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− LIVE EARTH京都 …と言うかYMO復活祭!! −
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2007年7月7日(土)。7並びの、そして七夕というこの日。実は音楽史に残るであろう、一大事件が起きる日であった。
そう。あのYMO−イエローマジックオーケストラが、なんと14年ぶりに復活するというのだ。
なんでも、[LIVE EARTH]と言う、世界8カ国同時開催の大規模イベントの、京都会場にライブアクトとして登場するということらしい。
まさか、生のYMOをこの目で拝めることになるとは…しかし京都はちょっと遠い、遠過ぎる。行くべきかやめるべきか…などと悩みつつもチケットを先行予約してみたところ、すんなりと取れてしまった(笑) となればもうこれは、何を置いてでも行くしか無い!!
当日、東京の職場で早朝の会議に出席し、会議終了後、そのまま新幹線に飛び乗って一路京都へ。夕方に京都入りし、イベントに参加、その後はホテルに泊まって翌朝の新幹線で東京へ戻りそのまま出社…と言うなんとも無茶無謀なプランを考え、実行することにした。
ちなみに翌日出社後、何人かの同僚から「無茶し過ぎ」「歳を考えろ」などと言われた(笑)
さて。当日。京都に着いたのは夕方4時前だったか。ホテルへチェックインを済ませ、着替えて再び京都駅へと戻る。実はここで、名古屋時代のテクノ仲間にして、名古屋の名物イベント[ENTR@NCE]のオーガナイザーでもあるてつを君と待ち合わせをすることになっている。
久々に会ったてつを君は全然変わっていなかった。実に会うのは2年ぶりか3年ぶりか。
そのまま2人で近鉄に乗って東寺の駅へ。今日の会場となる東寺へと向かう。
東寺に着くとまだ参拝客のいる時間だからか、普通に正門が開けられていた。が、中にはすでにライブステージが組まれ、リハーサルをしている出演者の姿が(残念ながらYMOではない)
まだ時間があるので近辺の喫茶店で時間を潰し、そして夕方5時半ごろ、再び東寺へ行ってみるともう既に開場待ちの行列が出来上がっていた。その最後尾に並ぶ。
列が進み、東寺の裏門の方から中へと入る。が、今度はここでチケットの整理番号順に並ばされる。なかなかに待ち時間が長い。偶然にも、てつを君と整理番号が近かったので一緒に待っていられたのが良かった。と言うか、知り合いが来ていたのは本当に助かった。今にして思えば、あの待ち時間を独りで過ごすのはかなり苦痛だったと思う。
結局、会場に入れたのは6時半くらいだったか。今日のイベント、寺の本堂の前にステージが造られ、広い境内が観客席となっている。席はブロック分けがされていて、僕らのAブロックはスタンディングと聞いていたのだが、結局きちんと椅子が用意されていた。それに、思っていたよりはステージに近く、まあ普通に観ることが出来そうだ。
そして7時。ようやくイベントが始まった。ちなみに今日のイベント、2時間の予定で出演者は5組。YMOはラストらしいが、他の出演者にはほとんど全く興味が無い(笑)
一番手のRIP SLYMEと言うヤツらは、いかにも最近の軽い若者達の和製ヒップホップグループと言った感じで全く好きになれないのだが、でもそれを敢えて斜に構えて観てみるのも面白い。と言うか凄く性格の悪い楽しみ方してるよなぁオレ(苦笑)
ちなみにこの時、Aブロックの前の方の客は総立ちでかなりノッていた。なるほど今日のイベント、基本的にはイスに座って観るものの、好きな出演者の時は立ち上がったりもするワケで、どの客がどの出演者のファンなのかこれで分かってしまうと言うもの。そんな風に周りを観察してみるのも面白いかもしれない。
2番手はUA。しっとりとした感じで、これはなかなか良かった。演奏はギターのみと言うシンプルさが、歌声をより一層引き立てる。なんとなくビョークみたいだなぁなどと思いつつ、目を閉じて聴いているとなんとも気持ちが良かった。好きか嫌いかは別にしても、「引き込まれる何か」があると思った。
3番手はBONNIE PINK。名前のイメージだけで、RIP SLYMEみたいなチャラいヤツらを想像していたのだがこれが違った。ピアノやギターのアコースティックなサウンドも好みだし、ヴォーカルの女の子がこれまた歌が上手くて気に入った。なるほど、イメージだけで毛嫌いするのは良くないな、と思わされた次第。
4番手はMICHAAEL NYMAN。今日の出演者の中で唯一の外人勢。そしてソロ。この人、ミニマルミュージックの先駆者的存在と言うことで、実は結構気になっていたのだった。
ピアノに独り向かい、淡々と演奏していく。もっと実験的な感じなのを想像していたのだが、普通に現代音楽と言った感じの聴きやすい音だった。
しかしここで、ちょっとしたトラブル発生。何曲目かの演奏の終盤、音がフェードアウトしていった、その時にコトは起こった。
東寺の前の道を珍走が通過。
おいおいマジかよ…よりにもよって一番静かな音楽性のNYMANの時に…て言うか空気読めよこの珍走。
て言うかむしろ逝ってくれよこの絶滅危惧種が!!
まあそんなトラブルもあったものの、なんとか無事に演奏は終了。そしてこの時、時間はもう8時半を回ろうとしていた。
ステージに目をやると、特設の3基のブースがセットされている。ここに御三方が登場するのか…まるで昔のYMOのライブを彷彿とさせる様な、そんなステージに期待と興奮が高まる。
そして気が付けば会場内には大きな拍手が沸き起こっている。そして観客層立ち。イスに座っている人は一人もいないのだ。
…て、あれ? これって…結局全員YMO目当てってコトかよ!!(笑)
そして、鳴り止むことを知らない割れんばかりの拍手の渦の中、ついに、その瞬間はやってきた。
ステージに御三方が登場!!
向かって右から、ベースを手にした細野さん、リズムマシーンとドラムにスタンバイした幸宏さん、シンセに囲まれた坂本さん、と言う布陣。今日はサポート無しで、三人だけで演奏される模様だ。
会場の興奮は絶頂へと高まる。そんな中で最初に演奏されたのは[以心電信]。5月の横浜でのHASのライブでも一番初めに演奏された曲だ。東寺の境内に、幸宏さんの歌声が気持ち良く響き渡っていく。
続いて、2曲目には[RESCUE]。5月のHASのライブで演奏された時は誰の、何の曲か分からなかったが、どうやらこの曲、御三方の新しい名義「HASYMO」のトラックとして近々リリースされるらしい。リズムが心地良い英語詞のヴォーカルトラックで、クールな雰囲気がカッコイイ。
そして3曲目。ここで幸宏さんが、リズムマシーンからドラムセットへとチェンジ。
演奏されたのは[WAR & PEACE]。坂本教授のこの曲。5月のHASのライブでは、スクリーンに映し出された深いメッセージ性のある英語詞のリーディングと、シリアスな曲調とが印象的で、聴きながら「何か」を考えさせられてしまう、そんな曲に思えた。
しかし今日のこの演奏。シリアスな曲調はそのままながらも、幸宏さんのドラムがとてもリズミカルでキレが良く、スネアの音が境内に心地良くこだまし、しっかりとダンストラックとして機能してしまっているではないか!!
…と言うかもう我慢出来ずに踊りだすオレ。
すみません周りの人…あの日AブロックでYMOでバカ踊りしてた赤いパンツ野郎はオレです(苦笑)
そして、ライブの興奮が最高点に達したところでついにあの曲。
[RYDEEN 79/07]キターーー!!!
恐らく、会場内の誰しもが待ちわびていたこの曲。先日の横浜のHASのライブで聴いた時も鳥肌が立つほどにカッコ良かったのだが、今日のこの日のこの曲。それはまた格別のものだった。
もちろんそれは、そこにいるのが「HAS」ではなく「YMO」だから。と言うこともあったかもしれない。でもそれだけじゃあない。
横浜の時はサポートメンバーがいたから音に凄く厚みがあった。今日は御三方だけのライブだから音の構成は幾分シンプルになっている。しかし、シンプルゆえの凄みとでも言うのか。
特にドラムの音が凄い迫力だった。幸宏さんのドラムの音が、鬼気迫るほどの、身震いがしてしまうほどの迫力ある音で、僕は心底シビれてしまった。(もっとも叩いている幸宏さんは至って軽い表情なのだが)
もう、我を忘れて踊りまくっていたのは言うまでもない。
先日の横浜でのHASのライブは、大きなホールできちんと座って観るライブだったから、音にノッて楽しむと言うよりはむしろ、しっかりと音を聴き、ライブを目で観て、味わうスタイルだった。
しかし今日は野外と言うこともあってか、どこか開放感があって、それが良かった。
こうして、YMOの復活祭は終わった。
正直、たった4曲では物足りない。そう思ったのもまた事実。しかし、「物足りない」くらいがちょうど良いのかもしれない。
それに、きっとこれで終わりじゃあない。何か、次につながる「何か」がある。なんとなく、そんな期待と希望が持てるライブだった様にも思う。
それにしてもやっぱり高橋幸宏はカッコいい。毎回見るたびにそう思ってしまう。
僕もあんなおじさんになりたいものだ。つくづくそう思う。 |
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