伊賀の巻
(2003年6月訪問)
ついに我々は、 あの憧れの 忍者の里 「伊賀」 へ行ってきた。
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忍者の里から帰ってきて、ボーッとしていると、
サオリがやって来た。
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「はーい 元気 ?」
「その声は サオリ ・・・ ?」
「声は上の方から ・・」
サオリ、天井から降りる。
「やっほー!」
「 Are you くのいち ?」
「飛びおり方が、ちょと重たいよ・・」
Tシャツにジーパン、ポニーテールのサオリ、さわやかに、くるりと回転。
「ところで、忍者の里は、どうだった?」
「エガッタ〜」
「急にデレーッとして、どうしたん?」
「えがった〜」・・・遠くをみる2人であった
「 だいじょぶ かや ?」
ふたりが、最初に訪れたのは、伊賀の上野公園であった。この公園には、上野城、芭蕉翁記念館、俳聖殿、伊賀流忍者博物館(忍者屋敷)、忍者伝承館などがある。まず、ふたりは、芭蕉翁記念館へ行った。俳聖松尾芭蕉は、当地の出身で、地元では「芭蕉はん」と呼ばれて親しまれているとのこと。館内には、芭蕉直筆の掛け軸もあり、しばし、俳句の世界にひたる我々であった。
「ほろほろと 山吹ちるか 瀧の音」
芭蕉記念館を出て、いよいよと、忍者屋敷へ急ぐ。忍者屋敷の周りには、垣根がある。この「垣根」が、忍者世界へ「タイムスリップ」する入り口なのだ。
垣根を越えると、藤色の忍者装束の、くのいち忍者 が登場、こちらへ向かって来るではないか。 ・・・・ 「 く く く 、くのいち だ〜 」
くのいち忍者の案内に従い、屋敷へあがり、説明を聞く。床下に隠した刀、天井から客を監視する忍者、非常出口などがある。くのいち忍者に、どんでん返しの体験を勧められる。勧められるままに、ぎこちなく,
どんでん返しをした。
忍者屋敷の見学が終わり、地下道へ進むと忍者の使った武器や道具が展示してある。
「手裏剣だ」
「手裏剣 ですね」
地下道は長いものではなかったが、二人にとって、そこは忍者の世界そのものだったのだ。
地下道から外へ出るところには、「自動ドア」と手書きしてあり、すーっとドアが開いた。
一瞬の間に、時間が戻る。
6月の木漏れ日がまぶしかった。
続いて、忍者伝承館へ行く。こちらでは、現代からみた、忍者の歴史や忍術が解説してあった。
妖術なども使えた修験道の祖として伝わる「役の行者」の像がある。「どうして、ここに登場するんだろう?」
妖術と忍術はつながるのか?
「猫の目時計が面白かったな」「何、それ?」
「猫の目の瞳孔の開きぐあいで時刻を知る・・忍術だよ」「へー。」
「携帯砂時計や羅針盤ももっていたそうだ」
「携帯電話は、ないよね!」 「あったら、縦横に活用しているだろうね」
「合言葉があるよ」 「へ〜?」
「月と日、山と森、谷と水とか、花と吉野、月と更科、松と高砂、蛙と井戸とか、・・・ 暗い闇では、合言葉で敵と味方を見分けたらしいよ」 「この合言葉は、和歌から来てるね」 「ピンポン じゃ」
さあ、いよいよ、忍者ステージの始まります。そわそわと入場して行く二人だった。 忍者ステージは、本物の刀や手裏剣、大鎌などを使う演武ショーである。 次に、忍者刀が、紹介された。忍者刀は、まっすぐ(直刀)で少し短い。「鎧武者のよろいをブチ抜く」のだそうだ。 つぎは、手裏剣の紹介、手裏剣は、けっこう重いとのこと。武器は重い方が、威力がある。忍者は、手裏剣を一つだけ持っていったとのこと、意外だ。 |
次は、若い忍者による鎌手裏剣の紹介だ。鎌を手裏剣のようにして打つ。突き刺さるように回転を合わせるのが難しいとのこと。三投して、すべて刺さる。ほっとした忍者の笑顔がよかった。
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忍者ショーが終わると、二人は急に空腹を感じ、近くのそば屋へ入った。信州戸隠のそば粉使用と書いてある。「戸隠忍者」というのを思い出しながら、そばをすすり、そば湯も、全部飲んでしまったが、まだ物足りない。 ようやく、そば屋から出たふたりは、となりの売店で、あれこれや品定めをし、ついに、「手裏剣」を買ったのであった。もちろん、本物ではなく、おみやげ用でした。 |
「おい、ハルウ。わし、忍者になるぞ。おまえも一緒について来い。」
がたん、ごそごそ。床下から サオリ 出てくる。
「地下道・・・?!」
・ ・ ・ 「どうしたん、ふたりとも。 昼ごはんを食べたら、うたた寝して、そのうち、うんうんうなされて。悪いものでも、食べたんかなー。」 |
伊賀の巻 終わり