ライブコレクション2001秋 @DRUMLOGOS 2001.9.30
 
CAST: brainwash
      ロッカフラグース
      Velvet Cover
      Sandy Trip
      Marble Tone
       ミズノイロ
            175R
             Four the MG
 
今回の課題:スローバラード※ライブコレクション出演者は毎回課題曲を一曲づつライブで披露することになっています。
 
 
 brainwash
 ギター・ベース・ドラムの3人で作り出す「爆撃音」。そして心の内をざわめかせるような歌詞。ロゴスのような大きなライブハウスで見ると、あらためてbrainwashの秘められた凄さに気づかされます。特に床や壁に近いところにいる時に感じる、重低音が体中を包んでいく感触が病みつきになります。この日のライブでは現在発売中のCDに入っている曲や、最近ライブでよくやっている新曲も聴かせてくれました。普段からライブ回数が多いだけあって、大きなイベントのトップバッターを任せられても堂々としたライブで“洗脳”してくれます。彼らのライブは昨年の暮れから見てきましたが、最近は存在感が増したような気がします。それでも自分達のペースで音楽活動を続ける彼らのこれからの動きが楽しみです。それにしても小乃さんほどセーラー服が似合うベーシストは他にいないだろう・・・・・と私は思う。
 
 ロッカフラグース
 熊本から来た4人組バンドです。このバンドを初めに見た時の印象は「女性ボーカルの爽やか系バンド」でした(メンバーの皆さんは本当に爽やかです)。ですがこのライコレ出演までの半年ほどで力強さ、鋭さ、熱さといった色んな要素をどんどん押し出してきて、本当にかっこいいバンドになったんです。メンバーは普段から優しい方々なんですが、いざライブが始まるとそのパワーに圧倒されます。私はこういうギャップのあるバンド、大好きです。最近は特にコーラスが良くなったと思います。音量やキーも聴いていて心地よさを感じさせるドラム前田さん・ギター日田さんのコーラス。あきよしさんとの声の相性もいいんでは?新曲も出来てきたようですが、爽やかさあり、胸にジーンとくるものありの絶品です。いい仕事してます。
 
 *brainwashとロッカフラグースは「メロアファーム」というインディーズレーベルに所属しています(ライブミュージック福岡にリンク有り)。10月27日吉本ゴールデン劇場で行われるメロアファーム企画イベントVol.2「流線形の空模様」にはメロア熊本からロッカフラグースとガガーリン、福岡のbrainwashが出演します。
 
 Velvet Cover
 9月23日TNCパヴェリアホールで行われたオーディション「ミュージックバトルin百道」で準グランプリを受賞したバンドです。結成して約一年になるという話でしたが、もっと長くやってるんじゃないかと思うほどまとまりのあるかっこいいバンドだと思います。ライブの雰囲気はかなりロックンロールしてますが、MCになるとヴォーカルの方がえらく爽やかな笑顔を見せるのが面白くて、印象に残ってしまいました。自分達のバンド名をタイトルにした曲を作るバンドには久しぶりに出会いましたが、「VelvetCover」は一番彼等らしさを感じる曲だと思いました。課題曲にはJohn Lenonの“LOVE”を選んでました。演奏はいいと思いましたが、英語の発音がいまいちかな〜なんて(笑)。ロックやるならやっぱり英語の発音が良い方がかっこいいですしね。
 
 Sandy Trip
 女性ヴォーカルAYUMIさん、そしてデジタルパーカッション・アコースティックギター・コーラスと何でもこなすKAZUさんによるユニット。アコ祭vol.2にも参加してくれました。この二人のライブはある意味brainwashより洗脳的と言えるでしょう。ロゴスのような空間で見ると益々そう思えます。デジタルパーカッションが生み出すダイナミックな旋律が耳を突き抜けていくと、どこか他所の国に行ったような気分になります。また1曲1曲全然曲風の違うものを次々に繰り出してきて、バンドにはない面白さを感じさせます。色んな曲の雰囲気を楽しんでいる、という感じです。AYUMIさんも曲によって微妙に違う歌声を聴かせてくれます。ビブラートの効いたエスニックな曲、伸びのあるバラード。表現豊かなSandy Tripのライブに夢中になってしまうはず!
 *2ndアルバム“A sign of fortune” 9.30発売!
                
 Marble Tone
 女の子ヴォーカルの4人組バンド。ヴォーカルはかなり小柄で可愛い方なんですが、くるくる動いて声がでかい。なんとなくaikoを思わせます。ところが、そんな彼女の後ろに位置するドラムは、たまにヴォーカルを通り越して注目してしまいたくなるほど個性が強い!割と体格のいいドラマーで、ラストの曲ではドラムなのにグルリとターンし、ドラム壊れるんじゃ?と思うくらい力を込めて「バーン!!」とスティックを振り下ろす。司会の方もびっくりしたようで、「ドラムの彼はあんなふうにいつも1回転するんですか?」という質問をされていました。でもバンドとしてのバランスを考えるなら、やはりヴォーカルの存在感がもう少し欲しいところ。再びこのバンドに出会える日が来たら、その時はヴォーカル、ギター、ベースのメンバーも濃いキャラになってるといいなあ、などと考えてしまいました。
 
 ミズノイロ
 初ライブ以来でしたが、始まった途端びっくりしました。前回はJAJAで今回はロゴスという会場の大きさの違いもあるかもしれませんが、直感的に「前と全然違う!かっこよくなってる!!」と思ったのです。7月の初ライブ以来バンドとしての形が出来てきたということでしょうか。残念ながら結成時のメンバーであるドラムの今里さんは最近脱退されて、サポートにオゾンベイビーの森田さんが入ってのライブでした。曲によってヴォーカルが際立って聴こえるものもあり、ベースの重低音が効いてるものもありで、色んな表現の仕方を考えているみたいです。課題曲に選んだのはなんとアン・ルイスの“Good by my love”。ウケ狙いか?と思ったのはほんの一瞬。山中さんのは見事に女性の詞を歌い上げました。“忘れないわ、あなたの声”そのまま感想になりました。11月以降のスケジュールは未定という話ですが、これからも
 
 175R
 最近日本の音楽シーンを賑わせている北九州出身バンドのひとつです。東京でライブ活動を展開しているだけあって、「俺らは俺らのライブをやるぞ!見てくれ!!」というやる気を見せ付けてくれました。SHOGOのボーカルはハードコア系統のバンドにあまり馴染みが無い私でも聴きやすく、それでいて力強い。以前某フリーペーパーのアンケートで、「お勧めの音楽は?」という質問に「TheLOVE」と答えていた彼の声は、確かに少しかすれてて平さん(TheLOVEボーカル・ギター)の声に少し近いかもしれません。さすがに6バンドも見た後では拳を振り上げる元気も出ず、椅子に座ってイナゴを見てしまいました。ごめんなさいっ!でもこのバンドのためにライコレに来た人はたくさんいて、175RのオリジナルTシャツを着て「待ってましたー!」とばかりに騒ぎ出すお客さんもたくさんいました。東京に進出しても、地元の熱い視線は変わらないようです。大手デパートの閉店や商店街の衰退といったしょぼいニュースの多い北九州ですが、何とか音楽で盛り上げることは出来ないでしょうか?彼らには(地元を心配する私の)大きな期待がかかっている。
 
 Four the MG
 取りを務めたのはライブで異様な存在感を放つバンド、Four The MG。その魅力はやっぱり体にビシビシくる音の波と、思わず身を乗り出して聴いてしまう不思議なメロディーラインじゃないでしょうか。ライブを見てもらえば分かると思うんですが(それじゃライブレポにはならないのですが)、Four The MGの存在感は言葉に表し難いものがあります。ライブが始まってステージが照らし出された瞬間から目を奪われてしまいます。あえて曲について言うなら「ロックによって日本語詞の内なる激しさを引き出す」といったところでしょうか・・・・・。MCもほとんどなく、客をのせるようなこともしない。ただ、心の底に流れている熱いものを感じさせてくれる。そんなバンドです。とにかく、福岡に住んでいるなら、しかも音による衝撃を体感したかったら、Four the MGを一度お試しあれ!!
 
 
                                                         文:東京レタス