REVIEW

雑誌などで採りあげられたグループ・セラピーのリヴューを紹介します


 
 Cosmos Music
グループ・セラピー/メラトマニア

日本のグループの3枚目のアルバム「メラトマニア」はジャズ・フュージョン の金管楽器の鋭い音色の鉱脈を発掘している(サックスとトロンボーンが他の 楽器と同等の重要な役割を担っている)が、それ以上に明確な魅力を持ってい る。
けばけばしい名人芸からは解放され、7つの作品は容易に認識することの出来 るメロディックなテーマに関連付けられているために、いっそうとっつき易い ものであることがわかる。
ミュージシャンの技量は、日本人の場合しばしばそうであるように、完璧であ りインプロヴィゼーション・パートは決して退屈なものではない。
グループ・セラピーはここで、あらゆる点で注目すべきアルバムを残した。な るほど伝統的なプログレッシヴ・ロックの基準からは幾分離れてはいるが、プ ログレ・フュージョンの愛好家や、独創的な道を歩もうとするすべての人の要 求を満たすであろう。


Cosmos Music (フランス) 
原文フランス語 日本語翻訳 荒木秀夫
(参考 英語翻訳 ルノード・ベルガー)


"Cosmos Music" http://perso.club-internet.fr/cosmosm/

 Sea of Tranquility
グループ・セラピー/メラトマニア

グループ・セラピーなる興味深いプログレッシヴ・フュージョン・バンドが日 本から現れた。彼らの「メラトマニア」は近年日本から登場した多くの音楽と は大きく異なっている。アルス・ノヴァやジェラルドほど衝撃的でもなけれ ば、ケンソーやフリーウイルほどテクニカルでもなく、おそらくティポグラ フィカのようなクセのあるジャズ・スタイルを多く感じるものである。私は幾 度となく、キング・クリムゾン風のインプロヴィゼイションと同時に、マイル ス・デイヴィス、フランク・ザッパ、シカゴ、さらにRIO(*)の要素を多分に 思い起こした。

ファンキーであると同時で冒険的な3部作「アジマリカン」でアルバムは始ま る。2人のギタリスト(どちらもザッパ風のスタイルでプレイする)、サック ス、トロンボーン、ベース、ドラムス、ヴァイオリンをフィーチュアして豊か なサウンドを持ち、この曲においてはバンド全体が光り輝いている。グループ ・セラピーのライヴは徹底した複雑さでリスナーをぶちのめすと言うよりも、 グルーヴと長いソロに重きが置かれている。タイトル・トラック(メラトマニ ア)はホーンが全面に出、ギター・リズムの洒落た素晴らしい曲である。サッ クスとトロンボーンが互いに活発なソロを取り合い(再び全盛期のシカゴが脳 裏に浮かぶ)、その後長いディストーションのかかったギターソロへと繋が る。次に来るのは、強烈なホーンと沸き立つようなギターソロの聞ける、短い がロック色の濃い「ペイ・ミー・ヒズ・ランサム」で、伝統的な日本音楽とフ リー・スタイルの実験ジャズが見事にミックスされた9分の3部作の大作「ダ マスカスの出来事」へと続いていく。最後の3曲「オリエンタル・ブレック ファスト」「関脇」「審神(さにわ)」はかなりくつろいだもので、現代的な ジャズの形式によったものである。不気味なホーンと透明感のあるギターソロ の「審神(さにわ)」がこの3曲の中では最高だが、これらの3曲のどれもこの CDの前半の燃えるような情念を感じさせない。

「メラトマニア」は私が将来、是非とももっと聞いてみたい将来性のある日本 のバンドの優れたフュージョンCDである。

*RIO Rock in Oppositionの略。ヘンリー・カウ、サムラ・ママ等の前衛的 ジャズ・ロックの総称。

ピート・パルド
シー・オブ・トランキリティ(アメリカ)  2002年11月
日本語訳:北田裕幸


"Sea of Tranquility" http://www.seaoftranquility.org/

 Prognosis
グループ・セラピー/メラトマニア

日本出身の非常に個性のあるバンド、グループ・セラピーはコンテンポラリー ・ジャズ、RIO、そしてプログレッシヴ・ロックの良質なミックスを演奏する6 人編成のバンドである。このような音楽を演奏している、あるいはまた演奏し ていたバンドが日本にどれくらいいるのか定かではないが、これは確かに奇妙 なミックスである。バンドは北田裕幸、川崎崇の2人のギタリスト(北田はギ ターシンセも兼ね、CDのキーボード・サウンドすべて作っている)、ソプラノ ・サックス - 井上英俊、トロンボーン - 五十嵐啓道、ベース - 吉田保徳、 ドラムス - 向淳志で構成され、2人のゲスト・ミュージシャン、篳篥 - 志村 哲夫、ヴァイオリン - 金本博之がいる。お分かりの通り、風変わりな楽器の 組合せであり、サックスとトロンボーンは不規則的なハーモニーとRIO風の ホーン・セクションを結合させたような一つのユニットとしてプレイする。曲 のアレンジには、いくらかの60〜70年代ジャズ風のものと同時にフュー ジョン、とくに全盛期のマイルス・デイヴィスのスタイルが非常に強い。音楽 には複雑さはさほど無いが、演奏力は非常によい。奇妙ではあるが、オズリッ ク・テンタクルズがミリオドールのホーン・セクションとジャムって、より ジャズ寄りになった様にきこえる。グループ・セラピーは、このような風変わ りな影響を融合させる道を発見し、さらにそこに伝統的日本音楽を加味し、非 常に独特の作品を創造しているのだ。

M.J.ブラディ
プロッグノシス(アメリカ)  2002年10月
日本語訳:北田裕幸


"Prognosis" http://www.silverdb.com/

 Arlequin Newsletter
グループ・セラピー/メラトマニア

日本の北田裕幸のグループ・セラピーがセカンド・アルバム 「メラトマニア」をリリースした。
多くの色合いをもった長く魅力的な曲によって構成された 完全なインストアルバムによって このグループはそのジャズ的な態度を確実なものとした。 しかしこれを同じ日本のバンドである「ティポグラフィカ」や 「イル・ベルリオーネ」のようなものだと思ってはいけない。
実際、アヴァン・ギャルド・ジャズへの指向があるとしても、 グループ・セラピーの楽曲は決して聴くのにつらいものではない。
ジャズへの指向は主に2人の菅奏者の存在によってもたらさせる。 ソプラノサックスの井上英俊とトロンボーンの五十嵐啓道は、 優れた力を発揮する機敏なリズムセクションにサポートされて 主たるテーマを提示する。
管楽器と切れ目なく続くリズムの中でリーダー北田のギターが介入す ることに気づく。 それは時にはノミで彫り付けるかのように素早く、 興味をそそるアルペジオを伴い、複雑なサウンドプロットに完璧に適合してい る。 また時には巧みなソロが目立ち、 他の楽器とのユニゾンがフュージョンの影響を感じさせる。
「ダマスカスの出来事」のような明確な東方風のメロディーもある。 また「アジマリカン」や「オリエンタル・ブレックファスト」においてはロマ ンティックな趣もある。 前者ではヴァイオリン、後者では日本の伝統楽器である篳篥が聞ける。
私はパンを食べ、ニュー・プログレッシヴを聞いて生きている人々がこのよう なサウンドのアルバムを好むのかどうか疑問をもつ。 なぜならグループ・セラピーは3RD以降の「ソフト・マシーン」やイアン・ カーの「ニュークリアス」 のようにプログレとジャズの境界線上を行き来するからである。
しかしもしこの「境界線」の音楽によって活力に満ちたリンパ液をゲットでき るなら、 「メラトマニア」はあなたの求める宝石に思えるだろうし、 このアルバムを逃すことは大きな後悔となるだろう。

アレクィン・ニュースレター (イタリア)  2002年8月
日本語訳:北田裕幸


"Arlequin Newsletter" http://www.arlequins.net/

 Tarkus Magazine
グループ・セラピー/メラトマニア

プロデューサー、アレンジャー、コンポーザー、そしてギタリストである北田 裕幸率いる 6人組の日本のバンド「グループ・セラピー」が2NDアルバムを発表した。

グループ・セラピーは即興ジャズのバンドとして10年以上前にスタートし、 以来より合理化されたバンドへと発展してきた。
「メラトマニア」の音楽はロック、フュージョン、そしてビッグバンド・ ミュージックの交差である。
最後に触れたジャンルはトロンボーンとサックスの使用から感じられるもので あり、 彼らはとくに冒頭で明確にそれを印象付けている。またジャン=リュック・ポ ンティ (オープニング・トラックにおける抜群のヴァイオリニストによって表現され るスピリットのなかに)、 さらにタワー・オブ・パワーの痕跡も聴くことが出来る。

グループ・セラピーの音楽は創造性よりも技量に触れられるものである。 彼らはこの30年間に存在してきたジャズ・ロックの厳格なルールに固執してお り、 どのトラックもお互いにかなり似通っている。
しかしながら、曲の多くがかなり長いものであるので、リズムや雰囲気や 楽器の使用の変化にとって充分な余地があり、そこから彼らは恩恵を受けてい る。
各ミュージシャンに割り当てられたソロは非常に民主的に配分されており、 各楽器ともできうる限りさらけ出されている。まったく退屈なものではない!

しかしプログレ的な観点では、「メラトマニア」はBGMであるとするのも無理 からぬところだ。
プログレシッヴ・ジャズ・ロックと完全なフュージョンとの境界は狭い。
グループ・セラピーはプログレシッヴ・ジャズ・ロックに位置してはいるが、 それはかろうじてである。

タルカス (ノルウェー)  2002年
日本語訳:北田裕幸


"Tarkus Magazine" http://www.tarkus.org/

 Progressor
グループ・セラピー 2001 メラトマニア

プロローグ
グループ・セラピーのデビュー・アルバム「アトランティス」(メロウからの リリース)は99年春のリヴューに私が受け取った最初の数少ないCDの中の1枚 であった。ここで読者の皆さんに「ジャズ・フュージョン」という用語につい ての私の観点を思い出して欲しい。それはプログレの5つのジャンルの中の1 つである。「フュージョン」について言えば、私にはそれは言葉の字義通りの ものを意味するのである。すなわち様々な音楽ジャンル、その系統の中にある サブジャンルの融合である。もちろん「我々の」ジャンルに関しては、私は 「ジャズ・フュージョン」をプログレッシヴ・ミュージック(プログレッシヴ ・ロックはもちろんのこと)の様々な形式を伴ったジャズ・ミュージック(と りわけジャズ・ロック)に関連するものの融合であると理解している。グルー プ・セラピーの音楽を簡単に述べれば、この後者の「ジャズ・フュージョン」 の定義に当てはまると考えてよい。とりわけ2NDアルバム「メラトマニア」 に関してはそのように聞こえる。

アルバム
「メラトマニア」完成版の最終ヴァージョンは、デビュー・アルバム「アトラ ンティス」とは言うまでもなく、その5曲入りのデモとは驚くほど異なるもの であるので、デモヴァージョンのことは忘れ去る必要があるし、またそのリ ヴューも削除しなければならない。「アトランティス」のような「フュージョ ン」でもなければ「デジタライヴ」のような「ジャズ・フュージョン」でもな く、私がこのバンドの2NDスタジオ・アルバムで耳にしたものは「ジャズ・ フュージョン」と「プログレ・メタル」の要素をもった「クラシック・アート ・ロック」である。アルバムの基本構成の全てやほとんどのアレンジは典型的 なクラシック・アート・ロックである。一方で北田裕幸のギターシンセによっ て引き出されたキーボードのコードが鮮明なシンフォニック・サウンドを持っ ている。2本のブラスの素早いソロは、それがインプロヴィゼイションであろ うが作曲されたものであろうが(私の考えではかなり作曲されていそうである が)、全体として典型的なジャズ・フュージョンである一方で、素早いギター ソロのほとんど(それはかなり荒削りであると同時に技巧的でもある)はプロ グレ・メタルの「正統派」のように泣き叫ぶのである。このアルバムの各曲は 2つの短い曲も含めていわゆるプログレの要素を多く含んでいる。すなわち、 豊かで変化のあるアレンジ、テーマやテンポ、ムードの変化、味わいのある技 巧的なソロ、そして様々なソロ楽器のインタープレイなどである。アラビア風 の趣に満ちた「ダマスカスの出来事」を始めとして、このアルバムの他の全て の曲に「東方メロディ」の色合いが含まれている。少なくとも何箇所はそうで あり、特に「関脇」は日本風のモチーフが豊かである。

要約
まず「メラトマニア」はグループ・セラピーのこれまでの全ての作品とはとて つもなく異なる。このアルバムの全てのトラックが素晴らしいものであるが、 それでもなお私は「ダマスカスの出来事」がこのアルバムの最高作だと思う。 しかしながら、かつて私が「ダマスカスの出来事」に対して与えた賞賛を、今 度はこのアルバム全体に対して与える価値がある。「メラトマニア」は驚くほ どユニークなアルバムであり、「ジャズ・フュージョン」に対する一般的な態 度をかなり思い切って変えることになるかもしれない。これは単なる「プログ レ・キラー」であるだけではない。この作品は冒頭から最後の一音まで信じら れないほど革新的である。伝統的な作品構成に対して5音の東方の要素を移入 するというアプローチでさえも。一言で言えば傑作である。付け加えるなら ば、次のアルバムでグループ・セラピーがプログレの「第五の」ジャンルのバ ンドとなっても驚きではないと述べておこう。(そのジャンルとは目下のとこ ろ、プログレの最初の4つのジャンルのどれにも当てはまらない音楽の演奏家 のためにふさわしいジャンルである)

ヴィタリ・メンシコフ
プログレッサー (ウズベキスタン)  2001年12月15日
日本語訳:北田裕幸


"Progressor" http://www.progressor.net/

  Expose
グループ・セラピー / アトランティス (Mellow Records MMP 356, 1998, CD)

グループ・セラピーは日本のバンドで7人編成(2本のギター、フルート、ドラムス、 ベース、ソプラノサックス、トロンボーン)のオール・インスト・バンドである。彼 らの音楽は、多くの部分でメロウなザッパ・スタイルのジャズ・グルーヴを持ってい る。いくらかのセクションでサックスとトロンボーンがあまりにも調が外れているの で(ホーンが互いに外れてもいるし、他の楽器にも外れている)、彼らが故意にそう しているのではないかと思ってしまうだろう!真剣にやっているのである!後半のい くらかのトラックではましになってはいるが、アルバムの最初の2トラック、 「ニュー・ソングNo.2」と「クイーンズ・オブ・アンセット」を聴くと、グループ・ セラピーはある種のマイクロトーナルの実験を行っているのだと、はっきりと言える であろう。ホーンプレイヤーが時々1人で演奏しているセクションの方が遥かに良 い。すべての曲はギタリストの北田裕幸によって書かれ、ホーンとギターを主にソロ 楽器としてフィーチュアしている。ベースとドラムスはたいてい単調である。フルー トがもっと現れて来ないのが非常に残念である。全体として、曲にはディヴィッド・ サンボーン・サンディ・モーニング・ラジオ・ショウ程度の質はある。曲それ自体が 新たな分野に踏み込むようなもというより、ソロイストのための演奏の場である。こ の絶えず調の外れているホーンプレイヤーを克服でき(私には出来ないが)、メロウ なジャズフュージョンが好みなら、あなたのための1枚になるかもしれない。

マイク・グライムス
エクスポゼ(アメリカ) 19号 2000年5月
日本語訳:北田裕幸


"Expose Progressive Music web site" http://www.expose.org/expo-nl.html

 Acid Attack Music
Group Therapy - Digitalive (Japan Cdr 00)

Interesting 3-track demo from Japan apparently recorded live. What we have here is very proficient jazz progressive fusion type thing and nothing like the music that I usually listen to out of Japan (the Boredoms, Merzbow, etc.yes it gets quite loud in these here parts!). All three tracks clock up at over 9 minutes and so recurring themes and motifs are given ample time to develop and shine through. About the closest I can describe the sound of this combo is by harking back to the days of Brand x and later to Loose Tubes and that style of big sounding jazz tinged compositions. The individual musicians are all excellent, each taking solos and doing them very well. The overall effect is of a complex music that will reward further listening.



"Acid Attack Music" http://freespace.virgin.net/martin.jones10/info.htm

 Eclectic Earwig Reviews
Group Therapy: Atlantis (CD, 43:46); Mellow Records, MMP 356, 1998

10 words or less: Dissonant, groove-based Fusion by Japanese ensemble

Elaboration: The Japanese are quite eclectic when it comes to progressive music, approaching it from all angles. Group Therapy's approach is much more on the Jazz side of Fusion than say, their more famous countrymen Kenso.

This CD kicks off with the short, high-energy tune "New Song No.2". Composed in 5/4 this tune features some nice slap/pluck Bass and dissonant Horns. Track two, "Queens of Ansett" is a smoother piece with a Jazz/Funk groove. After the theme is presented with the dissonant Horns again at the forefront, we are treated to a fine electric Guitar solo followed by an 'out there' Sax solo and then a fine Trumpet solo. "Return of Doyo Wide Gekijyo" is a mello Jazz piece with a slight build and release in the middle. "The Hope" is another Jazz/Funk groove with a fine Guitar solo. "Visions in the Mirror Parts 1 & 2" starts off quite upbeat. Still in the Jazz/Funk vein, this one is a bit more exciting and the Horns are in key this time. The apparent transition to part 2 gets mello with the cymbal and slap/pluck Bass providing the rhythm, then it picks up again with a short Guitar solo and longer Sax solo. The album's closer is "Atlantis Parts 1,2,3,4 & 5". Clocking in at over 14 minutes, this starts off with a smooth Guitar riff over High Hat and Bass rhythm that soon includes a Guitar solo played through an interesting sound effect. Sax and trumpet then take over with a call and answer solo section. The next section starts with a subtle slap/pluck Bassline and Horn riff giving way to mellow Keys and then a nice wah wah effect comes in with the Flute and Drums . . . cool here. The next section is in 5/4 with a smokin' Guitar solo which gives way to a short Sax solo and then a short Trumpet solo; all coming together for the closing riff.

Overall, this is an interesting Fusion album from Japan but it's nothing to write home about. ~ L Perez



"E.E.R." http://www.geocities.com/trogotagel/

 Progressor
Group Therapy (Japan) - 2000 - "Digitalive" (34 min, "GT")

34 minutes of playing time are already corresponding to conception of the full-length (live) album, but surely, "Digitalive" is a kind of demo or pre-production material, as in reality Hiroyuki Kitada is planning to release the official second Group Therapy album sometime next year.

There are 2 new compositions of three in all on "Digitalive", and the old one is the titletrack of Group Therapy's previous work (please read the review Here). It is still clear, Atlantis was a central piece (in spite of originally this is the last track on the album), a real nucleus and undoubtedly the best track on the band's debut album. Need to say, some arrangements on its live performance are quite different from the same studio ones, and so on the whole, "Digitalive" has its own specific sound from the beginning to the end. Add here that none of the three pieces, presented on the album, sounds less than 10 minutes, but that's the main thing, each of these pieces has its own as if personal sound (ie structures), while their basic stylistics marvellouslly remains within the framework of already familiar very original view on Jazz-Fusion, created by the band called Group Therapy.

Melatomania was already composed a bit different way than any of "Atlantis" compositions, including Atlantis itself. The only thing - the development of improvisations, but not improvisations themselves - a bit reminds me of early Soft Machine, or to say more correctly, of their improvisational manner, which is very harmonius with basic themes, though, at the same time you can feel some avant-garde motives. Qualitatively I can compare this one to Atlantis - as you read above, this was the best composition (IMHO) by Group Therapy until now. So, we already have on "Digitalive" two best pieces ever created by this Japanese band.

But... hands up, all the lovers of Progressive Jazz-Fusion! Incidents in Damascus is such a thing, which can easily intrance you! Do you like long and complex compositions with a typical Eastern flavour? Then please recall at least such a famous song as Kasmir by Led Zeppelin still is. Incidents in Damascus, however, structurally and stylistically has nothing to do with the aforementioned one. First of all, Incidents consists of a purely Arabic flavour (not Indian!) - absolutely in compliance with its whole title, ie since these Incidents "have place" exactly in Damascus (of Syria). But please listen to me now (and I believe most of my readers believe me as (more or less, but) really objective reviewer - I hope so): Incident in Damascus, IMO, is the best "Eastern composition" ever created in the history of Rock music in general. Not only the lovers of Jazz-Fusion, but also "traditional" prog- heads will love it, as they find there all the "progressive things" they love - diverse themes, complex arrangements, time signatures, excellent interplays between both guitarists and saxophonist, wonderful solos, and after all, a unique Eastern flavour, especially in the first half of this exceptionally original / thematically really all-out piece.

To carry on the way of composing / arranging / performing of Incident in Damascus - with keeping that unforgettable Eastern flavour in each composition - what I'd recommend the bandleader and composer Hiroyuki-Sahn Kitada in the future - already in preparation the other new material for the second full-length studio GT album, which of course, must contain Incident in Damascus. But, anyway, watching the band's development, I can say already now - listen to this band: you will hear a lot about Group Therapy soon!

VM. August 16, 2000



"Progressor" http://www.progressor.net/

 PRR通信
グループ・セラピー / アトランティス

大阪で活動する"グループ・セラピー"の1stアルバム。 サウンド的には4thや5thの頃のソフト・マシーン、またマイク・スターンとジョン・スコフィールドのツイン・ギターだった頃のマイルス・ディヴィスを思わせる。 ツイン・ギター(シンセ・ギター)にトロンボーン、ソプラノ・サックスと言う編成で、ジャズ・フュージョンからロックへアプローチしたジャズ・ロックを聴かせる。 ロックをベースにしたものが多いこの手の音楽の中では異色だが、是非聴いてみてください。

鈴木光基(P.R.R 関西)
PRR通信 No.15 1999年10月


"P.R.R." http://www02.so-net.ne.jp/~prr/

 Acid Attack Music
グループ・セラピー / アトランティス

最初の結成は10年前に溯る日本のバンドのデビューCDである。 中心となって活動してきたのは、コンポーザーでリード・ギタリストである バンドリーダーの北田裕幸である。 グループ・セラピーは、複雑に各種の要素の混ざり合ったモダン・インストウルメ ンタル・ジャズ・フュージョンを演奏している。(ジャズ・フュージョンの すべてが色々な要素を混ぜ合わせてるとは限らないだろう?)
バンドは英国人の6弦ベース奏者、マシュー・オズボーンを含む6人で編成されており、 その音楽はロックとトラディショナルなジャズのアイディアの混合物である。 ラストの14分を超えるタイトルトラックを入れ、6トラック44分に及ぶ。 サックスとトロンボーンを広範囲に使用していることにより、 このアルバム全体にジャズの香りが漂っている。バンドのプレイは タイトかつ様々の要素の入り組んだものであり、各曲は十分にまとまり がとれ、時として、ジャズが失いつつあるものを、私は見出すのである。 これは本当の「モダン・ジャズ」であり、「モダン・ジャズ」の オーディエンスのためのアルバムである。

アシッド・アタック・ミュージック (イギリス) 1999年8月
日本語訳:北田裕幸


"Acid Attack Music" http://freespace.virgin.net/martin.jones10/info.htm

 Progression Magazine
グループ・セラピーという日本のバンドは1989年に活動を始め、ベーシストの東京への移転により、3年後に活動を停止し、95年に北田裕幸の手により再結成。 「アトランティス」が彼らのファーストアルバムである。

最初の印象は有能ではあるが、比較的経験の浅いミュージシャンが、煮え切らない「ジャズ・ファンク」を演奏しているように感じた。 しかし聴きつづけるうちに、私の混乱した頭の中のクモの巣が晴れ、ジャズ・ファンクのみならず、ダブ(*)、ニューエイジ、アヴァン・ギャルド・ジャズ、さらにはサイケデリックの要素を含んだ、アレンジのひねられた大変興味深いミュージシャンの演奏であると、はっきりと理解できた。

このアルバムでの基本的アプローチは、偉大な「アート・アンサンブル・オブ・シカゴ」のサックス奏者であるロスコー・ミッチェルを想像させると同時に、オール・インストゥルメンタルの「タワー・オブ・パワー」を思い起こさせた。曲調が非常に調和の取れている中で、時として現れる不調和 −それは主にトロンボーンとソプラノサックスから来るものであるが− が興味深い味つけとなっている。「弾頭」のようなキャンディが、一口目のすっぱさで口の中を襲うのが、次第に甘くなっていくように、味わえば味わうほど、このアルバムのカラーはやさしい色合いを帯びてくるのである。

「クイーンズ・オブ・アンセット」での辻伸吾のドリーミーでフランジャーのかかったリズム・ギターの上に繰り広げられる北田裕幸の点描画法のようなギターソロはCDの多くのハイライトのうちの1つである。ドラマー、向淳志は繊細で冷静であると同時に、ファンクとジャズの息吹を感じさせる。ベーシストのマシュー・オズボーンは「セインフェルド」のテーマを聴いたことのあるものなら、誰にでも親しみのもてるエレクトリック・トーンを用い、音の中をヘビのように進んでいく。

14分のタイトル・トラックはのこぎりの歯のように鋭い北田のギターソロで始まり、五十嵐と井上による同時のソロによる対話へとムードが変わる。北田が穏やかなギター・シンセで曲を覆ったのち、斎藤舞歌のフルートへ突入する。このあたりでは、ワウワウ・ギターが躍り出、グループの70年代の魂との同化が前面に押し出されるのである。

不思議にも、「アトランティス」は偉大なるサン・ラのアルバムと同じタイトルであり、グループ・セラピーのデビュー作は、サン・ラの70年代のアルバム、「ランドキディティ」以降の最も特徴のあるアルバムのうちの1枚である。

親しみやすいメロディーを繰り返すことによる催眠作用も持ち合わせており、サン・ラ、ジェイムス・ブラッド・ウルマー、パスポート、オーネット・コールマンのプライム・タイムのファンは要チェックである。佳作である。


ラリー・ナイ
プログレッション (アメリカ) 1999年春夏号
日本語訳:北田裕幸
 Progressor
グループ・セラピー 1999 アトランティス

非常にシリアスで印象的な日本のコンテンポラリー・ジャズ・フュージョンである。 ビリー・コブハムの「ウォーニング」(1983年)に幾分 似通ったものがあるが、彼らの音楽には独自の様式と オリジナリティーがある。表現豊かなブラスセクション とリズムセクションの上にバンドリーダー北田の巧みな ギターソロが展開される。アルバムのベストトラックは 疑う事なく、15分に及ぶタイトルソングの大作、「アトランティス」 である。優れたデビュー作である。

ヴィタリ・メンシコフ
プログレッサー (ウズベキスタン)  1999年5月
日本語訳:北田裕幸


"Progressor" http://www.progressor.net/

 

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