エッセイ
♪♪♪古楽の世界へ♪♪♪
〜古楽を聴くキッカケになった事−3〜
そして、今ギターで弾かれているバロックやルネサンスの曲のほとんどは、
このリュートの曲であると言う話を聞き、
「これはギターとリュートの聴き比べをしてみたら、
面白いかも知れない」と思うようになりました。
当時まだ中学生だった私にとってレコードは、
高嶺の花だったのでなかなか買う事はできず、
家から15分ほどのところにあった、
レコードを貸し出ししている図書館に行って、
ギター音楽とリュート音楽のレコードを借りてくる事にしました。
思えば中学、高校と図書館に行っては、
レコードを借りて聴いていたような気がします、
(それはギターやリュートに限らず、あらゆる音楽のレコードでした)。
親からは「図書館に行って本を借りて来ないとは本末転倒だ」と言われましたが、
そんな事はお構い無しでした。
学校に通っている頃から20代に掛けてが一番音楽に対して貪欲でした。
リュートのレコードを聴くうちに、
リュート伴奏歌曲やリュートを含めた他楽器のアンサンブルがある事を知り、
リュートが入っている物なら何でも聴いてみようという気持ちが起こり、
少しずつ古楽アンサンブル等も聴くようになりました。
中でもダウランドのリュート歌曲は、
ギター独奏用に編曲されている物が多いので、
その曲の本来の姿がわかるようで興味深いものでした。
特に名曲「涙のパヴァーヌ」はリュート歌曲ではもちろんの事、
古楽アンサンブルの形式やギターとリコーダーとの録音等もあるため、
いろいろな演奏で楽しむ事ができました。
古楽アンサンブルのレコードには、
使用楽器の写真が載せられている物もあるので、
見た目でも楽しむ事ができ、
今スピーカーから流れて来ている音楽が、
かつては宮中や貴族の館で演奏されていたんだろうと思うと、
何とも言えない優雅な気持ちになるのでした。