VOL.21
SLICED BEHAVIOUR/ITEM ONE(KANZLERAMT)
1.SLICE 01  2.SLICE 02  3.SLICE 12
4.SLICE 03  5.SLICE 06  6.SLICE 08
7.SLICE 04  8.SLICE 11  9.SLICE 10
10.SLICE 07
*** KANZLERAMT首領コンビ ***
HEIKO LAUX+JOHANNES HEILと言う、KANZLERAMTトップの二人によるユニット[ITEM ONE]。この作品は、同ユニットで少し前にリリースした二枚のEPをまとめてCDアルバム化したもの。しかしこれが何とも独特で形容のし難い音を出している。HEIKO・JOHANNES共に、最近では上モノ重視の流麗なトラックが目立っていたけれど、ここではかなり抑えた感じの音創り。地味目でパーカッシヴ、ミニマルでツール風なリズムトラック主体。たまに入る空間的なシンセの上音が「らしさ」を感じさせはするものの、それでもやはりいつもの彼らの音とは違う。…いや、違うと言う表現は正しくないのかもしれない。むしろ逆に、一昔前のここのレーベルを彷彿とさせる音なのだ。とにかく「渋い」。
KAMAKASI/FAMILY LOUNGE(KANZLERAMT)
・KAMAKASI
(PART 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11) 全11曲(MIXED)
*** ミニマル・エレクトロ ***
レーベルによって、また音のジャンルによって様々な変名を使い分ける、ドイツ随一の変態エレクトロメーカーANTHONY ROTHER。彼の、FAMILY LOUNGE名義のこの作品は[KAMAKASI]と言うタイトルでリリースされた二枚のEPをミックス仕立てで組み上げ、CD化したもの。そこで聴けるのは、彼独特のエレクトロスタイルをミニマルのフォーマットに持ち込んだ、全く独自のもの。スカスカで音数少なめ、地味でディープなミニマルトラック。そこに徐々に被さってくるのが、PSI49NETなんかでお馴染みの、彼お得意のエレクトロで聴けるどこか哀愁漂う上モノ。全体を通して、やっぱりどこか暗い感じの世界観なのは相変わらずだけど、しかしこれだけ色々なジャンルの音が創れると言うのは凄い。
SHOT OF LOVE/CHESTER BEATTY(TRESOR)
1.IN DA GRVOOOVE ON  2.LOVEJET/BOOGIE OOGIE OOGIE
3.EASTER SUNDAY THROW DOWN  4.SUPERRAPPIN'
5.Q SOURCE  6.NEXTSTEGE  7.P45
8.BALANCE OF POWER1-THE DAYR YASIN MASSACRE
9.BALANCE OF POWER2-PEACE ACROSS BEN YEHUDA STREET-SMADER E
10.JACKSTYLE  11.MY DADIO SURE SOUND
12.ECSTASY GARAGE DISCO ON DRAGON  13.SHOT OF LOVE
14.SITZ IM LEBEN/OVER A CRAIG KELLY
*** ノンストップ・ハード・ディスコ!! ***
日本の誇る…と言うよりは、今やむしろ世界のトップクリエイターの仲間入りした感すらあるテクノユニットCHESTER BEATTYの、フルアルバムが満を持してTRESORより登場!! 彼ららしい、フィルターの効いたディスコ風味で明るいサウンドを、疾走間のあるハードなリズムに乗っけた全14トラック!! この人らの曲って本当に独特なんだよな。ディスコとハードミニマルとが美味い具合に融合してて、案外とどんなジャンルの人にでもウケそうな音って言うのか。そして今作は、それらのトラックがMCなんかも織り交ぜつつノンストップで繰り広げられていくと言う、擬似ライブ的な趣向。ハッキリ言って、その辺のヘタなミックスCDなんかよりよっぽどアガりますなぁ、これは。
IT'S NOT JUST ABOUT SKIING PART2/V.A.(FORTE)
・PORTAMENOT FEAT BOCHUM WELT/PROFILE
・CODEC&FLEXOR/BREAKOUT(ALEX KOWALSKI RADIO MIX)
・URAL 13 DICTATORS/DO YOU REMEMBER
・CHRISTIAN MORGENSTERN/HERZ AUS STAHL
・SOLAR/GHOSTS(REMIX)  ・DR.SHINGO/DEATH BEFORE DISCO
・CHRISTIAN MORGENSTERN/HAWAII BLUE(HEIKO LAUX HAWAII 5-0 MIX)
・DR.SHINGO/HAVE YOU EVER SEEN THE BLUE COMET?(TAKKYU ISHINO MIX)
・CHRISTIAN MORGENSTERN/KONFORT CORPSE 他全13曲
*** FORTEよ永遠に… ***
CHRISTIAN MORGENSTERNのレーベル[FORTE]のコンピレーション第二弾。前作がミックス仕立てで、音を一つの流れにまとめることでレーベル自体のカラーを聴かせていたのに対し、今作は通常のアルバム仕様。一つ一つのトラックそのものをより深く味わえる内容となっている。収録曲は全13曲。どれもアーティストの個性と創造性に溢れていて素晴らしい。それに、HEIKO LAUXやALEXANDER KOWALSKI、石野卓球と言ったリミキサー陣にも恵まれている。まだまだこれからと言う可能性も秘めたレーベル。なのに、なのにもし…。この作品が[遺作]になってしまうと言うのなら、それはあまりにも悲し過ぎる。アルバムラストに収録された、MORGENSTERNの秀作[KONFORT CORPSE]の響きがただただ切ない。
OS/LAZYFISH+ALEXANDROID(K2O)
1.PIZDETS  2.SOKOL  3.OPEN SPACE
4.SWIM(UYUYA)  5.80  6.SURVIVE ON MARS
7.MEWARK  8.WOYOW  9.BLUE-RED-GREEN-WHITE
10.PINK-BLUE  11.WWWW
*** 東欧系エレクトロニカ ***
MEWARKとの共作アルバムが素晴らしかったLAZYFISH。そこから一年余りを経て、今度はALEXANDROIDと組んでの作品をリリース。まるでディストーションのかかった様な、歪んだひずみのあるシンセの音を基調としつつも、メロディーはどこまでも突き抜けるかの様に澄み切って美しい。音にまるで「嫌な」部分が感じられないのだ。浮遊感のある上音に、リズムや機械音といった骨格部分を組み合わせて音を創っていく…。そして今作では更に、大胆に声や歌をフィーチャーした曲も。儚げで美しい旋律に澄んだ女性ボーカルが乗った#4[SWIM(UYUYA)]は、聴いていて何とも言えずに心地良い。思うに今、東欧系のエレクトロニカって、世界中で最も素晴らしい音を出しているものの一つじゃないだろうか。