− WIRE06前夜祭
 
 
9月1日(金) この日はWIRE06の前夜祭。今年は久々に(実に3年ぶりか?)WIREに行くことに決めたし、初めて前夜祭にも行く。
 
と言うのも目的は一つ。僕の最も好きなアーティストの一人。ALEXANDER KOWALSKIがやって来るのだ。本祭・前夜祭共にライブアーティストとして参加。しかも、前夜祭ではJORIS VOORN・SECRET CINEMAと3人でバックトゥバックライブと言う、前代未聞のライブをやってくれるらしい。
 
 
当日。仕事を22時前に終え、一旦帰宅。シャワーを浴びて着替え、渋谷へと向かう。今日の前夜祭が行われるのはWOMB。何度か行ったことのあるハコだ。
 
が、渋谷に着いて道玄坂を上り、そこで迷う(苦笑) あまりに久しぶり過ぎて場所を忘れてしまった模様。結局、交番に場所を尋ねてそれでやっと辿り着く。
 
 
WOMBに着いたのは0時をちょっと回ったくらいだったか。とりあえず自販機でビールを買い、飲みつつハコの中をぶらぶらする。KOWALSKI先生(達)のライブは2時かららしい。
 
誰か知り合い来てないかな? そう思いハコの中をぶらつくものの、結局誰とも出くわさず。仕方が無いので独りでただただビールを飲んでぼんやり過ごす。一人で来てるとこういう時がちょっとツライんだよな。
 
WOMBと言うハコは、4層構造になっていて、1階がセカンドフロア。2階がメイン。3階と4階もセカンドと言う造りになっている。とりあえずメインフロアにはまだ入らず、セカンドフロアを行き来する。
 
 
時間が経つにつれ、4階のセカンドフロアだけが異様なほど混雑してくる。セカンドなのになぜ…?
 
と思いきや、4階の人ごみの中にはトビーさんの姿が!! 
 
と言うか、よく見ると卓球とかウェストバムとか、WIRE出演者が何人もいた。みんなその姿目当てでこのフロアに集まってきてるワケね。
 
時間は1時半を回ったくらいだろうか。その人ごみの中に、一人の黒ブチメガネの男の姿。
 
「あ、コワルスキー先生…」
 
そう、そこにはALEXANDER KOWALSKIの姿が。だけど声をかける間も無く、KOWALSKIは人ごみの中に消えていってしまった。話しかけてサインとか貰いたかったのだけど…。残念。
 
 
とりあえずサインは諦め、ロッカーに荷物を預けてメインフロアへ。メインには結構な客が入っている。その中をかきわけ、なるべく前の方へと進む。
 
一番前は混み合っていたので、前から三列目あたりを定位置にしてスタンバイ。
 
 
フロアの上には、もうKOWALSKIが!! JORISが!! SECRET CINEMAが!! 三人が機材の前に並んで出番を待っている。ちなみに向かって右からCINEMA、KOWALSKI、JORISと並んでいる。我らがKOWALSKI先生は真ん中にいる形だ。
 
初めてじっくりと見たALEXANDER KOWALSKIは、思ってたよりもずっと小柄だった。黒ブチメガネが印象的だけど、でも優しそうな、好青年と言った雰囲気。
 
前のDJの曲が終わり、そしていよいよ。三人のバックトゥバックライブのスタート。
 
 
最初は、JORISとCINEMAがミニマル風味の曲を数曲かける。そしてそこへKOWALSKI先生が機材をいじり出すと、聴き覚えのあるメロディ。独特のKOWALSKI節としか言い様の無い、ちょっとダークでメロウな、でもそれでいて綺麗な上モノの、そしてキックの気持ちいいトラックがかかる。
 
「あ、これは確かKANZLERAMT100番の…」
 
そう。
 
KOWALSKI先生が最初に選んだ曲はKANZLERAMT100番記念盤[10/100]収録の[WE KEEP ON ROCKIN]だった。
 
このトラックが最初に来るとは…少し意外で、でもなんとも象徴的な、そんな幕開けに感じた。
 
 
それからCINEMAとJORISがまたトラックをかけ、次にKOWALSKI先生がかけたのは、ネットで少し前に落としたライブ音源の2曲目だかに入っているトラックだった。曲名はちょっと分からないが、彼らしいダークでちょっとミニマル風味のトラックだ。
 
そしてCINEMAとJORISがまたトラックをかけ、次にKOWALSKI先生がかけたのは[HOT SPOT]。ちょっと明るい雰囲気のメロディアスな歌モノトラックだ。
 
 
ここに来てこのライブの、構成が何となくつかめる。CINEMA→JORIS→KOWALSKIの順でトラックをつないでいき、CINEMAがロッテルダムでバカなトラックで会場を沸かせ、JORISがハードでミニマルな選曲で更に観客達を踊り狂わせる。
 
それをKOWALSKI先生がダークでメロウなテクノで一気に堕とす。
 
あるいは歌モノでじっくり聴かせるか、ね。
 
 
て、KOWALSKI先生は下げ役かよ!!(笑)
 
 
でもこの三人のバランス、非常にいいと思った。最初のうちは正直、KOWALSKI先生の曲だけが聴きたくて他の二人ジャマだなぁ(失礼)とか思ってたんだけど、でも次第にこのライブ自体に引き込まれていく自分がいた。KOWALSKI先生の曲はほとんど分かるものの、JORISとCINEMAの曲は分からないのが大半。でも曲は知らなくても体が勝手に反応して踊り狂わされている。ああこれこれ。この感覚なんだよなぁ。クラブで何も考えずに踊る快感。随分久しぶりだ。
 
 
そしてしばらくすると、JORISが聴き覚えのあるトライバルでぶっといキックのトラックをかける。徐々に上モノだとかがかぶさってくると僕は歓喜狂乱!! そう。KOWALSKI先生の[DAYS OF THE LIER]。それのJORISリミックスだった。
 
こういう、KOWALSKI×JORISのコラボ的な曲もかかるだろうとは思ってたけど、本当に来た。とりあえずここで僕は第一のヤマを迎えた気分。
 
でもどうせならJORISよりKOWALSKI先生にかけて欲しかったなぁって言うのは内緒(笑)
 
 
ここで周りを見渡す。僕みたいな独りで来ている客もいるけれど、大半が友人達と数人で来ている感じ。あと、カップル客が結構多いのが驚きだった。
 
まあ別にイイんだけどさ。ただ、いちゃついたり抱き合ったりしながら踊るのはヤメテくれ。あれはハッキリ言ってジャマ。うっとうしい。
 
 
 
 
 
て、別に、うらやましいとかそんなんじゃないんだからね!!
 
ち、ちっともうらやましくなんてないんだから!!!!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…嘘です。
 
本当は凄くちょっとうらやましいです(血涙)
 
 
 
 
 
ライブも中盤に突入。KOWALSKI先生は、[CHANGES][WHAT U GONNA DO][HOUSE OF HELL]と言った、最新アルバム[CHANGES]からのトラックを色々とかけていた。
 
勿論僕は、KOWALSKI先生のトラックがかかるたびにいちいち反応。「キター!!」とか言葉になってない歓声とかあげていちいち騒ぐ。て、ハッキリ言っていちゃつくカップル客よりオレの方がよっぽどジャマですかああそうですか。
 
あと、これまたネットのライブ音源に入っていた曲なんだけど、インドっぽい独特の旋律の歌モノとかかけていたんだけど、あれって一体何の曲なんだろう? 前にこの曲、会社の近くのインド料理屋でもかかってた様な気がするんだけど(笑)
 
 
そして、JORISが彼の最大のヒットとも言える[INCIDENT]を放つ!!
 
今やテクノ好きで知らない人はいないだろうと言ってもいいこの曲。ピアノのブレイクが来たあたりでもう、会場全体も大興奮の渦に包まれて凄いことになっていた。
 
 
踊っていると、近くで踊っていた男の子が話しかけてきた。曰く、「KOWALSKIのTシャツを見てみろ」と。見るとKOWALSKI先生のTシャツ、胸にグラフの模様が描かれているのだけど、そのグラフが光って上下に動いているのだ。一体どういう作りのTシャツなんだか。でもちょっと欲しいかも(笑)
 
 
ライブもかなり後半。CINEMAが、曲名は知らないのだけど、聴き覚えのあるトラックをかけた。キャッチーな声モノトラック。そう言えば名古屋のエントランスなんかで何度か聴いたことある曲だな…。ちょっと懐かしくなった。
 
 
後半になっても失速せず、ひたすら盛り上がりを見せるこのライブ。JORISもCINEMAもひたすらアゲなトラックであおりまくる。
 
でもそこへKOWALSKI先生が[LOCK ME UP]
 
だからなぜにそこでメロウな歌モノで下げるかと(笑) でもそんなアナタが大好きです。
 
 
ひたすら踊りながら時計を見るといつの間にやらもう5時近く。3時間もライブやってるワケだ。凄い。と言うかこのバックトゥバックライブ。何気に凄いことをやっていると思う。それぞれが機材を用いてライブをやっているのに、でもそれをきちんと、DJが曲と曲とを混ぜて繋ぐ様に滑らかにミックスしてお互いに渡していってるのだ。一体何をどうやっているのかサッパリ分からない。
 
 
ライブも最終盤。JORISがハードでミニマルなトラック[SHINING]をかける。シンプルなミニマルなんだけれどこの曲何気に好きなのだ。
 
 
そしてそこへKOWALSKI先生が聴き覚えのあるリズムをかぶせていく。こ、これは…もしや…。
 
だけどまだその曲はかからない。ひたすら[SHINING]で引っ張る。
 
 
そして何度も何度も引っ張って、そしてようやく…。
 
 
 
そう。あの曲が遂に来た、のだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
[SPEAKER ATTAAAAACK]!!!
 
 
 
 
 
あの独特の、重苦しくも切なく美しいメロディが入ってきた時点でもう、完全に壊されましたよ僕。マジでヤバイと思った。
 
KOWALSKI先生のセカンドアルバム[PROGRESS]に収録のこの[SPEAKER ATTACK]。哀愁メロディに極太キックのしっかりしたリズムと言う、もうこれぞいかにもコワルスキー節全開なトラックで、僕も大好きな曲の一つなんだけれど、KOWALSKI先生自身も相当お気に入りな様で、ネットのライブ音源とか聴くと最後にかけてることとか結構多い。
 
だからラストにこれ来るんじゃ?て言うのは充分に予想出来てたことなんだけど、でも。やっぱり本人が目の前でかけてるのを聴くと違う。全然違うわ。
 
もうこの時には僕も最前列に張り付いて踊り狂っていた。なんか、久々に音楽聴いて「ヤバイ」体験出来たと思う。本当に凄かった。
 
 
この[SPEAKER ATTACK]。最後の方はエフェクトでいじりまくり。KOWALSKIとCINEMAがエフェクターかけまくって物凄く歪んだ、ノイジーな騒音とも取れる様な音を出して、それにJORISが耐えられなかったのか耳を塞いだりしてたのが面白かった。 
 
 
そして5時。ライブは終わった。大好きな[SPEAKER ATTACK]でライブ自体が閉められたのは個人的にも凄く嬉しかった。
 
 
でも観客達は物足りず、アンコールの声。
 
それに応えてJORISが少しだけ回し、それで本当に終了。
 
 
と思いきや、CINEMAがノートPCを取り出して単独ライブを始めた。まだやるのかよ(笑)
 
 
僕は正直もう、疲れ切っていたのでとりあえずフロアを出る。そして荷物をロッカーから取り出し、缶ビールを買って独りあおる。
 
 
でもCINEMAのライブは結局10分かそこらで、すぐに終了してしまった模様。そこでもう一度フロアへ様子を見に行く。そして最前列まで行ってみると、ブース上にはKOWALSKI先生がまだいた!!
 
 
そこで意を決して声をかける。「Mr.KOWALSKI!!」とか何とかいって声をかける。振り向いてくれた。そして握手までしてくれた(喜)
 
僕はとりあえず「I am a big fan of you」とか「I like your sound very much」とか言って大ファンぶりをアピールしまくる。KOWALSKI先生も気をよくしてくれている模様。
 
そして調子に乗った僕は(笑)、バッグの中から一枚のCDを取り出す。取り出したのは[RESPONSE]。先生のサードアルバムで、僕の最も好きな作品。そしてそこにサインをねだる。
 
KOWALSKI先生、ニコニコ笑いながらサインしてくれた。めちゃめちゃ嬉しい。
 
僕は「This tune [RESPONSE] is my favorite in all techno」と言って更に「Thank You!!」と。そしてまた握手してもらえた。
 
ちなみに僕はKOWALSKI先生のトラックの中で、[RESPONSE]がイチバン好きなのだ。全てのテクノの中でも最も好きな曲の一つと言っていい。今日のWIREでやってくれないかな。
 
KOWALSKI先生、創ってるトラックの雰囲気とか黒ブチメガネのイメージから、もっと気難しそうな印象があったんだけど、でも実際は気さくそうな(でもシャイそうな)、本当に気のいい青年と言う感じだった。 
 
 
 
 
KOWALSKI先生にもらったサイン。「KEEP ON ROCKIN'」とか書いてある。テクノアーティストなのにロッキンでいいのかよ!!とか思ったけど、よく考えてみたら曲名か。
 
さて。今夜はWIRE06。今夜はバックトゥバックではなく、じっくりと単体でのライブをやってくれるハズ。一体どんなライブになるのか。凄く楽しみだ。