70's
アメリカのドラマに熱く胸を焦がした
新しい波はみんな 海を超えてやってきた
時代を背負った者たちは漢字かかげた
不感症の僕達は 横文字を身につけた
自由を求めることで不自由を認めた
テレもなくおおらかに 愛が街をおおってた
うつうつととりとめなくて明日は見えなかった
ジーパンをひきずって そんな時代を愛した
手に入れた憧れは今も
この胸にときめいているさ
昔話で終わらない
時を超えて語りかけてくる
繰り返すことはない 大きな流れに身を任し
なりたいものになればいい 自分で解き放て
アメリカのドラマに熱く胸を焦がした
新しい波はみんな 海を超えてやってきた
SLEEPY TIME BLUES
ただほんの少し疲れただけ すぐに飛んで行く
星の地図を確かめるように 窓辺でつぶやいた
お伽噺はもう消えてしまったね
ここへおいで 君と僕のsleepy time blues
道しるべと行き先ぐらい ちゃんと分かってる
そっぽ向いた迷子の目が 風に震えてた
明日の話は夢でも聞けるから
ここへおいで 君と僕のsleepy time blues
もっと遠い国 新しい街へ 行ってみるつもり
くたびれた羽根つくろうように 髪をとかしてた
渡り鳥ならもう帰ってしまったよ
ここへおいで 君と僕のsleepy time blues
エール
例えばただ雨としか印せない一日に
束ねた憂鬱の波が押し寄せても
夢の宿り主 君が 俯いてしまわないように
不器用でも精一杯の 元気を出そう
ゆっくりこぼれてく 笑顔取り戻して
気に入った自分で 今を縁取ろう
泣いたり笑ったりの繰り返しだけれど
二度と来ない日々を愛しく思うよ
足りないもの何かを 数えてばかりいないで
夢中になれるひとつを 追いかければいい
上手に生きなくていい 求め続ければいい
うなづいてくれる誰か きっと現われるさ
ゆっくり溢れてく 思い抱きしめて
閉じこもった季節の扉を叩こう
泣いたり笑ったりの繰り返しだけれど
二度と来ない日々を愛しく思うよ
しゃぼん玉
しゃぼん玉に膨らんだ 愛しているよ
勢いに任せ 空に浮かべた
季節を巡らせ 君の目の前に
くるくる光って 君を誘った
透明に色褪せた 景色の向こうに
煌めく時間を 君は見つけた
しゃぼん玉に膨らんだ 愛しているよ
言葉尻から 歪んで消えた
バランスシート
失くしたものは何 手に入れたものは何
バランスシートを 無理矢理チャラにしてる
それでなだめられる程に 心はしたたかじゃない
胸のつかえ 気の疲れ
云いたい事 やりたい事
みんなみんなぶちまけて ぶちまけて
抱えきれない夜を背負わないで
浅い息して暮らすな 片隅に追いやるな
深い意味など持たすな 夢を追い詰めるな
愛した人は誰 愛してくれた人は
思いもよらぬ人の 心に逃げ込んだ
夜をやり過ごす為に 心は目隠ししてる
胸の惑い 気の迷い
飲み込んだ言葉 わだかまり
みんなみんな吐き出して 吐き出して
諦めきれぬ夜を見捨てないで
寒い春に踊るな こんなもんじゃないだろう
熱い胸を語る時 駆け引きを持ち出すな
浅い息して暮らすな 片隅に追いやるな
深い意味など持たすな 夢を追い詰めるな
手ぎつね
手ぎつねが話す物語に笑う
手ぎつねが唄う子守唄に眠る
指を丸めてついておいで
大ぎつね子ぎつね 仲良く夢の中
遠い国から来たんです 君に会いに来たんです
恥ずかしがりやの親父代わりに 僕がお道化て話します
君の最初の友達は ぬいぐるみではなく僕でした
僕の口を小さな手で 初めて塞いだのは君です
添い寝の夜のお伽噺の 語り手はいつも僕でした
でも手うさぎが現れてから 悪役はいつも僕です
絵本の筋をまぜっ返して 作り替えたのは僕でした
高笑いする僕に腹を立て 絵本をぶつけたのは君です
指をからめて ひと暴れ
手ぎつね手うさぎ ほどけて仲直り
あれから幾年いまはもう 話し相手はいないけど
僕はずっと君の胸の奥にとどまっているのです
いつか君の手を借りて またこの世に生まれます
大きくなった君の手から 小さな君に話しかけます
手ぎつねが話す物語に笑う
手ぎつねが唄う子守唄に眠る
指を丸めてついておいで
親ぎつね仔ぎつね 仲良く夢の中
君を見ていたい
離れてから君をさまよう
昨日の面影につまずかぬよう
遠い街並み 沈む夕陽や
茜に染まった 言葉達そのままに
振り返らずに君を見ていたい
少しだけ街を覚えた
君を頼ってばかりいたけど
通りの移ろい 川面に浮かべて
思い出まとめて 街が流れていく
立ち止まらずに君を見ていたい
チェシャ猫
君が肩を震わせている チェシャ猫の笑みを忘れてる
夢見る力信じて 物語りを進めなきゃ
悲しみに暮れるひとときも 思い出に負けそうな夜も
晴れ舞台を引き立てる ささやかなひとコマだろう
ほほえみを 残して消えた
あの猫のように きままで無邪気な
素顔の君を知っているよ 移ろいに首を傾げていた
不思議の国の枝から 笑顔ふりまいていて
青空の君を待っているよ どこまでも広がって行く
猫の目に映る世界の それからを聞かせて
猫の目に映る明日の 物語りを聞かせて
デジタル
泣いた記憶さえ 遠い昔のよう
古ぼけたカウンターにいつものように並んだ
口元笑ってる 瞳揺らいでる
何か云いたそうに 君が恋してる
無難にまとめた心なんてつまらない
恋の行方は私にも分からない
デジタルに燃える 後先のない恋模様
夢中になれる今だけを愛して
つのる思いは 届かないから
一か八かなりゆきに任せて
壊れものなら 壊してしまえ
ややこしいかけひき 柔な恋はしない
運命めかした出会いなんて信じない
通り過ぎてく心でもかまわない
デジタルに変わる 季節のない恋景色
夢中になれる今だけを信じて
軌跡
かなわないと分かっていても まだ夢を見ている
走り出したらきっと 壊れるまで止まらない
熱い季節の名残りか 余威に燻る胸
時をかけて削ぎ落とす 憂いだけが残った
降りなずむ胸震わす ドーナツ盤の夢
誰か口ずさめばもう 泣き出してしまいそうさ
変わらないと信じてた 君を巡る思い
いつか変わるって云った 言葉打ち消したけど
何処に忘れてきたのか 飾りなきときめき
巡り会い すれ違い 別ればかり刻まれる
洗い晒しと不精髪 飢えた心のまま
歩き続けた日々 お気に入りの足跡
キャリーオン
御免今日は一人の影と話してた
気まずさに君を置いてきぼりにして
二つ並んだ夢はどちらか重たくて
消えそうな一つばかり見ていた
初めて跳んだ日々を覚えているかい
しびれっぱなしの胸忘れられない
今の俺がこんなに夢中になれるのも
あの頃の夢をひきずっているからさ
海に帰って 故郷(くに)に帰って 漁師をつぐと
淋しく笑っていたあいつ 土に帰った
ここにいるぞ 生きているぞ 鳴り止まぬ蝉時雨
あふるる命をがなり続けた
足取りの確かさを推し量るものは
溜め息や涙しかないんだろうか
唄い飛ばした日々が明け方襲ってくる
青臭い言葉にもう一度うなづいた
行き場のない 跳べない 逃げられない やりきれない夜に
時代遅れの夢 したたかにほくそ笑む
青い空を縫って ボロ靴で 歩き倒した道に
長く落とした影 今に続いてる
日に褪せた街が肌に馴染むから
見知らぬ旅人も心踊るから
繋いだ手と手を離さずに
何ひとつ捨てずに抱えていくさ
はばたき
セピア色に暮れてく 柔らかな憧れだ
誰の声も聞こえない さすらいも届かない
いつの間に心は 居心地のいいままに
黄昏れていくことを 受け入れてしまった
ふさぎ込んでいる内 年老いてしまうだろう
いつか見た大きな 鳥は何処をさまよう
君の瞳の奥に 羽音忍ばせて
涙背中合わせに 夢が煌めいている
夢語れ 涙語れ 言葉は今羽を持ったよ
長い夜になりそう 君が大きくなる
誰の胸にも鳥は 必ず訪れて
戸惑いと涙と力を与えてくれる
今つぶやいていたね 素敵なことだと思うよ
もっと大きな声で 続き聞かせておくれ
夢語れ 涙語れ 言葉は今羽を持ったよ
君の声が聞きたい 飛び立つ夜に向けて
SWEET ヒッチハイカー
きっと素敵な夢を見てるんだろ 君の寝顔がほころぶ
話し疲れたの? ふいに声が消えた途端に
「はしゃぎそびれたわ」 群れにはぐれてポツリ夜に浮かんでた
「月を見ていたの 笑いかけてるみたいだわ」
無邪気なヒッチハイカー お前は 行き先も告げずに
心に飛び乗ってきた ひらり
この夜を ふたり語り通り過ぎるよ
明日の朝には この旅も終わる 君は日常に消えてく
心地よいけだるさと 甘くやっかいな思いを残して
無邪気なヒッチハイカー お前は 行き先も告げずに
心に飛び乗ってきた ひらり
この夜を ふたり語り通り過ぎるよ
紫陽花
ずぶぬれで飛び込んできた 軒下の猫と同じ
雲行きが怪しくなっても 降られるまで認めない
分かってるんでしょう 引き止めても
素直な胸 君についてこないのは
雨に色付く紫陽花が 今年もまた花をつけたよ
繰り返す恋の夢は 君を強くするよ
流されていくことだけが 運命だとは思わない
長過ぎた春はいくつも 夢を咲かせてきたけれど
やり残した事も いっぱいあったわ
同じ景色じゃ 新しい何も生まれない
赤に移ろう紫陽花が ほのかな青を残すよう
揺れ動く恋心は 君を綺麗にするよ
ワルツ
夢を数え 眠りなさい
指折り ひとつひとつ思いを飛ばして
手の中には 今 明日がある
思い出に悪戯されぬ間に 眠りなさい
つらい恋に 枯れた笑顔を
取り戻すために 僕は何をすればいい
今の自分が 好きでいられるよう
ラブソングには遠すぎるけど この唄を
差し出す手は 深い眠りに
君をいざなうためにだけ 今はあるのさ
眠りは俯く 季節塗り替えて
恋は陽気な君を いつも待っているから
夢を数え 眠りなさい
指折り ひとつひとつ思いを飛ばして
手の中には 今 未来がある
思い出に悪戯されぬ間に 眠りなさい
まろびねの朝に
朝を配ってまわる光 今日は少し遅めでいいから
まだ昨日が残ってる 砂糖抜きの珈琲でいいかい
余りに速く 時が経つことを
許してしまう 引き止めもせず
朝日に浮かぶ君 もう新しい季節纏ってる
草臥れた時刻表 夢のかけらはここにもある
乗り継ぎのページの旅 何処までも遠く続いてた
あの頃はまだ 時を味方に
君と行くことを 疑いもせず
彼方に揺れる君 まだ夏の海で手招きしてる
目の前で笑う君 今違う時間線の上にいる
フラッパー
そうさ君を止めれる奴なんて何処にもいない
食って掛かって云い負かしてしまうんだろう
自分で答を全部出しちまったあとで
相槌しかない相談なんてないだろう
思い通りにやればいい
沈んだ顔はらしくない
太陽にはじけた 無敵のはねっかえりさ
憎まれ口たたいても 分かってるさ 照れ隠しは
そう君のペースにいつも振り回されてばかり
君のトラブルにいつも巻き込まれてばかり
気が乗らないとそっぽ向いちまう猫みたい
目が離せないってほったらかしはないだろう
相槌打った夢の続きで
僕に何が出来るだろう
太陽にはじけた 無敵のはねっかえりさ
憎まれ口たたいても 分かってるさ 照れ隠しは
だけどいつまでも 君は鳥のままでいいの
翼休めるひまも惜しんでいるみたい
「もっと自由な空がある筈
新しい風を感じていたい」
太陽が育てた ピュアーな天然物さ
悩みの種まき散らす 慣れっこさ 置いてきぼりは
愛は進化している
二人の夢を合わせた 幸せのモンタージュが
どんどん遠退いていくのは何故
はしゃいだ季節のあとで 確かめあうこともなく
言葉数が少なくなるのは何故
愛は進化している ちっともじっとしてない
見つめるだけじゃ 言葉だけじゃ
置いてきぼりを食っちまうのさ
愛しているって云った 俺もそんな気がしてた
瞳そらし 遠くを見るのは何故
愛は進化している もう二人の手には負えない
常識も マニュアルも
何の約にも立ちゃしない
計画よりも思いつきに
約束よりも今この時に
愛は精一杯輝きたいのだ
愛は思いっきり笑いたいのだ
こわれものと扱われた 始まりを背負わされた
愛はそれがやるせなくて 一人歩きをはじめた
形を変えはじめた
愛は進化している 愛は進化している
跳んでる進んだ 関係なんて 足元にも及ばない
愛は進化している 愛は進化している
愛は進化している 愛は進化しているのだ
月明かり
貴女が街を追われた夜も 同じ月を見てた
潮風を纏い見上げた空に やさしい面影が浮かぶ
月日を流れて 季節を歩いて 時を信じてきた
うなづきあって 温めあって 幸せを噛みしめる
遠回りして行こうか
今夜は月が透き通ってる
街の暮らしじゃ計りきれない 贅沢な夢を抱え込む
焦ることはない 夢見ることさ 無邪気に時を塗り潰す
さよならの響き 悲しみが消えた 失うものは何もない
遠い恋唄に 微笑みを添えて もう一度唄ってみようか
遠回りして行こうか
今夜は月が透き通ってる
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