Illegal Stills / Stephen Stills |
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COLUMBIA : CK 34148 |
CBS移籍第二弾がこの『イリーガル・スティルス』です。残念ながら日本でCD化はされたことがないようです。輸入盤でしたら比較的楽に入手できます。 ビンにスティルス印のラベルが貼ってあるジャケットのデザインは、スティルス本人の発案だそうです。ラベルには「A STRONG BLEND」「HILL COUNTRY'S BEST」「OUR FOUNDER BOTTLED IN JARS」と書かれています。 このアルバムではスティルス・バンドのメンバー、ドニー・ダッカスが前作『スティルス/孤高の世界』('75)より前面に出ています。全て共作ですが5曲にダッカスの名前があります。驚くべきは(2)で、当時のスティルスの奥さんのヴェロニク・サクソンとドニー・ダッカスの共作です。その他にもダッカスは(2)と(7)でスティルスとボーカルを分け合っているほか、(9)ではリード・ボーカルを取っています。 一方アルバム収録10曲中スティルスの単独名義の曲はわずかに3曲。共作5曲、カバー1曲、前記ヴェロニク&ドニー作が1曲となっていて、スティルス単独名義のアルバムですが『スティルス&ダッカス』または『スティルス・バンド』といった感じかします。 前作との大きな違いは、全体的にラテン風味な曲が多いのですが、特にモロ「ラテン色」の強い(4)と(8)のような曲が収録されていることでしょうか。マナサス以上にラテン色豊かです。スティルスならではと言った感じがします。特に(8)ではバイリンガルなスティルスを久々に聴けます。 前作に続いてまたもニール・ヤングの代表曲(5)をカバーしています。オリジナルよりロック色を強めて、ラテンの調味料を少々加えた作りになっています。個人的には本家ニール・ヤングのオリジナルよりスティルスのカバーの方が好きだったりします。 嬉しいのは(6)でスティルスが久々にアコースティック・ギターを演奏してしていることです。2分弱の短い曲ですが『唯一無比』まさにスティルスです。
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