エッセイ
♪♪♪古楽の世界へ♪♪♪
〜カウンター・テナーの魅力−(1)〜
クラシック・ギターを始めてからリュート音楽やリュート伴奏歌曲を聴くようになり、
そこである時出合ったのが、カウンター・テナーと言う歌手の演奏でした。
カウンター・テナーとは男声の裏声(ファルセット)のみで歌う歌唱法です。
バリトン歌手が多いようですが、
バリトンが裏声で歌うとちょうど女声のアルトの音域になるそうです。
裏声のみで歌うなんで考えただけでかなり苦しそうですが、
なぜそのような歌唱法が存在するのか。
その話をする前に、
「カストラート」と言われた歌手の話を簡単にしておきましょう。
カストラート(castrato)とは、イタリア語で<去勢された>という意味で、
ここでは子供の時に去勢された男性歌手の事を言います。
彼等は8歳から10歳くらいの間に去勢されて、
歌手になるための訓練を受けたそうです。
大人になっても声変わりせず、
声域は女性のソプラノやアルトとほぼ同じくらいですが、
概して女性よりも声域が広く、声にも艶があったと伝えられています。
カストラートは古代エジプトやペルシャから存在していたようですが、
特殊な歌手の養成を目的として去勢が行なわれるようになったのは、
12世紀のスペインであったと言われています。
その後彼らは女人禁制の教会で、
重唱や合唱のミサ曲等の高音域を担当する歌い手として働くようになりました。
ただ、それらの声部の担い手として、
カストラートとは別に、
ファルセット歌手(カウンター・テナー)も存在していたようです。
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