|
|
|
|
|
|
−MODULE 3RD ANNIVERSARY 〜GUEST DJ FABRICE LIG−
|
2004年11月2日(火)。この日はなんと、あのFABRICE LIGがやって来る!! 去年の10月に来日して、デトロイトな選曲中心に素晴らしいプレイを魅せてくれたFABRICE。その時にはサイン貰ったり色々と話かけたりして、彼からは「MY
FIRST JAPANESE REAL FAN!!」とのお墨付き(?)まで貰っている。これはもう、行くしかないだろう。
仕事を定時に終え、一旦帰宅。そしてシャワーを浴びたり色々準備を済ませ、11時頃に家を出る。まずは腹ごしらえに、そのまま歩いて銀座方面へと向かい、僕の勤め先に程近い場所にあるラーメン屋[函館ラーメン船見坂]へ。ここのラーメンは絶品!!なのだ。ラーメンて言うと、最近はやたらとこってりとした豚骨系なんかが主流だけど、ここのはそれとは対照的。鶏ガラ中心に魚介と野菜でアクセントを加えたスープは澄み切っていて、味の密度も旨みも凄く濃いのにも関わらず、あくまでアッサリ。こってり系ラーメンに飽き飽きしている人はぜひお試しあれ。あとトッピングで味付け煮卵載せるのを忘れずに。
そして銀座駅から地下鉄に乗り、一路渋谷へ。今日のパーティが行われるのは[MODULE]というクラブ。何でもそのハコの三周年パーティとして、ゲストにFABRICEが来るらしい。
渋谷の駅を降りてハコへ向かう。夜中であっても渋谷は凄い人。僕は渋谷へはよく来るのだが(最近は休みの度に行っている)、でも何度来てもこの街は好きにはなれない。人間の色々な「欲」がうずまいている様な気がして、なんかイヤなのだ。
[MODULE]に着いたのは12時ちょっと過ぎ。入り口でIDチェックを受け、お金を払って中へ。東京は都条例のせいか分からないけど、クラブのIDチェックが厳しい。名古屋じゃこんなの無かったのに…。
ハコの人にFABRICEの回す時間を聞いてみると、1時くらいからプレイとのこと。とりあえず中に入ってフロアでビールでも飲みつつ過ごす。周りを見回してみると、今日も誰も知り合いはいないみたいだ。
[MODULE]はそんなに大きなハコでは無い感じ。フロアはメインフロアが一つに、バーが一つ。あとはサブフロアが一つ。そしてちょっと汚い感じのハコ。名古屋のハコで言うのなら、(懐かしの)[drAm]。あれをもっと大きくしてフロアを幾つか足した様な感じか。
あと、トイレがたった一つしか無いというのがちょっと困りもの。男女合わせて一つ。クラブに行けばビールを飲む。飲めば当然トイレ行く回数も増える。だからもう少し余裕があるといいと思うのだけど…。
それからビールの値段の高さにビックリする。自販機で缶ビールが700円と言うのは前代未聞だ(苦笑)
30分くらいフロアでビール飲んで過ごしていると、フロアの後ろから数人のスタッフらしき人間に囲まれて入ってきたのは見覚えのある外人。「…FABRICEだ!!」
FABRICEはブースに上がり、何やら機材の説明だとかを受けている模様。そしてしばらくするとブースから下りてフロアから出ていってしまった。
僕もその後を追っかけてフロアを出てみる。そしてバーへ行ってみると、彼はいた!! ファンと思しき人にサインをしている。そして僕も声をかけてみる。笑顔で応えてくれるFABRICE。片言の英語でなんとか話をしてみる。「I
HEARD YOUR PLAY LAST YEAR」とか何とか言ってみる。そして、ケータイのカメラであらかじめ撮っておいた、去年FABRICEから貰ったサインの画像を見せてみる。
「OH…I REMEMBER!!」
良かった。FABRICE、覚えててくれたらしい。そして僕もサインを貰おうと思い、KANZLERAMTからの彼のアルバム[MY
4 STARS]のCDを取り出す。するとFABRICE、「WHAT'S YOUR NAME?」と聞いてくる。どうやら僕の名前入りのサインを書いてくれる様だ。紙に僕の名前を書いて渡す。スラスラと何か書いてくれる。確かに僕の名前を入れたサインの模様。何が書いてあるかは暗くてよく見えない。これは家に帰ってからの楽しみにしておこう。
そして「アルバムではどの曲が好きなんだ?」「全部だ!!」と言った会話を交わし、FABRICEに礼を行って再びフロアへ戻る。ロッカーへ荷物と上着を預けて戦闘態勢へ(笑)
FABRICEにサインを貰い、会話までしたことでもの凄くテンションがアガってきた。今日のパーティ、誰も知り合いが来てなかろうがもうそんなことはどうでもイイ。
時間は1時少し前。FABRICEが再びフロアへとやってきた。そしてブースへ。どんどん期待が高まる。僕が今日3本目のビールを飲み終えると同時に、FABRICEのプレイは始まった。
前のDJの曲からカットインでつないだのは、何とも日本的なメロディの、でも創りはデトロイトテクノと言う変わったトラック。琴の音色やら何やら入っている。そしてそこから次々と色々なトラックを繋げて繰り出していく。ミックスは凄く丁寧。
去年の彼のプレイを見た時は、フェーダやEQやらビシバシ使いまくっていて、荒っぽくもカッコイイ、まるでKEVIN
SAUNDERSONの様なプレイだったけど、今回は違う。丁寧に一つ一つのトラックの表情を大事に聴かせながらミックスをしていく。そして選曲も、去年はデトロイト風味がかなり濃厚だったのが、今回は少し違っている。デトロイトのエッセンスを感じさせながらも、もう少し音の幅が広いと言うのか。彼自身の作品で言うのなら、去年のプレイはアルバム[ROOTS
OF THE FUTURE]。今回は[MY 4 STARS]。そんな雰囲気を感じた。分かりにくい例えかもしれないけど。
綺麗なメロディのトラック多目に、緩急をつけてミックスをしていく。僕はずっと最前列で踊りながら、自然と顔がにやけてしまう。踊っていて、音を聴いていて、もう楽しくて仕方が無いのだ。先月に行ったパーティ(FRANK
LORBERが来てたやつ)ではどこかノリ切れていない自分を感じていたのだけど、今回は全然違うのだ。FABRICEの繰り出す、音の世界にハマってしまった、と言うのか。
[MODULE]のDJブースは割と低い位置にある。なので最前列で踊っている僕は、少し背伸びしてのぞきこめば次にまわすレコードだとかも見える。ふとのぞいてみると、見覚えのあるレコ。
そう、かかったのはSOLID GOLD PLAYAZの[MOVEMENT OF VENUS]。KANZLERAMTから少し前にリリースされた盤で、変則キックにデトロイト調の綺麗なメロディの絡んだ、しっとり系のトラック。その特徴的な上音が入ってきた瞬間につい、「来た!!」と叫んでしまった。でもこんなマイナーなトラックで反応したのはフロア中見てもやはり僕だけ…。
ここで自分の中では第一の山場を迎えた、と言うことで少しだけ休憩にトイレへ。しかしトイレが一つと言うのはやはり困る…。本当はビールも飲みたかったが、トイレが近くなるのがイヤなので我慢してまたすぐにフロアへと戻る。
そして最前列へ行き再び踊る。フロアは混み混みと言うワケではないけど、結構人が入っている。でもどういうワケか最前列だけはちょっと空いていて踊りやすい。(それとも僕が暴れるから周りが引いてしまっているだけなのか?
これでも随分控え目に踊っているつもりなのだけど…)
FABRICEのプレイ、少しダークな感じになっている。と思ったのも束の間。プレイが後半に差し掛かるにつれ凄い盛り上げてきた。EQなんかも徐々に激しく使いはじめていく。有名な、聴いたことのあるトラックなんかもかかる。でも何か分からない…。そばで踊っていた人が聞いてきた。「これって何てトラックか知ってます?」「いや僕も分からないです。有名な曲だとは思うんだけど…」「ですよねぇ…」 あれって何のトラックなんだっけ…。
と、ここで聴き覚えのある、よく耳にする独特のベース音。ま、まさか…
[BLUE MONDAY]だァ!!!
まさかFABRICEがこれかけるとは思わなかったから凄いビックリした。でもさすがに有名曲。フロアの反応も凄い。みんな無心に踊っている。そしてみんな笑顔だ。やっぱりこういうのはいい。
FABRICEのプレイ、ラストスパートと言った感じで尚も盛り上げていく。CAVEのあの[CARNIBAL]のリミックスらしきトラックだとかかかる。
この頃にはFABRICE自身も凄くノリノリで、時々腕を振り上げ、人差し指を立ててリズムを取ったりしてフロアを煽る。この人って見た目は凄くマジメそうで、どっちかと言うと銀行員だとかの固い職業っぽく見える人なのに、それがこれだけノってフロアを煽ってDJしている。そのギャップもなんだか面白い。
そしてブースを覗いてみると、また見たことのある盤。いや、これは間違いなくKANZLERAMTのだ。レコードの盤面の、文字の書かれ方とかどう見てもこのレーベルっぽい。
徐々にミックスされていくそのトラック。リズムが入り、そして上音が入ってくる…
[MY 4 STARS]だァァァ!!!!!
…そう、彼自身のアルバム[MY 4 STARS]から、しかも表題曲[MY 4 STARS]。それもアナログオンリーのインスト版だった。ここでフロアの盛り上がりも絶頂に。この曲、イイ曲だ…。僕は普段はCD盤に入っている歌入りのヴァージョンしか聴かないから(もちろんアナログも持ってはいるのだけど)、このインストの方はちょっと新鮮だ。途中のブレイクでの音の広がりとか、凄くカッコイイ。
ところでこの[MY 4 STARS]というタイトル、彼自身の家族のことを指して付けたタイトルなのだとか。彼と奥さんと、二人の娘…。それぞれを4つの星になぞらえて…家族思いの、いいお父さんだ。
フロアは大盛り上がりのまま、FABRICEのプレイ、最終盤へ。彼がラストにかけたのは何と…
[STRINGS OF LIFE]だァァアア!!!!!!!(壊)
そう、なんとテクノの元祖と言われるあの永遠の名曲[STRINGS OF LIFE]だったのだ。それもリミックス。まさか最後の最後でこんなのかけるとは…。こうしてFABRICEの、2時間に渡るプレイは終わった。終始とても幸せなプレイだった。
流行に迎合するのでなく、あくまで自分の世界・自分の音を貫きながらもこれだけフロアを沸かせてハッピーな気持ちにしてくれるなんて、FABRICE
LIG。改めて凄いDJだと思った。
フロアを出てぶらぶらしていると、しばらくしてFABRICEが出てきた。写真を頼んで撮っている人だとかもいる。僕もデジカメ持ってくれば良かったか…。
そしてバーでFABRICEに話しかけ、「THANKS FOR GOOD PLAY!!」とか精一杯にお礼を伝える。すると向こうも「THANK
YOU FOR YOUR GOOD DANCIN'」とか返してくれた。僕が最前列でずっと踊っていたのをしっかり見てたらしい。なんだか嬉しい。
バーでしばらく一人で酒を飲む。こういう時はやはり、誰か知り合いがいた方が楽しい。前回のクラビングで感じた孤独感みたいなのを少しだけ味わう。…でも周りの楽しそうな人達を見ながら飲んでいるうちに何となく楽しくなってきた。
そして30分位飲んでいると、FABRICEが帰って行った。バーの入り口付近で飲んでいた僕にはしっかりと気付いてくれて「SEE
YOU NEXT TIME!!」と声をかけてくれた。…とても嬉しい。そして握手をして、手を振ってFABRICEを見送る。「THANK
YOU!!!!」
時間は4時前。酒を飲み終えて僕も帰ることに。クラブを出たところでタクシーが何台も続いていた。おかげで難なく乗れて無事に帰宅。今回、12時過ぎにクラブに着いて4時前に出ると言う、僕の今までのクラビングの中では(半ば義理で行った友人のイベントで終電で帰ったとかを除けば)、一番滞在時間が短かった。でもとても濃い、楽しい時間を過ごせた。これと言うのも全て、FABRICE
LIGと言う素晴らしいアーティストのおかげ。本当にありがとう。THANK YOU!!
そしてFABRICEに貰ったサインを家で見てみると、そこには…
「GREETING TO ○○○(僕の本名), MY BEST FAN IN JAPAN!」
そう書かれていた。「BEST FAN」 FABRICEがそう認めてくれたのだ。凄く嬉しい。 |
|
|
|
|
|
|
|