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〜 2003年8月17日→8月23日鹿児島(枕崎)一人旅 〜
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(10) さようなら枕崎。
昼食を終え、途中で散々道に迷うなどのトラブルに巻き込まれるも(笑)、何とか駅まで戻ってきました。そして自転車をお店に返します。料金はたったの300円でした…安い。ところで、お店近くの枕崎市の市役所には、何とも不可思議なオブジェが飾ってありました。アシカの頭に人の足がくっついている、ちょっと不気味な像。前衛芸術なんでしょうか??
さて、駅へ戻ると売店のおばあさんのお出迎え。「あらあら。こんな日焼けしちゃってまあ…」ずっと今まで外を自転車で走っていたワケですから、日焼けも相当なものになってるかもしれません…。
時間を見ると13時半くらい。これから坊津へ向かいます。坊津には[小さな宮田美術館]と言うのがあるそうで、美術館好きとしてはちょっと観ておきたいのです。
坊津方面のバスは本数が少ないので、仕方なくタクシーを利用。枕崎の町を抜け、山道を走っていきます。このタクシーの運転手さんが気さくな方で、色々な話をして下さいました。聞くところによると、やはり枕崎の町を観光で訪れる人は少ないとかで…。
山道を走って坊津へと入ります。周りはリアス式海岸で見事な風景。時間があれば降りて散策してみたいところですが、今日はちょっとそこまでの時間が取れそうにありません…残念。こうして、[宮田美術館]には枕崎から20分ほどで到着。
タクシー代は2000円をちょっと超えてました。払おうとすると運転手さん、「2000円でイイよ。せっかく遠くから来てくれたんだから。そのお金はジュース代にでも使いなさい」とのお言葉。これにはまたビックリです。タクシー代をまけてもらったのなんて生まれて初めて。なんて優しい運転手さんなんでしょう…。どうも枕崎の町、会う人会う人親切な人たちばかりでした。本当に…。
枕崎市役所前に立つオブジェ。
これぞ芸術…なのか? |
坊津にある、
小さな宮田美術館。 |
[小さな宮田美術館]はその名の通り、本当に小さな美術館でした。個人の家サイズの展示室で、美術館というよりは画廊の様な感じ。そして、女性の館長さんが出迎えてくれて、一つ一つの絵について色々と解説だとかして下さいます。更にお茶まで出してくれて、色々と絵や美術についての話…。
今まで観た美術館ではどこが良かったか、とかそんな話をしました。そして館長さん、僕が愛知から来たと言うことを聞いて驚かれてました。さすがにそんな遠くから来る人はなかなかいない様。
この[宮田美術館]は、美術館というよりはむしろ、絵画好きの個人の家に招かれて、色々と観させてもらう様な、そんな雰囲気です。でもすごくアットホームでリラックスしたムード。出来れば、坊津でもっと時間を取って、周りの素晴らしい風景と併せて楽しみたかったかもしれません…。
あっと言う間に過ぎていく時間。時計を見ると何時の間にかもう15時を回っています。館長さんにタクシーを呼んでもらい、また枕崎の町へ。坊津…もっとゆっくり観たい土地だったなぁ。
枕崎の駅に着いたのは15時40分くらいだったでしょうか。列車の時間にも間に合いました。売店のおばあさんから荷物を受け取ります。そして枕崎の町とはもう、これでお別れ…。
ホームへ行くと列車がもういました。15:55発の山川行き普通列車。これに乗車します。何枚か駅周辺の写真を撮って、そして列車へ。
枕崎駅に停車中の列車。
もう枕崎とはお別れです…。 |
さようなら枕崎…。
僕の大好きな町になりました。 |
シートに腰掛け、色々なことを思い出します。枕崎の町、実際に来るまでは[日本最南端の終着駅]のある町と言う位の印象しかなかったけれど、色々と思い出深い経験が出来た町でした。確かに、いわゆる観光地の様な見どころは少ないけれども、でもその分美しい風景・美しい自然があります。そして何より、そこに住む人たちがとても親切で暖かい。みんな優しい、イイ人たちばかり。どうしてここの人って、僕みたいなこんな余所者の他人に、こんな親切にしてくれたのでしょう…。
「旅へ行くのなら田舎に限る」そんな言葉の意味が分かった気がしました。都会の便利な生活の中で失われてしまった「何か」がこの町には残っていた様な、そんな気がします。僕もこれからは、もっと出来るだけ他人に優しくありたい。そんな風にも思わされた、この枕崎の町での体験。
列車が動き出し、枕崎のホームから離れ出した時、僕の目からは涙が自然とこぼれ落ちていました。ありがとう枕崎…僕の、大好きな町。
列車はひた走り、その間もずっと僕は、昨日と今日の、枕崎での出来事を色々思い出していました。日本最南端の駅[西大山]を通り、そして16:57。山川駅に到着です。ここで乗り換え。
山川直前の車窓。
なんとも不思議な形の山が見えます。 |
山川駅。
ここで西鹿児島行きに乗り換え。 |
西鹿児島の街が近づいて来ました。 |
西鹿児島の駅に到着。
お疲れサマでした。 |
山川からは行きの車窓でも観た海の風景を眺め、西鹿児島に近づくにつれて、ガラガラだった車内も次第に人が増えてきました。ちょうど通学の時間と重なるのか、高校生がいっぱい乗ってきます。そして車窓の景色は次第に街の風景へと変わり、18:23。列車は西鹿児島の駅へと到着しました。
さあ、本日の宿へと向かいます。駅を出て、歩くこと5分くらい。[シルクイン鹿児島]に到着。受付でチェックインを済ませます。どうでもいいコトなのですが、この時の受付のお姉さん、もの凄く綺麗で可愛い人でした。応対の感じもとても良かったし。何となく嬉しい(バカ)
部屋へ入り、荷物を置いてまたすぐに外へ出ます。と言うのも、これから洗濯をしなくてはいけません。今回の九州旅行、最終目的地の枕崎へ行って来たとは言え、まだ日程はあと二日残っています。でももう、洋服が足りない…。ビニール袋に洋服を入れ、フロントへ。そして先ほどのカワイイお姉さんにコインランドリーの場所を尋ね、ホテルを出て探します。
ホテルからまっすぐ行って、裏通りを進んだところでコインランドリーを発見。明日と明後日、二日分の洋服を洗濯しました。この時、暑い(冷房のない)ランドリーの中で終わるのを待っていると、お店の人と思しきおじさんがやって来て、「中は暑いでしょ?
イス外に出していいから外で待ってなさいよ」と声をかけてくれました。鹿児島の街の人もなかなかに優しいです。
夕闇に浮かぶホテルシルクイン。
天然温泉つきのビジネスホテル。 |
シルクインの客室。 |
洗濯を終え、再びホテルへ。そして風呂へ。このホテル、ビジネスホテルなのですが、なんと温泉が沸いているのです。大浴場は結構な広さ。お湯の温度も熱すぎずにちょうどイイ具合で、凄く気持ちよかった。街中のビジネスホテルでこれだけの温泉に入れると言うのはちょっと凄いです。
そして夕食。風呂も入ってしまったし、今から外へ食べに行くのはかなり面倒くさい。そこでこの日は、ホテルの一階にある料理屋[海味屋]へ。
温泉につかった後でノドも乾いていたので、まずは生ビールで一人乾杯。そして色々と料理を注文。ホテル内のレストランだから味はあまり期待出来ないかも…と思いきや、予想外の美味しさでビックリ。中でも、鰹のカレー香味揚げと言うのは美味かった。「揚げ」と名は付いているけれど、揚げ物と言うよりはちょっと変わりダネの鰹のたたきと言った感じ。鰹の肉にカレー粉をまぶして揚げてあるのですが、完全に揚げてしまっているのではなく、中身はレアでまさにたたきと同じ状態。それをタマネギと一緒に、特製のたれにつけて食べると言うもの。鰹の身の独特のクセがカレー粉で上手い具合に調和され、幾らでも入りそう。お酒もついつい進みます。
生ビールをグィッと飲み干し、続いて焼酎。[石の蔵から]と言う焼酎を小瓶でもらいました。これも昨日枕崎の宿で飲んだのと同じ様なタイプで、あらかじめ割り水をして濃度を日本酒程度にまで押えてあるもの。今日はこれをロックで。芋焼酎なんですが、芋独特のクセのある匂いと言うよりはむしろ、ほんのりと漂うバニラの香り。なかなかに美味しい焼酎です。
こうしてのんびり夕食を食べ、部屋に戻ってまた恒例の(笑)、缶ビール。こうして、鹿児島県で過ごす最後の夜は終わりです。明日は福岡へと向かいます。
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