譜面台の陰から
>右手の親指を考えてみる<
◆左手の研究(クリック!)
◆右手の研究(クリック!)
左右の親指を考えるということを以前に書いた。
おもに演奏上の話だったと思うが、
今回は緊張するということから考えてみたいと思う。
人前で演奏するということは、
ギターにかかわらず何の楽器でも緊張するということがある。
これは楽器を演奏するものにっとって非常に悩ましいことであって、
できれば緊張することなく思うがまま演奏してみたいものだ・・・、
と、常日頃考えることではないかと思う。
では、アマチュアの楽器演奏者が人前に出て、
全く緊張もせずに弾けるかろ言うと、
これはまず不可能といったほうがよい。
実力相応また少し上くらいのレベルの曲に挑戦する時に、
何も感じないで演奏することはまず不可能だし、
緊張するのが当然ということになる。
どうしたら緊張せずに演奏できるのだろうか・・・。
緊張せずに演奏できる方法というのは完璧にないのだろうか・・・。
基本的には緊張せずに演奏することは完璧にない・・・、
と言って言いすぎではないと思う。
緊張するということを前提に受け入れてしまったほうが得策のようだ。
しかし、人間受け入れただけでただ手をこまねいていてもこれまた仕方がない。
緊張による演奏の破たんをどう最小限に防ぐことができるのか・・・。
これは一考してもいいことだしいろいろ勉強にもなることだと思う。
あきらめてしまっては人間何事も前進はしないわけだから、
一つ一つ考えてみたいと思う。
左右の押さえる左手、弦を弾く右手。
一番演奏の最前線にいるこの指先を考えてみたいと思う。
まず実際に弦に触れる右手の指についてですが、
これは考えられないほど微妙なものだと思う。
そして緊張するとダイレクトに震える指でもある。
これも我慢して抑えるということは誰しもすることだが、
予備的に練習して何とか最小限に抑えることはできないだろうか・・・。
ここでひとつ大きなポイントが隠されていると思う。
指が震える状況というのは基本的に手に力が入っている状況で起こると思う。
力が入らなければ弾けないではないかということもあるのですが、
必要以上は必要ないということでもある・・・。
では、まず何に手をつけたらいいのだろうか、
ズバリ一番考えなければいけないのは親指の問題だと思う。
右手が弾きにくくなる最大の原因は、
親指が弾いているうちに弾く位置を大きく変化させた時、
これが一番ほかの指に大きな影響を与える。
影響を与えるということは、
i、m、aの各指の弦を弾く位置を変えてしまうということだ。
これによっていつの間にか右手が弾きにくくなっているということがあると思う。
これが緊張した状況のななかで起こるとどういうことになるだろうか・・・。
考えると恐ろしい状況が想像できて、
すでにこの段階で緊張してきてしまう・・・。
ではなぜ親指の位置が変ってしまうのだろうかということがある。
一番簡単な結論は基本練習の時にサボったということだろう。
これを一言で言ってしまっては全くもともこもないわけだが、
ここでも基本練習の重要性はやはり無視できないということだ。
しかし、どんなに基本練習を積んだとしても、
緊張した状態で舞台で演奏していれば影響がないとも言えない・・・。
力が入ってしまえば親指の弾く位置というのは簡単に動いてしまう。
ここまでくるといやに親指にこだわっているのがわかると思う。
右手の震えというのは実は親指にかかわっていることが多い。
位置が変わってしむというのも一つだが、
それ以上に無用な力が入りすぎてしまうということだ。
親指というのは、i、m、aに比べてメロディーを弾くということが少ない分だけ、
意識外に置かれてることが多いと思う。
親指というのは太い張力の大きい低音弦を弾くだけに大きな力が加わっている。
i、m、aの圧力の何倍もあるだろう。
意識している以上に巨大な力が加わっていると考えたほうがよさそうだ。
親指に力が加わっているということは、
i、m、aにもその指にかかる力以上に力が加わっていると考えたほうがよさそうだ。
この親指の力を弾いたあと瞬時に抜くことができれば、
次に出てくるi、m、aの指の力も抜けるのではないか・・・。
そうなれば余分の力が抜けた分だけ動きはよくなるのではないか・・・。
実際にトレーニングをして実行してみると、
これが意外なほどの効果があらわれた。
きわめてi、m、aの動きが軽くなるのだ。
特にできなかった速さに指の動きがついていける感覚には驚いた。
緊張した時現れる右指の震えについては、
この親指の力を抜くということが意外な効果を上げるかもしれない。
しかし、いくら力を抜いたところで、
爪の長さが合っていないと結局なんにもならない・・・。
爪が長すぎると弦に対する圧力が大きくなりすぎて、
無用な力みが出るもんだと思う。
短すぎると全く引っかかりがなくなってしまって、
これまた力が入る結果になるだろう。
親指の爪というのは意外なほど微妙だということだ。
自分にとっての演奏に対して都合のよい親指の爪を研究するのは、
無駄な時間を過ごすということにはならないと思う。
右手の要が親指であるということを考えると、
いわゆるPの指の研究はもっと慎重になされていいと思う。
Pの指次第でほかの指の動きも格段によくなると思う。
Pの指は右手全体に与える影響は大だと言わざるをえない。
どうして緊張するんだろうと考えるより、
緊張するのは当然!!
では緊張した状況からどう指をコントロールしていくか、
これを考えたほうが実際には役に立ちそうだ。
このトレーニングは毎日の基本練習の中に、
取り入れていくことができるかどうかがカギになりそうだ。
思い出したようにやってもほとんど何の効果もないと思われる。
そうなればまた、どうして緊張するんだろうという思いに戻るだけで、
同じ思考軌道から一歩も出ることはできないだろう・・・。
やはり楽器演奏というのは、
考えてるよりも実行することが、
より演奏レベルを上げることは間違いなさそうだ。
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