エッセイ
♪♪♪古楽の世界へ♪♪♪
〜古楽を聴くキッカケになった事−4〜
作曲された当時のスタイルで音楽が聴ける事の楽しみ…。
結局、古楽の魅力はここにあるのではないかと思います。
それはレコードやCDでももちろん感じる事はできるのですが、
私はこれだけでは満足する事ができずに、
最近では直接コンサート会場に足を運ぶようになってしまいましたが…。
でも実際コンサートに行ってみると、
当然ですがCDで聴く以上に収穫がある事がわかります。
まず、音の違い。
始めに記したようにピッチがかなり低いため響きも少々地味な感じに聴こえます。
でも、この地味な響きとヴィヴラートを最小限に押さえた演奏法が、
ピュアな響きとなって(私はそう感じます)、聴く者を癒してくれます。
それに珍しい形の楽器群と中世を意識した演奏家たちの衣装や演出が、
ビジュアル的にも十分に楽しめて、
コンサートの度に「今回は何をやってくれるのか」とワクワクさせられます。
以前お茶ノ水のカザルスホールで行なわれた、
ロンドンの「グローブ座の音楽家たち」の来日公演では、
クラウン(道化師)のコントやジャグリングのステージもあり、
シェークスピアの時代のイギリスを彷彿とさせるその内容に、
興奮させられた思い出があります。
また、私の大好きな声楽アンサンブル、
「クレマン・ジャヌカン・アンサンブル」の公演では、
ネーデルランド(今のオランダ)の作曲家ジョスカン・デ・プレの「はかり知れない悲しみ」
という曲が演奏されたのですが、そのリュート伴奏部分が何と!、
ギターではおなじみのナルバエスの「皇帝の歌」そのものであったと言う事に驚きました。
何でもそうですが、
何かをやろうとした時に物事の「本来の姿」や経緯を知っているのと知らないのとでは、
理解度に格段の差が出てきます。
私は決してプロの音楽家ではないので、
単にギターを楽しむという事であれば、
何もここまでのめり込む必要はなかったはずなのですが、
上手くなりたいが為に「本当はどうなの?」が芽生えて来て、
そこから自然と世界が広がって行ったような気がします。
古楽の世界を知ることで「本来の姿」を知る事の大切さを知ったように思います。
声楽アンサンブルの話が出ましたので、
次回は古楽のもう一つの魅力である、「カウンター・テナー」のお話をしたいと思います。
(今回資料として、アレグロ・ミュージック・ホームページ、
〜「古楽とは?」を参考にさせていただきました。)
URL:http//www.allegromusic.co.jp/