譜面台の陰から
>第36回発表会後記<
第36回発表会が7月18日、土曜日に無事終了いたしました。
出演者の皆さん、お手伝いいただいたみなさん、
本当にお疲れ様でした。
お手伝いいただいた方達には重ねてお礼申し上げます。
もう今日で三週間ほどが過ぎました。
まだ演奏した気分というのは、
生々しく残っていると思います。
これから夏休みもありまた気分を入れ替えて、
練習していきたいと考えています。
今回の発表会の特徴は、
いつもに比べると回数を重ねてきた人が、
比較的多かったということでしょうか・・・。
3回以上の経験者もかなりいたかと思います。
プログラムを見るとそれがよく表れていて、
中級以上と思われる曲が半数以上でした。
それに伴い演奏時間も長くなり、
いつもながら以上のマラソン発表会となりました。
ギター曲でも代表的な曲が、
多く演奏されたということだと思います。
今回特によかったと思われる点があります。
ひとつはやりなおした演奏が全くなかったこと、
ミスがなかったということはないのですが、
最後の和音までしっかり弾けていたこと、
これはこれだけの出演人数がいた事を考えると、
稀有なことだと思います。
一人一人が実力相応な曲を演奏していれば、
それは理解できるのですが、
全員今現在の実力より若干上の曲にチャレンジしています。
その状況の中ですべての人が演奏のやり直しをせずに、
ミスを乗り越えて最後の和音をしっかり弾けた意義は、
かなり大きいと思います。
緊張するということをどうするかということは、
ずいぶん話題にのぼりましたが、
緊張のあまり破錠してしまうという演奏は、
今回は心配したほど表には出ませんでした。
もちろん演奏している本人は、
目標を高く持っているのもちろんで、
二つ三つのミスでもおおきなシミのように、
強く意識の中に残ったとは思います。
これも当然のことでそのくらいの目標を持たなければ、
これだけの演奏はできないということでもあるわけで、
以前にも書いた通り60〜70パーセントで合格となるわけです。
目標が低ければ演奏の質はさらに落ちるものであり、
こちらが考えるレベルまでは達しないということもあるわけです。
どれだけ目標を高く持って練習に臨んで演奏するかは、
結果において大きな別れ道となります。
その意味での演奏結果は大いに満足できるものだったと思います。
やはり以前にも書いたことですが、
演奏をやり直すというのは流れている時間を、
止めで戻そうとする行為ですから、
聴いているほうにはかなりのストレスを呼び起すもんだといえます。
これはミスをする以上に失敗演奏という印象を残します。
今回はそれがなかったということです。
そこで日頃からやり直しを強く否定してるわけです。
音の弾き間違い、弦の弾き間違い、フレットの押さえ間違い、
ギターはフレットがあり、しかも多弦楽器です。
これをまったくノーミスで弾くというのは並大抵ではありません。
まして発表会は大勢の目が見つめているわけです。
ここで全くミスをせず演奏するというのは不可能だと思います。
ミスを恐れるより形が崩れるのを恐れるということがあります。
曲というのはテンポとリズムで聞こえてくる、
といって間違いないようです。
曲の形を崩す最大の原因はこの二つが、
規則性を破壊してしまった時に起こります。
テンポが急に早くなったり逆に遅くなったり、
付点が付点でなくなったり音符が本来の長さを守れなかったり、
こういうことが繰り返されると、
その曲は形が崩れてしまったと言えるわけです。
途中若干のミスがあったとしても、
このテンポリズムがしっかり守れて最後の和音までたどり着ければ、
聴いた後の印象はしっかり弾けていたとなるわけです。
言えばもっといろいろ細かくはあると思いますが、
大きくつかんで言えばこれに集約されると思います。
このあたりを踏まえて今回の発表会を見まわしてみると、
形が崩れてしまった演奏というのは皆無だったと思えるわけです。
演奏するテンポの設定、
曲の選定など各個人ごとにはうまくいったということです。
無理な選曲をしているとそこに破錠が起こるもんです。
発表会というの上達の成果を問う場であり、
練習の成果を問う場でもあります。
今回は特に演奏後にほろうを必要とする演奏もなく、
一人一人自分のレベルをよくこなしたと思います。
今回特に追加したかったことにアンサンブルがあります。
時間を考えると非常に厳しい状況ではありましたが、
短めの曲を選びだしてなんとか組み入れることができました。
子供達には何とかアンサンブルの経験をさせたいと思っており、
三重奏という形で組み入れることができました。
一般の大人の方たちにも、
できるだけアンサンブルに参加していただきたいと思い、
大合奏という形で演奏することができました。
ほかに二重奏という形もありかなりの人数を、
アンサンブルに参加させることができたのではないかと思っています。
アンサンブルというのはギターが持つ一つの世界であり、
比較的ギターでは気軽に楽しめるという特徴があります。
コミュニケーションという意味でも、
もっと積極的に取り入れたいと考えてはいます。
今夏発表会で上げることのできた個々のレベルを、
是非次につなげていけるように、
より練習していきたいと思います。
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