無題

子供の頃、憧れてたもんて大切やなぁと思う。成りたければ何にでも成れるんやでーと、つねづね子供達にも言っている。それで去年の七夕に娘は『大きくなったら可愛いうさぎさんになりたい』と短冊に書いてた。
これにはさすがに頭を抱えたが今年は『ケーキ屋さん』に変わっていたのでほっとした反面、現実的になったなぁと少し淋しい気もする。
 そういえば小学校の時「大きくなったら普通の主婦になりたい」と言っていた友達は現在女医さんになって学会にも出て忙しくしている。この前「結婚は?」って聞いたら「シャーレで培養した菌が恋人や」と応えてた。こんなちょっと普通ではない友達が僕には多いーーーそれで『夢』って奴は友達とか親とか周りの環境に影響されやすいもんやなぁと思った。なにも今の自分を環境のせいにしてしまうのではないけれどぉ ‥‥
  『大きな夢を持ってた/今でも持ち歩いてる/大声で叫んでなくちゃ/暮らしに負けてしまう』
 という情けない詩を唄っていたけれど、今でも大した違いはないーーただ『夢』そのものがコロコロ変わるので暮らしの方が負けている。
 とにかく時間がない、金がないーーーで、やりたい事ばかりやってるから生活が苦しいし長生きしそうにない。 
 詩人もやっていたいし、からくり師も捨て難いし、音楽の方でもバンドだけじゃ物足りない。教師はもういいけど、彫り師は続けたかったなぁ‥‥とにかくじっとしていたくない。夢多きと云えば聞こえがいいけど、こういうのって単に飽きっぽいだけなんかなぁーやっぱり。