Stephen Stills - Mannasas / Down The Road |
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east west japan : AMCY-2699 |
マナサスの2ndにして最後のアルバムがこの『ダウン・ザ・ロード』です。 日本盤CDは発売されていますが、店頭は勿論ネット通販でも見かけなくなりました。 輸入盤だったら容易に入手することが出来ると思います。 さてこの『ダウン・ザ・ロード』ですが、1曲目はアルバムからのファースト・シングルでスライド・ギターが鋭い♪Isn't It About Time [邦題:もうゆるせない]で幕を開けます。53位のヒットを記録しています。 マナサスの1stと比べると、明らかに音が変わっています。これはこれで「あり」だと思います。しかしこの曲。エンディングが手拍子(ハンズクラップ)でフェイドアウトしていくので、個人的には「もうちょっとなんとかならないかな・・」と思ってしまいます。勿体なく思います。 クリス・ヒルマン作の(2)[邦題:嘘]は、彼自身がボーカルを取り、スライド・ギターが(1)からの流れを感じさせます。 (3)はスティルスお得意のラテンナンバー。この曲の作者はスティルスとESCOTO。誰だか不明です。何故名前をあかさないのでしょう?? (4)ではクリス・ヒルマンとスティルスの共作で、ヒルマン寄りの作風。つまりカントリーです。ゆったりと時間が流れていきます。 (5)はスティルス作。1stの『マナサス』の流れを感じます。スティルス流のブルースを感じさせます。 (6)はカントリーですね。スティルスらしい曲ではないと思いますが、ヒルマンの影響なのでしょうか? タイトル曲の(7)は、ブルージーでスティルスのボーカルも渋く決めています。この曲でもスライド・ギターがポイントになります。良い味を出していると思います。 (8)はピアノのイントロを聴くと「あれ?ストーンズかな?」(♪レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー)と思ってしまいます。(笑) 1stでビル・ワイマンがゲストだったのが少しは影響しているのでしょうか? (9)[邦題:すてきなヴェロニク]は、これまたスティルスお得意のラテン・ナンバー。ジョー・ララとの共作です。結婚したばかりのヴェロニク・サクソンの事を歌った曲です。スティルスは好きな人が出来るとすぐ曲にしますね。(笑) 好きなラテンのナンバーで、好きな人のことを歌うのですからミュージシャン冥利に尽きることでしょう。 このアルバムの最後を飾る(9)は、ベースのカルヴィンン・サミュエルズとの共作。この曲でもポイントはやはりスライド・ギターになるのでしょうか。曲自体は単調なのですが、曲を引き締める役割を十分果たしていると思います。 このアルバムはスティルスの作品の中で評価が低いですが、個人的には(そんなに)悪い出来だとは思いません。ただマナサスというバンドとして聴いた場合、1stと比べてしまうとバラツキがあり、ラテン色が強くなってしまった為リスナーを戸惑わせた原因になってしまったと思います。 マナサスの1stにあった聞く側を引き寄せるような強烈な吸引力を感じません。 スティルスのギターもボーカルも前作と比較すると、あまり全面に出ていません。1曲1曲は悪くはないかもしれませんが、1stが強烈でこのアルバムの1曲目もそれを予感させながら、ラテン調の曲が多くなっている分、盛り上がりに欠けるのでしょうか? 前作でもロック、ブルース、ラテン、カントリーなどさまざななタイプの曲がありました。今作も同じようなコンセプトなのですが、「1枚のアルバムとしてのまとまり」を感じさせません。 ゲスト参加のジョー・ウォッシュのスライド・ギターばかりが目立つアルバムになってますねぇ。。 先にも書きましたが、アルバム単位で聴くとスティルスの味というのが薄いのが残念です。
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