<曲目>
*)ピアノ/渡部正子
本日の演奏会の開幕は、教会音楽やオルガン曲などのバロック音楽の大作曲家、J.S.バッハの「パッサカリア ハ短調」です。オルガンの為に書かれたこの曲は、すぐれた作品の多くが書かれた「ケーテン時代」の作と考えられています。 "パッサカリア"というのは低音で持続的に繰り返される主題を持つ3拍子の変奏曲です。今回は、この低音パートが舞台中央にて着席して演奏し、他のパートはすべて立奏することによって、主題の安定感とアンサンブルの立体感を演出するという試みが行われています。 |
ユーフォニアム・ヴァリアンツ
この曲は、ユーフォニアム・カムパニーの委嘱により、今年の7月に書いたものです。Bb・C・Db・E・F#・G・Aの7音階が曲を支配し、大別して5つの部分([A]+[B]+[C]+[D]+[A])から出来ています。[A]はIntroductionで演奏者が順番に登場します。全員が登場したら[B]になります。ここでは第1奏者がBbのBaritoneに持ち替えます。この部分の最後には次の[C]の為のファンファーレ的なものが現れます。[C]は曲名にもなっている「Euphonium Competition」です。審査委員長(後で指揮者になる)の指示に従い8人の名奏者達がその腕を競うのです。さて、どういう事になりますでしょうか?次の[D]は、自由で且つ動きのある部分です。発展的であると同時に経過的でもあります。最後には、また[A]が出て来ますが、ここでは奏者が順番に登場してきた初めの[A]とは逆に第1・第5奏者、ピアニスト、指揮者を残し客席に移動し全体を取り囲むようにして曲を閉じるのです。 (金田)
「カルメンに目を付けられたドン・ホセ。彼の乳兄弟ミカエラは彼との結婚を望んでいるのだが、いつの間にかドン・ホセはカルメンのあやしげな魅力の虜となってしまう。一方カルメンに惚れた闘牛士エスカミーリョは、カルメンを絶対に自分のものにすると宣言。次第にカルメンはエスカミーリョに引き寄せられて行く。一途なドン・ホセは、彼女を締め切れない。エスカミーリョが闘牛場で勝利を収めたその時、ドン・ホセはカルメンを刺し殺してしまう。」‥‥‥というオペラ「カルメン」の話を(いやいや本当はもっとあるんだけどこの際カット)、あっ!という間にお聴かせしましょう。 (伊藤)
作曲者からのメッセージ
「ユーフォニアムって何?」
三浦さんをはじめ、御出演の皆様、本日の演奏会、誠におめでとうございます。ところで、私も含めていま管楽器を演奏している人達は、どうやって自分の専門の楽器を決めたのでしょう?
例えば「K君」がブラスバンド部に入る時
K君「ぼくは、かっこいいトランペットが吹きたい」
O先輩「今、トランペットは7本いるから、
1本しかいないトロンボーンをやってくれ‥‥たのむから!」
などというケースは多々有る訳で、「おまえは体がでかいから○○○をやれ」とか「君は手先がキヨウだから」「おまえはボーッとしているから」などと果ては性格まで決められたりして‥‥。
我ままで協調性のないトランペット、ワケも無いのにグチャグチャ集まっているトロンボーン、やたら無神経なサックスだとか、私達の性格は、こんなにカンタンに作られてしまった。 一般に、大変めずらしく感じられるユーフォニアムが、こんなに大勢集まってしまって、いったいどんな事が起こるのか楽しみですね。
というところで、今日はユーフォニアムの性格を見てみましょう。
最後に一句
ユーフォニアム
知ってる人は
知っている
字余
かしこ
(鍵和田)