エッセイ
♪♪♪♪♪私の楽器物語り(8)♪♪♪♪♪
いつもそうなのですが、
楽器購入が決まると「気が変わらないうちに…」という事もあるのでしょうが、
トントン拍子に話が決まって、
次のレッスンの時には、
楽器店の担当者が楽器と契約書をスタジオに持って来ます。
もちろんこちらもそれなりの支度をして行くわけですが、
実を言うとこの時点ではまだ自分の中に「迷い」がある事が多いのです。
確かに決して安い買い物をするわけではないので、
「迷わず、決めた!!」とはなかなか行きません。
特にその頃は私の周りでも、
世間で言うこところの「嫁入り」なる行事を、
執り行う人たちが発生し始めた頃だったので、
「こんな事していていいのかな…」と、
ちょっとは血迷った考えを起こしたりした事もありましたが…。
でも「音楽をする」事は私の昔からの夢でしたし、
しかも今回は特別なチャンスが目の前にあるわけです。
ここで周囲に振り回されて、
折角のチャンスを棒に振ってしまうような事はしたくはありません。
今回購入を決めたホセ・ラミレスは、
表面版は米杉、横と裏板はハカランダ、弦長は650mmで、
専用ケースにはケースカバーとストラップが付いていて、
カバーのポケットには「Jose Ramirez」のロゴが入っています。
ボディはハウザーに比べると少し大きい感じがしましたが、
左手は押さえやすく音もそれほど苦労しなくとも出てくれそうな感じです。
表面版に杉を使用しているため、
ハウザーの厳格な音に比べると甘く明るい音質で、
いかにも「スペインの楽器」と言うイメージです。
これでアルベニスやグラナドスを演奏したら、バッチリ決まりそうです!!(^-^)v
今回は購入時に他の楽器を下取りに出したわけではないので、
前回購入したハウザーV世とラミレスの2本の楽器を所有する事になりました。
こうなると、スペイン物や南米物はラミレスで、
古典やバロックはハウザーでというように、
演奏する曲によって楽器の使い分けができるようになります。
何とも贅沢な話です・・・・・。
コンクールにマスター・クラス、演奏活動と、私のギター熱は止まるところを知りません。
アンサンブルの練習にも新しい楽器を持って行くと、「また買ったのぉ?」と、皆呆れています。
ここまで来るとほとんど「ビョーキ」と思われたかもしれません。
思えばこの頃は何とかして自分の世界を確固たる物にしたいと、
躍起になっていた時期でもありました。
2度目のスペイン旅行に行ったのもこの年で(1度目はその6年ほど前)、
20代の最後の年を閉めくくるに相応しい本当に充実した1年を過ごしたと、
今振り返ってもそう思います。
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