音楽史年表


時代別に主な作曲家を中心にまとめています


時代 西暦 主な出来事
中世の音楽 300年  
 ・古代ローマ帝国の末期、ゲルマン民族の大移動、キリスト教布教が行われ、
  各地で生まれた聖歌や古代伝説などの世俗音楽が発生した。

 ・単旋律音楽(ホモフォニー)の発展

400年
500年
 ゲルマン民族の大移動も終わり各地で新国家が成立し、聖歌の統一が始まる 
  (グレゴリア聖歌の編纂の始まり)

600年
 ・
グレゴリア聖歌が大成しそれにともない協会旋法も確立された。
  【教会8旋法】
 ・ドリア旋法    ・フリギア旋法    ・リディア旋法    ・ミクソディア旋法
 ・ヒポドリア旋法 ・ヒポフリギア旋法 ・ヒポリディア旋法 ・ヒポミクソリディア旋法

 ・
多声音楽の始まり(ポリフォニー)
700年
800年  
 ・
多声音楽が発展し初期の定量記譜法も確立する。

900年   ・ミンネジンガー(ドイツ) トルヴェール(北フランス)などの世俗音楽も発生。
1000年
1100年
1200年
1300年
 ・多声音楽のさらなる発展、このころの発展した音楽を『
アルスノヴァ』と呼ぶ
 【このころの主な作曲家】
    ・ギョームド・マショー(フランス)   ・フランチェスコ・ランディーニ(イタリア)

 ・1350年ごろからイギリスの3和音を中心とする音楽が生まれ、その影響から
  ルスノヴァ
』と融合された音楽がきたフランスのブルゴーニュ地方から発生し『ブ
  ルゴーニュ楽派』
呼ばれ、ルネサンスへと時代が移っていく。
  【このころの主な作曲家】
    ・ギョームドファイ       ・ジル・バンジョワ

ルネサンス時代 1400年  
 ・声楽ポリフォニーが中心となって発展した時代である

 ・3声から4声のポリフォニーへと発展していく
 ・北フランスを中心とするフランドル地方で始まりヨーロッパ全土にわたる広範囲発
  展した
フランドル楽派はルネサンス音楽の中心的なものであった。以前はフラン
  ドル楽派の名称を
ネーデルランド楽派と呼んでいた。
 【ルネサンス時代の主な作曲家】
  (前期)
  ・オケゲム
       (1430年頃〜1495年)
  ・オブレハト      (1430年頃〜1505年
  ・ジョスカン・デュプレ
 1450年〜1521年
  (後期)
  ・パレストリーナ    (1525年〜1594年)
  ・ラッスス        (1532年〜1594年)
  ・バード   
      (1543年〜1623年)
  ・ダウランド       (1532年〜1594年)

1500年
バロック時代 1600年
 【声楽】
 ・
イタリアのフィレンツェでカメラータと呼ばれる文学者、音楽家などの集まりが劇
  音楽について試み、モノディ様式(単旋律+伴奏)が生まれ、バロック時代の
オラ
  トリオ、カンタータ、オペラなどに通じる
ものとなった
 ・モンテヴェルディがモノディ様式とポリフォニー音楽の融合と合奏形態を伴奏にし
  たオペラ『オルフェウス』を作曲する
 ・カメラータの一員であるカバァリエリが『魂と肉体の劇』を作曲し後のオラトリオへ
  と通じていった。
 ・アレキサンドロ・スカルラッティがイタリアのナポリで活躍し、急緩急の3部からなる
  イタリア式序曲(シンホォニア)を広め、また、多数の歌劇を生み出した。
 ・神話や武勇伝などを題材とする
正歌劇(オペラ・セリア)ペルゴレージが確立し
  た
喜歌劇(オペラ・ブッファ)が発生する。
 ・ペルゴレージの『奥様になった女中』がきっかけでフランスで
ブフォン論争がおこる
 ・フランスでは
リュリがイタリアオペラを参考とするフランスオペラが確立された
 ・イギリスではパーセルによって歌劇、器楽の分野で多数の作品が生まれる。
 ・ドイツではシュッツにより歌劇が作られた。また、ドイツ語による歌曲をはじめて
  作曲されている。

 【器楽】
 ・トリオソナタやコンチェルトグロッソ(合奏協奏曲)などの新しい形態の器楽曲が
  生まれた
 ・器楽において和声感を持たせるために鍵盤楽器などが和音を演奏する
 『
通奏低音』が現れこの時代の特徴となる
 ・ヴァイオリンが楽器として完成し、
教会ソナタ(緩急緩急)、室内ソナタ(組曲)が
  多く作曲されトリオソナタはコレリによって完成させられた。
 ・タルティーニが『悪魔のトリル』など多数のヴァイオリン曲を作曲する
 ・ヴィバルディーが多数の合奏協奏曲を作曲する
 ・ドイツではラインケン、ブクステフーデなどによってオルガン音楽が発達しバッハ
  への影響も大きく。イタリアではフレスコバルディーやドミニコ・スカルラッティーに
  よる鍵盤音楽が発展する
 ・1685年に
ヘンデルがドイツのハレで生まれた、イギリスに渡り多数のすぐれた
  歌劇、オラトリオや管弦楽曲、合奏協奏曲を作曲した。
 ・ヘンデルと同じ年1685年に
バッハがドイツのアイゼナハに生まれ、オラトリオ、
  カンタータやオルガン曲、器楽曲など傑作を生み出し、1750年に没した。
 ・現在、バッハの没年である1750年をバロック時代の終焉と考えられている。

1700年
1750年
古典時代 1750年
1827年

 ・グルックによるオ歌劇改革が行われた。
 ・クリストフォリによって1709年にピアノが考案され徐々にチェンバロと交替し
  ていった。
 ・18世紀中ごろからマンハイム楽派(マンハイム宮廷で活動した)がシュターミツ
  を中心に活動し古典派の始まりとなっていった。

 ・ソナタ形式が確立していった。
 ・
ハイドン(1732〜1809)が100以上の交響曲や多数の室内楽、オラトリオなど
  作曲する
 ・モーツァルト(1756〜1791)は、古典時代の様式を確立した作曲家で歌劇、
  交響曲 、各種の室内楽、器楽曲などあらゆる分野での音楽に傑作が見られる。
 ・ウェーバー(1786〜1826)は歌劇『魔弾の射手』や『舞踏への勧誘』など作曲し
  次の時代  ロマン派への足がかりとなる。

 ・
ベートーベン(1770〜1827)は、モーツァルトとともに古典派の様式を完成させた
  作曲家で交響曲、序曲、各種のソナタ、などに傑作が見られ、現在、ベートーベ
  ンの没年を古典派の終焉と考えられている。


ロマン派













国民楽派

印象主義









19世紀の音楽


















現代音楽
【20世紀の音楽】

1800年代
 ・形式的な音楽(古典派)から抜け出し、他の芸術の影響などを受けた個人の
  創造する自由な音楽を目指す時代で、
標題音楽絶対音楽のように純音楽
  とロマン派の特徴的な音楽と区別する言葉も生まれた。
   ・ベルリオーズ   (1803〜1869)
   ・メンデルスゾーン (1809〜1847)

   ・ショパン      (1810〜1849)
   ・シューマン     (1810〜1856)
   ・リスト        (1811〜1886)
   ・ヴァーグナー    (1813〜1883)
   ・ヴェルディー    (1813〜1901)

   ・グノー        (1818〜1893)
 ・イタリアでは
ヴェリズモ(現実主義)の歌劇が主流となりヴェルディーが確立する
  一方ドイツではヴァーグナーは音楽と劇を一体とする楽劇を創始した。


【国民学派(民族主義)】
 ・音楽の本質はロマン主義にあるが、作曲家自身の出身の国の民族的な音楽
  の要素を用い西ヨーロッパの伝統的な音楽とは異なる特徴を持っている。

 《ロシア》
   ・グリンカ     
     (1804〜1857)
  
* ロシア5人組
   
・ポロデイン        (1833〜1887)
   
・ムソルグスキー     (1833〜1887)
   
・キュイ           (1835〜1918)
   
・バラキレフ        (1837〜1910)
   ・リムスキー コルサコフ (1844〜1908)
 《北欧》
   ・グリーク          (1843〜1907、ノルウェー)
   ・シベリウス         (1865〜1957、フィンランド)
 《その他》
   ・スメタナ          (1824〜1884、チェコ)
   ・ドヴォルザーク      (1841〜1904、チェコ)
   ・アルベニス        (1860へ〜1909、スペイン)
   ・ファリャ          (
1876〜1946、スペイン)

【印象主義】
   ・ロマン派の特徴である感情的、描写的(他の芸術からの影響)な音楽表現
    から、直感的な感覚を印象的に捕らえた音楽表現名を目指したものが、
    ドヴュッシーを中心とするフランスの作曲家に多く見られるようになった。

   ・ドヴュッシー      (1862〜1918)

【現代音楽】
   ・1つにまとめたはっきりとした定義は難しく、同時代に種類の違う音楽が
    生まれ、また、一人の作曲家でも1つの作風としては解釈できず多様な特
    色が見られる。


 《後期ロマン派》
   ・“後期ロマン派” “近代” “19世紀の音楽”は同じような意味で使われる
    こともあり、ロマン派と現代音楽との転換期を年代的にまた、ロマン派の
    音楽の要素も備えていることから、便宜上使われていることもある。

   ・マーラー           (1860〜1911)
   ・リヒャルト シュトラウス  (1864〜1949)
   ・レーガー           (1873〜1916)

   ・ラフマニノフ         (1873〜1943)

 《フランス音楽》
   ・伝統的な形式に基づきながら、フランスの伝統的な音楽の発展を遂げ
    他国の音楽とは異なるいくつもの要素がある。
   ・フォーレ           (1845〜1928)
   ・サン=サーンス       (1835〜1921)
   ・ラロ              (1823〜1892)
   ・シヤブリエ          (1841〜1894)
   ・デュカス           (1865〜1935)
   ・サティー           (1866〜1925)

 《フランス6人組》
   ・オーリック(1899〜1983)
   ・デュレ(1888〜)
   ・オネゲル(1892〜1955)
   ・ミヨー(1892〜1974)
   ・プーランク(1899〜1963)
   ・タイユフェーユ(1892〜)

 《新古典主義》
  ・ロマン主義の叙情性や標題音楽とは異なる方向性を目指した音楽でブゾー
   ニが提唱した。伝統的な音楽を尊重しバロック時代などの形式を再び用い
   た。ブラームスを中心とした作曲家にも用いることがあるが、主義的な活動
   は見られない。
  ・ヒンデミット        (1895〜1963)
  ・ストラヴィンスキー    (1882〜1971)

 《原始主義》
  ・19世紀の民族主義的音楽をさらに原始的なエネルギーや生命力をもって表
   現しようとする音楽。
  ・ストラヴィンスキー    (1882〜1971)
  ・バルトーク         (1881〜1945)
  ・プロコフィエフ       (1891〜1953)

 《12音主義》
  12音の相互の関係による音列技法から完成された無調的音楽である
  ・シェーンペルク      (1874〜1951)
  ・ヴェーベルン       (1883〜1945)
  ・ベルク           (1885〜1935)

 《神秘主義》
  ・宗教と音楽との一体を図ったり、ロマン的な神秘性を追求した音楽で、和音
   、音列、音階、旋律(語法)に今までとは異なる斬新な特徴がある。
  ・スクリャービン      (1872〜1915)
  ・メシアン          (1908〜1992)

 《20世紀における民族主義的音楽》
  ・ヴィラ=ロボス      (1887〜1959)
  ・バルトーク        (1881〜1945)
  ・ヤナーチェック      (1854〜1928)

 《電子音楽》
  ・シュトックハウゼン    (1928〜)
 《偶然性の音楽》
  ・ゲージ            (1912〜)
 《その他》
  ・武満徹           (1930〜1996)

1900年
2000年