VOL.22 |
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KANZLERAMT 4/V.A.(KANZLERAMT)
・DIEGO/ME FRAGMENTS(HEIKO LAUX REMIX)
・JOHANNES HEIL/20,000 LEAGUES UNDER THE SKIN PT.9
・ALEXANDER KOWALSKI/BERO HORIZONTE
・DAVE ELLESMER/THE PRECIOUS THINGS ・DOUBLE X/HESITANT
・DAMON WILD/DOWNTOWN WORLD PT.2
・HEIKO LAUX/SANTA MARIA(DRY-DUB MIX)
・DIEGO&VOCO DERMAN/REFRACTION
・FABRICE LIG/UNIVERSAL TECH 他全11曲 |
*** KANZLERAMTコンピ4TH ***
レーベル名[KANZLERAMT]をタイトルに冠したコンピレーションの第4弾。HEIKO総帥にJOHANNES
HEILを始めとして、DIEGOやKOWALSKIらの常連組。そしてFABRICE LIGやDAMON WILDと言ったレアものまで色々と入っているけれど、注目すべきはその収録トラック全てがCD未発表曲ばかりだと言うこと。CDユーザーは勿論のこと、アナログユーザーにもこれは嬉しい。しかしこのコンピシリーズ、本当にその時その時でのこのレーベルの「旬の音」を上手く表現していると思う。今回はいわゆる「暗黒系」なトラックは一つも無く、全ての曲が浮遊感溢れる美しい上音で構成されている。デトロイト・フロア向けなミニマル・前衛的なトラック…アプローチは様々だけれど、どれをとってもとにかく「美しい」。 |
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GUITER TREATMENTS/ANDREW READ&ANTHONY CHILD(K2O)
・GUITER TREATMENT
(PART 1/2/3/4/5/6/7/8) 全8曲
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*** 究極のミニマリズム ***
ANDREW READと、SURGEONことANTHONY CHILDによる全世界で555枚限定(!!)という究極のレア・アルバム。ANDREWの奏でるギターにANTHONYが様々なエフェクトをかけ、ほとんどその音色のみで構築されていく音の世界。そこには余分なリズムや他の楽器などは一切介在しない。8つの収録トラックはギターのアルペジオ・ゆるい音響…と様々な表情を魅せるのだけど、その一つ一つを取ってみればどれもシンプル極まりない展開に限りなくミニマルなコード進行。なのに、なのに一体何なんだこの奥行きの深さは…!! 曲によってはまるで教会の賛美歌の様な、そんなある種の荘厳ささえも感じさせるのだ。単純さを極めることで逆に深い世界を創り上げてしまう、これはまさに「究極のミニマリズム」。 |
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ANGRY YOUNG COMPUTER/DAVE ELLESMERE(KANZLERAMT)
1.DOING THINGS ON IMPULSE 2.LAGUANA SUNRISE
3.ISOLATED BLUE CUBE 4.REMOTE CONTROLLER
5.A NEW CONSTELLATION 6.OPTISOMA 7.PART OF SOMETHING
8.MMS 9.INDIFFERENCE 10.SPRING DING |
*** ドイツ産デトロイト ***
パンクやハードコアのアーティストとして長いキャリアを持つDAVE ELLESMEREの、テクノアーティストとしてのデビューアルバム。その音は、ここ最近のこのレーベルの特徴とも言える、デトロイト直系の流麗なテクノが中心。しかしそこには、彼自身の長い音楽キャリアを反映させてか、色々な音の要素が見え隠れしている。中でも、ジャズの風味を色濃く感じさせると言うのが、CARL
CRAIGやSTACY PULLENなど本場デトロイトのアーティストに共通している様で興味深い。しかし、黒人のデトロイトに特有の[情念]の様なものは微塵も感じさせない。その音は有機的でソウルフルでありながらも、あくまで爽やかで涼やかなのだ。まるで春風の様に耳に、体にすっと染み渡ってくる…そんな一枚。 |
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FULL SPECTRUM DOMINANCE/KAREEM(K2O)
1.WORLD DOMINANCE 2.GIVE IT TO ME 3.BEIRUT
4.INTERLUDE 5.PIPE DREAMS 6.THE ASSASSIN
7.BATTLEFIELD 8.IN THE ARENA(REMIX) 9.COLD AS ICE
10.THE PAYOFF 11.THE FRENCH CONNECTION 12.FORGOTTEN DAYS
13.IFYAKEEPSTABENME 14.THE HARP 15.DOOM
16.INTERLUDE 17.THE CHROME 18.THE SNAIL |
*** ドイツ産ヒップホップ ***
[K2O]というレーベルはつくづく面白いレーベルだと思う。音響〜エレクトロニカを基調としながらも、いわゆるテクノ的なアプローチだけにこだわらない、独特の音をリリースし続けている。そして、そんなこのレーベルの面白さを象徴している一枚がこの作品。KAREEMによるこのアルバム、これは何とインストゥルメンタルのヒップホップなのだ。ボイスサンプルや様々な効果音を散りばめながら展開されていくその音の世界は、何とも陰鬱とした重苦しいもの。ヒップホップと言う音楽のイメージが持つ、ある種の陽気さ・快活さと言ったものは微塵も感じられない。それはやはり、ドイツ人の真面目な国民性がそうさせるのだろうか…などと深く考えなくても、純粋に面白い一枚だと思う。 |
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RESPONSE/ALEXANDER KOWALSKI(KANZLERAMT)
1.RESPONSE 2.SCARPIA 3.DAYS OF THE LIAR
4.LIGHTNING FIELD 5.PREVAIL 6.LOCK ME UP
7.EMTEC 8.YOU THINK YOU KNOW?
9.BELO HORIZONTE(ALBUM MIX)
10.…AND I WILL FIND YOU |
*** KOWALSKI氏の最高傑作 ***
毎回期待を裏切らない、A.KOWALSKIの最新アルバム。この人って、ある意味もう完成されたスタイルを持っている人だと思う。4つ打ちの太いキックに、サビで入ってくる独特のハイハットの鳴り。リズム部分に関してはそんな一定のパターンを持っていて、どの曲にもそれが共通して使われているのが分かる。でもその代わりに、上音・メロディーの創り込みには尋常じゃないものを感じさせるのだ。そして今回のアルバム。いつものKOWALSKI節に、歌モノなんかも交えつつ…と言った構成で、フロアにもリスニングにもどっちもイケる。矛盾した言い方なんだけど、「ディープなのに凄いポップ」。そんな雰囲気を漂わせている音の世界。とりあえず表題曲[RESPONSE]は、僕的2003年のベストトラックに決定。 |