譜面台の陰から





                           >音符を読む<





 生徒の方とのよく話題に出る話に、

「音符を読めるようになりますか?」

というのがある。

この問いに答える時、

こちらのイメージはある程度決まっていて、

どこがドとかミとかソとかというイメージで、

必ず読めるようになりますと答える。

実際ある程度段階を踏んでいけば、

これは誰でも読めるようになる。

しかし、もっと音符を詳しく見てみると、

実は、ドとかレとかが、

どこかということではなくて、

どのくらいの長さかをも含まれている。


 これはもっと深いく見てみる必要がありそうだ。

音符というのは見ての通り五線の上に書かれていて、

丸い球がどこの線の上、

またどことどこの線の間かで呼び方が決まってくる。

五本の線だと足りないと下線が加わって、

その線の上とか下とかでまた呼び方が決まってくる。

五線の上というのは音の高さを示していて、

上にいくほど高い音になっていく。

下に行くほど高くなるということはなくて、

これは低くなっていく。

その高さをギターの弦とフレットで紡いでメロディーにしていく。

 しかし、ここで一つ重要なことを付け加えないと、

実はメロディーにはなっていかない。

それは長さということになる。

メロディーというのは短い時間の経過と、

長い時間の経過の種類を組み合わせてできている。

簡単に言えばいろんな長さの音符が、

組み合わさってメロディーになっていくということだ。

それに先に書いた高さが加えられて、

一つのメロディーが成立していく。


 音符には棒がついている。

これが実は音符の長さに密接の関係している。

楽譜を見ると必ず棒がついている。

某がついてない白抜きの球もあるが、

これももちろん棒がないことによって時間の長さを表している。

いわゆる全音符というやつだ。

 音符というのは黒玉と白抜きの玉に棒がついて長さが示される。

棒には旗がついていて、

さらに細かい時間を区切りを示している。


 要するに音符というのは高さという縦軸と、

長さ(時間の経過)という二つの状況が含まれているということだ。

二つと言い切ってしまうとそれだけかという話も出てきそうだが、

とりあえずここではこの二つということにこだわってみたい。


 実は音の高さというのは、

五線があることによって目で見ることができる。

その音の高さをギターの弦とフレットで具体化することができる。

そこで音を鳴らしてみて低いな高いなと判別してるわけだ。

ところが先に書いたように音符は棒と旗によって長さも示している。

全音符、二分音符、四分音符、八分音符、十六分音符・・・。

全部倍数で呼び名がついている。

これに符点をつけたり三つに分割したりしてさらに細かく長さを区切っていく、

三つに分割することを三連ぷと呼んでるわけだが、

これは二分の一で割り切れない。

割り切れない微妙な長さの変化を表しているといえる。


 このようにくどくど書くと、

またなにがなんだかわからなくしていくようなものだが、

もっと簡単、簡潔に言えば、

音符というのは高さだけじゃなくて、

長さもあらわしているということだ。

実はこの長さというのは目では見ることができない。

だから音符が読めるというのは、

この高さと長さを理解して初めて読めるといえる。

高さだけ読んで読めると思っている人が多いのではないだろうか・・・。

実は長さが分からなければ読めるということにはならない。

しかし、ここで重要なことは長さは目で見ることができないという事実だ。

では、どうやってこの長さを判断していけばいいのかということになる。

これは感覚という人間の持っている感性に頼ることになる。

この長さの感覚を鍛えていくにはどうしたらいいかという話になる。

これは当然方ながら法論が出てこないといけないと思う。

 
 当然ながら時間の流れというのは目で見ることはできない。

だから感覚でということになるのだが、

この感覚とて何の目安もなければ鍛えることもできない。

この目安というのは一定の時間を区切るものがあれば、

いわゆる長さの目安は付けることができるということだ。

たとえばミの音を持続音で鳴らして、

それを正確に別の音で間を区切って鳴らせば、

区切られた時間の長さというのは感覚的に理解することができる。

ためしに声を出してメトロノームを鳴らしてみてほしい。

カチカチという音に伸ばしてる声が、

区切られていくのが分かると思う。

この区切る音を長くしたり短くしたりすると、

単純な同じ間隔で区切っていたものに長短の変化が生まれると思う。

この変化を棒と旗で表しているのが音符だ。

これに高さを加えると一つのメロディーになって聴こえてくる。

ここで実はアンサンブルというものの重要性が出てくる。

 
 複数のギターで合奏をするということは、

めちゃくちゃに鳴らすのでなければ、

メロディーがあってそれを伴奏するということがある。

もちろんアンサンブルというのもいろんな形態があるのは当然だが、

ここではメロディーを単純に伴奏するということにしたい。

単純にメロディーを和音でいわゆるズンチャッチャとやれば、

それはメロディーを区切っていることになると思う。

これによって音符の長短を感覚的にとらえることができると思う。

これを繰り返すことによって、

感覚として長さの区切りを感じることができれば、

音符の長さが理解できるようになるのではないかと思う。

そうすれば高さと長さの組み合わせで音符が読めるようになり、

より楽器を弾くときの自由度が高くなるのではないかと思う。

 音符を読むということが、

ほとんどの場合高さだけを読んで止まってるのではないかと思う。

You Tubeに頼るばかりでなく、

縦軸と横軸で音符が読めるようになれば、

より自分の音楽世界を広げられるのではないかと思う。





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