩隈に関しても、みちのくでの活躍と成長を見守る構えだ。
ZAKZAK 2005/01/20
オリックスからの金銭トレードが決まっていた岩隈は19日、宮城・仙台の楽天球団事務所で契約交渉に出席。決定済みの新年俸1億8000万円(9500万円増)のほかに、球団サイドからは2年契約&総額4000万円のオプション契約の提示を受けたが「単年でやりたい気持ちもあるんです」と今回は保留している。
メジャーより楽天。岩隈は新球団にかける
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