VOL.28
TRANCE ESSENCE EDGE#2/DJ19(KSR)
・INDOCTORINATE/FEELING YOU  ・SALT TANK/JEANIE
・SANDRA COLLINS/FLUTTERBY(X-CABS REMIX ONE)
・FORCE MAJEURE/REDEMPTION(THE THRILLSEEKERS REDEEMED MIX) 
・TRANCENTRAL STATION/THE FORCE(FEEL THE FORCE MIX)
・ARMIN/COMMUNICATION(ORIGINAL MIX)
・BLUE AMAZON/COMING HOME(TRANSA REMIX)
・AIRSCAPE/L'ESPERANZA(SVENSON GOES TO THE LOVEPARADE MIX)
・TROUSER ENTHUSIASTS/SWEET RELEASE 他全15曲
*** 夏はもう終わるのに ***
普段KANZLERAMTがどうとかディープテクノがどうとか言ってる僕ですが、実は結構トランスだとかも好きなのです。まあ最近のいわゆる「サイバー」だとか言うのはちょっとアレなのですが、そうなる以前のトランスには素直にイイと思える作品もあるのです。中でも、2000年に出たこのミックス。綺麗で壮大な雰囲気のトラック多めで、かなり「泣き」の入った一枚。後半部分はちょっとアゲアゲでイケイケな所も感じられるのですが(笑)、でも前半は生ピアノの音だとかが前面に押し出されていて、とても美しく抵抗なく聴けてしまいます。初っ端の[FEELING YOU]でいきなり大泣きです。僕の中ではとにかく、夏になるとなぜだか無性に聴きたくなってしまう一枚。今年の夏もたくさん聴きました。 
TECHNO DIVISION VOL.1/CHRIS LIEBING(U60311)
・TIGA AND ZYNTHERUS/SUNGLASS AT NIGHT  
・PLANETARY ASSAULT SYSTEMS/FUNCTION 04  ・ZETA RETICULAR/EP1
・CHRISTIAN BOREE/I AGAINST I(STERAC REMIX)
・RINO CERRONE/UNKNOWN A1  ・GAETANO PARISIO/SECOND ATTEMPT
・TOBIAS VON HOFSTEN/SWINGER  ・GAETANO PARISIO/PAIN 023
・ADVERSE MATCH/DRACONIS  ・T-QUEST/UPITER(STERAC REMIX)
・ALEXI DEJANO&JESPER DAHLBACK/NUEVA YORK
他全14曲(DISC1) DISC2は全18曲
*** お祭りミニマル男のマジメなミックス ***
聴いて楽しい観て楽しい、更には踊って楽しいと三拍子揃ったお祭りミニマル野郎CHRIS LIEBINGの二枚組ミックス。最初からラストまでハイスピードで突っ走るDISC2は彼らしくて勿論良いのですが、個人的にはダークな雰囲気がたまらないDISC1をプッシュ。あの名曲[SUNGLASS AT NIGHT]で始まって「おや、エレクトロ?」と思わせるも、そこからはPLANETARY ASSAULT SYSTEMSやらCHRISTIAN BOREEやらでひたすらにダークで地味でハードなミニマル。中盤から少し盛り上がりも見せつつも、でも一貫して終始ダークにまとめてます。ちょっと彼の意外な一面がかいま見れた様でなかなかに興味深いミックス。あとはラストをもう少しキッチリ締めてくれれば言うことナシ、だったんだけどなぁ…。 
PUBLIC ENERGY NO.1/SPEEDY J(MUTE)
01.TUNING IN  02.PATTERNS  03.MELANOR
04.IN-FORMATION  05.PURE ENERGY 
06.HAYWIRE  07.HAYFEVER 
08.TESLA  09.DRAINPIPE  10.CANOLA
11.AS THE BUBBLE EXPANDS
*** 実験的でいて美しい ***
SPEEDY Jの1997年リリースの作品。以前ここでも取り上げたアルバム[A SHOCKING HOBBY]でもかなり実験的で独特な世界観を醸し出していたのだけど、それより昔の作品だと言うのに、勝るとも劣らない実験サウンドが炸裂。リズムも無ければメロディの抑揚もほとんど無い音響トラック[TUNING IN]で幕を開け、続く#02[PATTERNS]はその音響サウンドを引っ張りつつ途中でノイジーでひずんだリズムが入り、かと思えば曲の後半で美しいメロディが奏でられる…。と、導入部はこんな感じなのだが、そのイメージのままの音世界が作品全体に渡って最後まで続いていく。音響と壊れたリズムに彩られた美。このクオリティの実験サウンドがもう今から7年も前に手掛けてられていたというのが凄い。 
WALKING ON A LITTLE CLOUD/SOUL DESIGNER(F COMMUNICATIONS)
01.SWEET HARMONIES  02.EMOTIONAL
03.STREET JAZZ VARIATIONS  04.SLEEP WITH A FAT GIRL
05.SOFT CAUSE  06.LITTLE ANGEL
07.DETROIT SOUND  08.TECH DO BRASIL
09.SHARE MY SOUL  10.UN AIR DE PROVENCE
*** FABRICE氏の別名義アルバム ***
KANZLERAMTからのアルバムも素晴らしかったFABRICE LIGの、別名義SOUL DESIGNERによる2002年リリースの作品。KANZLERAMTからの[MY 4 STARS]に較べれば正統派デトロイトテクノ寄りの音創りで、どちらかと言えばRAYGUNからの[ROOTS OF THE FUTURE]に近い匂いを感じさせる。しかし、[ROOTS OF〜」ほどアグレッシブではなく、もっとメロウでしっとりとした雰囲気が全体に漂っている。勿論フロアで機能するトラックもあるのだけど、でもどちらかと言うと部屋でのんびりリラックスしながらリスニングするのにちょうどいい、そんな一枚。中でも個人的には、もろにジャズテイストな#09[SHARE MY SOUL]だとかかなりオススメのトラック。途中で入るエレキピアノのソロがもうたまりません。
OPEN/DIEGO(KANZLERAMT)
01.OPEN  02.INTERMEZZO  03.THE VOICE(RAVE MIX)
04.FUSION  05.BACK JACK BACK  06.QUARTER INCH SQUARE
07.SOMETHING FOR THE BODY  08.CONTINUUM CONVERSATION
09.THE VOICE(LOWLOW MIX)  10.THE MISSING NAME
*** 多様性と独自性 ***
KANZLERAMT随一の若手クリエイターDIEGO氏の、早くも4枚目のアルバム。前作[INSTANT REALITY]では彼の内面にある音楽的素養の幅広さを感じさせつつも、それを敢えて前面には出さずにピュアなテクノとしての表現に留まっていた。…だがしかし、今作は違う!! ロック・フュージョン・ジャズ・ラテン…実にありとあらゆる音楽の要素を美味く組み合わせ、それを彼本来のテクノと混ぜ合わせることで全く新しい世界を創り出すことに成功している。しかしその中にあってやはり、最も「彼らしさ」が表現されるのはその「宇宙的」とも言える美しいメロディに彩られたフロアトラック。#03[THE VOICE]は素晴らしくカッコいい。これほど繊細・流麗かつフロアライクなトラックはきっと彼にしか創れない。