エッセイ
♪♪♪古楽の世界へ♪♪♪
〜古楽を聴くキッカケになった事−2〜
リュートの起源は、中近東のウードという楽器から変化した物で、
それが中世に吟遊詩人等によりヨーロッパに渡り、
中世ルネッサンスからバロック時代にかけて大流行した楽器です。
マンドリンを大きくした様な形をしていて弦は1弦がシングル、
他はマンドリンの様にダブルになっていて、ルネサンス・リュートで5コース、
バロック・リュートで7コースから11コースあり、
サウンド・ホールには繊細で美しい透かし彫りが施してあります。
よくルネサンス時代の宗教画などで、
天使がリュートを弾いている図があるために「高貴な楽器」とされ、
特に貴族の間ではリュートを弾く事がステイタスとされていた事もありました。
ビウェラは今私たちが弾いているクラシック・ギターの前身とも言える楽器です。
今のギターに比べると、ボディも薄く弦長も短く、
弦はやはり複弦の5コースで楽器本体には美しい装飾が施されていて、
サウンド・ホールには繊細な彫刻が施された円錐形の筒の様な物がはめられています。
演奏する時はストラップを使用します。
当時の芸術家は(音楽家も画家も)宮廷か教会に仕える事が普通で、
それはリュート奏者やビウェラ奏者も例外ではありませんでした。
そういった宮廷楽師の中でも有名な音楽家は誕生するもので、
特にイギリス王家に仕えたリュート奏者ジョン・ダウランド、
ドイツのリュート奏者S・L・ヴァイス、スペインのビウェラ奏者ルイス・ミラン、
ディエゴ・ピサドール、ルイス・デ・ナルバエス等の名は広く知れ渡っていたようです。
こういったリュートやビウェラの音楽家の曲はのちにクラシック・ギター用に編曲され、
現在クラシック・ギターを弾く者にとって大事なレパートリーとなっています。
ギターを習い始めると当然ギター音楽を聴く事になり、
編曲されたリュートやビウェラの曲も耳に入る事になります。
当時NHK教育番組で放送されていた「ギターを弾こう」という番組で、
たまたま佐藤豊彦さんというリュート奏者、
(今はオランダのハーグの音楽院で教授活動をしています)が、
ゲスト出演した事があって、その時初めてリュートと言う楽器を目にし、
ギター音楽とリュートの関係を知りました。
たくさんの弦が張ってあるリュートは何やらとても難しそうな楽器に見えました。
音量はギターよりも小さく、音はギターとよく似てはいますが耳を凝らしてよく聴いてみると、
ギターよりもっと乾いたような硬いような感じがして、
その中にも何か懐かしさを感じるとでも言うのでしょうか、
遥か遠い古(いにしえ)の世界を思わせるような音でした。
それに加えて楽器本体の優雅な姿に惹かれ、
私はいっぺんにリュートという楽器のファンになってしまいました。
(今回資料として、アレグロ・ミュージック・ホームページ〜
「古楽とは?」を参考にさせていただきました。)
URL:http//www.allegromusic.co.jp/