エッセイ
♪♪♪♪♪私の楽器物語り(13)♪♪♪♪♪
演奏活動もこの頃から他楽器とのアンサンブルが加わったりと、
前にも増して中身の濃いものになって来ていました。
ソロの曲も、もう楽器は1本しかないのでバロック、
古典派、スペイン物、ブラジル音楽と、
その時自分が弾きたいと思った曲を弾いて行きました。
アンサンブルの仲間やいつもコンサートに誘ってくれるギター仲間の中には、
見れば楽器が違う事がわかる人たちもいて、
聞かれる度に「(楽器が)出世したのよ。」などと冗談を言ったり…。
こうして7年くらい経った頃でしょうか。
ちょうど神奈川ギター・フェスティバル参加に向けて、
マラッツの「スペイン・セレナーデ」を練習していた時です。
中間部から冒頭のフレーズに戻る際の音階を弾いていた時、
高音弦のハイポジションで突然「スコーン!!」と抜けるような音が鳴ったのです。
「ん!何?」と思い、ハイポジションだけ適当にアポヤンドしてみたら、
やはり「スコーン!!」と気持ちがいいほど抜ける音が…。
「そうか!!この音か!!」
遂にハウザー特有の「抜けのいい音」が出てくれたのです。\(^o^)/〜♪
先生の話だと、ある日突然いい音が出だすのだそうです。
その時が7年目でやっと来たのです。
それからというもの、
ハイポジションの音を出すのが楽しくて楽しくて…!!
演奏していて「ここぞ!!」という所で思い通りの音が出てくれると、
本当に気持ちがいいものです。
そして楽器購入から10年…。
私の宝物はソロ、重奏、室内楽と今が一番活躍してくれています。
音響のいいホールで演奏すると抜けのいい高音と重低音が本当によく響いてくれて、
ホール全体が鳴っているように感じます。
演奏を聴いてくれた人から「音がいい」と言われると、
本当に嬉しいです!!。