天語り アマガタリ |
イカロス・春日野・陽溜り・移りゆくもの・漣(さざなみ)・星ねずみ・月の光る丘・お伽話 |
イカロス 旅立つための翼なら遠い昔にたたんだ 貴女と巡り会えたときめきの日々の中に 夢を追いかける振りをして 飛び去ることはもう二度とないだろう 空に憧れも 夢にさすらいの風が吹く事もないけれど 貴女を守るために 愛が傷つかないように 広げた大きな翼がある 遠い昔鳥達は空を飛ぶためでなく 愛を暖めるために無垢な羽根に覆われた 初めて飛んだ空の高みで 太陽を愛しく目指しただろうか 舞い上がる心が 無垢な翼を育て続ける 恐れもないままに 貴女に身を焦がし 翼を溶けるに任せた 向こう見ずな恋に堕ちていく イカロス 夢を追いかける振りをして 飛び去ることはもう二度とないだろう 貴女を守るために 愛が傷つかないように 広げた大きな翼 貴女に身を焦がし 翼を溶けるに任せた 向こう見ずな恋に堕ちていく イカロス |
|
春日野 蓮華の花を摘む指で 私の心奏でましょう 幼い春に覚えた 無邪気さで 夢吹く貴方に届くよう 綿毛に心託しましょう 光差す春の野原を覚えてますか 光差す春の野原で待っています |
|
陽溜り 君の歩幅で移ろう景色に流れる時間は ゆっくりと夢を紡いで回る糸車のようさ 花びらを風がそっと摘みあげる瞬間に 二人の季節が立ち止まった いつもそばにいるよ 僕のそばにいてよ 心寄り添わせているだけでいい 僕らは見ていた 小さな陽溜りに いとしい思い出達が舞い集い合うのを 届かない夜を手繰り寄せよう 変わろうとする心より早く変わってく世界で いつか躓かないように足下ばかり見てる 何気ない一言でふいに目の前が開けて 明日へ風と馴染んでいく 僕の足跡の隙間を君だけが分かってくれる 君が涙を集める夜にも触れていたいから いつもそばにいるよ 僕のそばにいてよ 心寄り添わせているだけでいい 僕らは知っている はかない約束が いつかささやかな夢に摩り替ることを そばにいるよ そばにいてよ・・・ |
|
移りゆくもの 移りゆく不確かな形のないもの だから繋ぎ止めてはおけないもの 淋しさは何処から 愛の去った夜から はがゆさは何処へ すれ違った言葉へ 抗う心捨てきれずに 遠くで見つめている 柔らかなぬくもりに包まれた時間を 穏やかな笑顔が溢れる夜を 求めてやまぬ筈なのに・・・ 思い出を振りほどき忘れ去ることで 新しい出会いを重ねて行くだけで 生まれ変わろうというのなら 心は枯れていくね 暖かい雨に潤うように 雨上りの木漏れ日に踊りだすように 移ろう景色のそれぞれに 時を膨らませたい 気付かぬうちに心は一人立ちしてる 移りゆく不確かな形のないもの だから繋ぎ止めてはおけないもの 移りゆく不確かな形のないもの だから繋ぎ止めてはいけないもの |
|
漣(さざなみ) 波止場の波間にきらめくイルミネーション 夢色に夜を飾る 闇に隠された水平線 目を凝らす 彼方へと想いが飛ぶ 夢と僕を乗せた小舟が 君の胸を漂っている 標なき海に帆を揚げて 互いに岸辺を求め続ける 終わりなき愛の羅針盤 密かに星明り夢路を導け 行き先のない愛でも 幸せになれるさ 揺れる水面に広がる思い出に 浮かんだ月滲んでいく きっと強くなれる 君となら 積み上げた時を味方に ささやかな日々の喜びを 漣にして君に送る 標なき海に帆を揚げて 互いに岸辺を求め続ける 終わりなき愛の羅針盤 密かに星明り夢路を導け 約束のない愛でも 幸せに出来るさ 標なき海に帆を揚げて 互いに岸辺を求め続ける 終わりなき愛の羅針盤 密かに星明り夢路を導け 行き先のない愛でも 幸せになれるさ |
|
星ねずみ 虹を潜った少年や大海を跨いだ男の話を 今夜の君に聞かせたい 憂いごとに今を奪われぬよう 歴史に埋もれた魔法使いや星空を渡ったねずみの事を 今夜の僕は思い続ける 折り合いをつけた夢の代わりに 削ぎ落としてきたやんちゃな絵心や ポケットに捻じ込んだ抗い達を忘れはしない 時代の上に足を投げ出した 荒唐無稽な夢は夢らしくあればいい 大切なことは分かっている筈 力を取り戻して迎えに行くよ 虹を潜った少年や大海を跨いだ男の話を 歴史に埋もれた魔法使いや星空を渡ったねずみの事を |
|
月の光る丘 さよならは夜に溶けて君は空を見ていたね 月の光浴びて君はとても綺麗だ 突然に黙り込む君の肩を抱けなくて 滲んでる街の灯をただ僕は見ていた 夢から覚めることなく誰もが歩き続ける ただ一度だけ微笑んだ月を追いかけて 夢から覚めることなく僕も歩き続ける 星の降る夜は夢で逢いたい 眠れない夜は明けて一日がまた動き出す 君のいない道を僕は辿り始める 夏草は高く伸びて通り雨を待っている 何一つなかったように青く空は晴れてる 夢から覚めることなく誰もが歩き続ける ただ一度だけ微笑んだ月を追いかけて 夢から覚めることなく君も歩き続ける 星の降る夜は夢で逢いたい はしゃぐ君の笑う声がこだまして聞こえる 曲がりくねる道は続く 月の光る丘に さよならは夜に溶けて君は空を見ていたね 星の降る夜はせめて夢で君と逢いたい |
|
お伽噺 野良猫の足取りで忍び来る夜 鈍色に帰りたがるひとり 情熱の足跡に切り抜いた窓 寄り添って夢見たいふたり 間違い探しに疲れた心のまま 泣き濡れた夜に届く唄で君を包みたい 欠けない月の下をお伽噺に綴られてふたり 春風の気まぐれに旅立つ綿毛 帰る夜を失くしたひとり 徒花(あだばな)の気休めに傷ついた胸 今日の日を求め合うふたり 陽溜まりの夢で手をとった日から 泣き濡れた夜に届く唄で君を包みたい 枯れない薔薇を胸にお伽噺に綴られてふたり |