〜エッセイ〜
〜コンクールに挑戦!!〜(3)
予選通過の通知が来てから本選までの3ヶ月間、と言うよりも、
今回のコンクール参加に関しては年明けから課題曲の練習を始めたわけですから、
正確に言うと10ヶ月間、ギター漬けの毎日が続きました。
殆ど一年掛かりです。「よくイヤにならずに…」とお思いでしょうが、さすがに参りました。
同じ曲ばかり弾いて途中で飽きたりもしました。
でも参加費は払ってしまったし、9月に入るとチラシが送られてきて、
それには参加者の名前と本選の自由曲名がずらりと載っているのです。
これを見てしまったら棄権するわけにはいきません。
しかも払ってしまった参加費が返って来る事はないので無駄になってしまいます。
それにこのコンクールには私の友人も参加する事になっていたので、
ここで棄権するのはちょっと悔しい気もします。
本選に残れる確立はまずありえないので、
とにかく審査員の先生方を前にしてステージの上でどれだけ演奏できるのか、
度胸試しのつもりでやるしかない。少なくとも一緒に出る友人よりもいい演奏をしたいと思うようにしました。
日にちが迫ってくるにしたがって、緊張感も増してきました。
先生のレッスンも毎回気が抜けない状態で普段よりも厳しいチェックが入ります。
直前にはイヤな夢まで見る始末…。
それでもたまには仕事の帰りにコンサートを聴きに行ったりして、
ストレスを解消しながら何とか練習を続け、本番当日を迎えました。
その日はうす曇の10月の日曜日でした。
忘れ物がないように荷物をチェックして、永田町の星陵会館に向かいました。
今は、半蔵門線が南栗橋まで開通しているので、
私の住んでいる千駄木から永田町までは便利になりましたが、
その頃はまだ永田町止まりでアクセスが悪く、
千代田線の日比谷から地下通路を通って有楽町線に乗り換えて行ったような気がします。
午前10時くらいに会場に入り、受付を済ませて控え室に行くと、
もうすでに何人かの人たちが楽器を出して練習を始めています。
ピリピリした雰囲気さえある部屋の中に入っていくのにはちょっとためらうものがありましたが、
そんな事言っている場合ではありません。私も空いている席に座って楽器を取り出し、音階練習を始めました。
しばらくすると、ホールに集合するようにとの進行係の呼びかけあり、全員が移動しました。
ホールの入り口には、
入賞者に贈られる賞状や記念品(手工ギターや油絵、リヤドロの陶器等)が並べられています。
全員がホールに入って着席するとまず出欠がとられ、応募者40人中数人の棄権者がありました。
そのあと、演奏順を決めるための抽選があり、私は確か20番台くらいだったと思います。
「なんだか微妙な数字を引いちゃったなぁ…」と思いつつも、「1番じゃなくてよかった」と少しホッとしたり…。
全員の抽選が終ったところでステージの上で足台の調整をして控え室に戻り、
進行係が呼びに来るまでひたすら練習です。 ただ、自分の練習のみ!!
〜第五回スペインギターコンクールプログラム〜
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