譜面台の陰から





                        >なにを得ていくのか<






 発表会まであと二週間をきりました。

リハーサル会も終わり、

最終的な調整という段階での練習に入っていると思う。

リハーサル会での緊張度は、

実際の本番での演奏にはプラスにはたらくと思う。

もう一段発表会までの練習ポイントが絞れた気がしましたが、

いかかがでしょうか・・・。


 さて、以前にも発表会で何を見て聴くか、

ということは書いたと思いますが、

重複するところはそれだけ重要として読んでいただきたい。

 発表会というものはただ何となくいると、

結構退屈極まりないところがあると思う。

なにしろ始まりから終わりまで何時間もあるわけだから、

ただ座って聞いているというのも結構拷問という気がする。

これは見方、聴き方で、

天国と地獄の違いがある典型な空間だと思う。


 人間というものは、

「なぜ」と「なるほど」でものを聞くと、

意外なほどその対象物に対して集中力を発揮する。

逆に漠然と対象物に向かうと、

これまたいいかげん睡魔との戦いとなる。

漠然という状態は集中力が緩慢になった状態だから、

当然睡眠中枢が表に出てくる。

このへんはだいたい誰しも共通していると思う。

それが良いとか悪いとかは論議の対象とはしない・・・。

 逆に「なぜ」「なるほど」の疑問と解決に対しては、

感性は鋭くなっていくものだと思う。

「なぜ」という疑問をもってその対象物に向かった時に、

「なるほど」の解決を導き出そうとするのが人間だと思う。

そうでないとその人間自体が前進しないからだ。

前進していかないということは生存すら脅かしかねない。

そのへんは感覚として人間は持っていると思う

ここの部分は人間誰しも共通してることだと思う。


 ここで言いたいのは、

「なぜ」「なるほど」の疑問、解決の意識を持って、

発表会に臨んでほしいということだ。

自分の演奏自体に対してもその意識は重要だと思う。

さらにその意識をほかの演奏者に対しても、

しっかりと持って、見てそして聴くなら、

大きな成果を得ることができると思う。


 発表会というものは、

まだギター演奏を始めて間もない曲から、

プロのコンサートで弾かれるような曲が、

何曲も演奏される。

もちろん弾き手もまだ初心者の方からベテランまで様々だ。

聞いたことがある曲、初めて聞く曲、弾いてみたいと思う曲。

とにかくポピュラーから弾き語り、クラシックまで、

千差万別の曲が演奏される。

これだけの演奏が一同に集まるのは発表会だけだろう。

この演奏レベルも様々なところで、

「なぜ」「なるほど」の意識を持って聴くことが出来たら、

その情報量というのは長大なものとなると思う。

生徒の皆さんと自分との差といえば、

この「なぜ」「なるほど」で蓄えた情報量の差といっていいと思う。

今回で39回目でその1回目から関わってきてるわけだから、

当然といえば当然なわけだが、

この間も「なぜ」「なるほど」がなければ、

知識と情報の両方の蓄積もなかったと思う。

そのくらいギター演奏に関しての情報に溢れているのが、

発表会というものだろう・・・。


 では、何に対して、

「なぜ」「なるほど」を持って対したらいいのか、

ただ漠然と「なぜ」「なるほど」をもってと言われても、

ただ漠然とするだけだと思う。

やはりここはポイントを絞りたい。

やはり一番のポイントは弾きだされるテンポだと思う。

なぜそのテンポで弾かれるとその結果が出てくるのか・・・。

演奏というのは偶然というのは、ほぼないから、

ここのところは非常に重要だと思う。

演奏するときの姿勢もその対象に入れたいことの一つだ。

ここまで何度か書いてきた、

左手、右手の状況も観察すると面白いかもしれない・・・。

それぞれが観察し合うと「なぜ」「なるほど」の数も増えると思う。

いろいろな曲の情報を仕入れるのも、

この時が一番効率がいいと思う・・・。

幅広いレベルの曲を一気に知ることができるのは、

曲の情報を増やすには大きいチャンスともいえる。

「なぜ」「なるほど」の目で見ていくと、

たくさんのことが前進させられそうだということはわかると思う。

自らの演奏についても「なぜ」「なるほど」で観察すると、

新たな発見があると思う。

自分で自分を発見していくということも、

こういう機会だからこそのことではないかと思う・・・。





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